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3月も終わる頃

俺は、一人暮らしを始めた

家具付き1DK

駅から5分強の駅近である。

一人暮らしには申し分ない広さに加え、

家具付きというありがたい物件

家賃は4万〜

正直、いわく付きかともおもったが、

不動産屋によると、築年数がかなりきているらしい。

確かに外見は少々ボロくも見える

だが、2、3年前に中をリフォームしたとかで中はほんとに綺麗だった。

隼士

はぁ、やっと終わった〜

隼士

荷物の整理とかちゃんとやっときゃ良かった…

あきら

お前、ダンボールに適当に詰めすぎなんだよ。

隼士

いやぁ、面倒くさくて笑

あきら

もう夜中じゃんかよ

隼士

ごめんごめん😅

隼士

でも、ありがとな手伝ってくれて

あきら

今度奢れよ?

隼士

了解……

あきら

まぁ、いいさ。

あきら

これから忙しくなるから今週末はゆっくり休んどけよ

隼士

おう

隼士

あきら、もう帰るか?

あきら

あぁ。

あきら

家近いしな笑

隼士

OK

隼士

またLINEするな

あきら

おう、おやすみ

この日は

まだ真新しいマットレスに

毛布と枕だけで眠りについた

しばらくして

一人暮らしにもそこそこ慣れた

1ヶ月後

隼士

なんか、暑くなってきたな

隼士

そろそろクーラー使うか〜

備え付けのエアコンは

もちろん新しい物だった

リモコンを手に取り操作した

隼士

あ、

隼士

ついたついた!

隼士

うっひょ〜、涼しい〜

あきら

通話終了

通話
04:21

クーラーに感動していたとき

あきらから連絡があって

俺ん家に来ることになった

あきら

お邪魔しまーす

隼士

よっ

隼士

なんか、飲むか?

あきら

あきら

お茶でいいや

隼士

酒は?

あきら

要らない

あきら

てかさ、寒くね?

隼士

え?

あきら

この部屋だよ。

あきら

もう冷房つけてんの?

隼士

丁度いいだろ?

あきら

いや、鳥肌たつくらいなんだけど

あきら

お前昔から暑がりだよな

隼士

ええ!?

隼士

普通だろ〜

隼士

お前が寒がりなだけだろって〜

あきら

いや、さみぃよ

隼士

わかったよ笑

隼士

消すよ笑

隼士

で、話って?

あきら

あぁ、それがな…

あきらはこのまま俺の部屋に泊まっていった。

また、しばらくして

季節はムシムシとする夏になった

隼士

いやぁ、クーラーは素晴らしい

この日は休日で

何の予定もなく家でダラダラとすごしていた

漫画なんかを読んでいると、

隼士

隼士

ん、なんか

隼士

鉄くせえな

なんだか、鼻につく様な臭いを

一瞬だけ

感じた

隼士

気のせいか……?

この日を境に

あきらとは連絡がつかなくなっていた

電話をしても繋がらず

家を訪ねても反応が無い

職場にも無断欠勤という

あきららしくない

隼士

あいつ、どこにいるんだ?

あきらの家にもう一度訪ねてみたが

鍵が掛かって開かないし

待つことしかできなかった

隼士

何やってんだよあいつ…

あきらが音信不通になって1週間

ある日、仕事から帰って部屋のエアコンをつけた

隼士

まだ、既読つかねえ

ソファに座り携帯を確認する

隼士

??

隼士

何だこの臭い

また、

鼻につく様な鉄臭さをを感じた

どこからの臭いなのか探ってみると、

隼士

隼士

エアコン?

臭いはエアコンの風に乗ってきたらしい

隼士

うぇ、なんだこれ

臭いはだんだんとキツさを増した

エアコンを止めようとリモコンを押す

隼士

あ、あれ?

隼士

ん?

押しても

押しても

押しても

隼士

何で止まんないの、

隼士

っ!

隼士

くっさ!

押しても

止まらない

止まらないどころか

だんだんと風量が強くなっていく

それに比例するように臭いも増した

隼士

はぁ?😠

隼士

不良品か?

隼士

今まで何ともなかったのに

隼士

チッ

俺は舌打ちをしてリモコンを投げた

すると、

ポタッ

隼士

ん?

何かが顔に降ってきたのだ

隼士

水?

顔を触ってみると

隼士

ん、なんだこれ絵の具か?

手についた液体の臭いを嗅いでみると

隼士

っっち、血!?

隼士

まさか、このエアコンからきてる臭いも血なのか!?

すると、

カタカタ

エアコンからおかしな音が聞こえてきた

音はどんどん大きくなって

カタカタ

カタカタ

雨のように

血が降ってきた

隼士

なっ!

隼士

んだよこれ!

ガダガダガダガダガダガダガダガダガダガダガダガダガダガダガダガダガダガダガダガダガダガダガダガダガダガダガダガダガダガダガダガダガダガダガダガダガダガダガダガダガダガダガダガダガダガダ

ガダガダガダガダガダガダガダガダガダガダガダガダガダガダガダガダガダガダガダガダガダガダガダガダガダガダガダガダガダガダガダガダガダガダガダガダガダガダガダガダガダガダガダガダガダガダ

隼士

うっわ!

隼士

これはやべえって

止まらないエアコン

止まらない血

俺は、とんでもない事を想像してしまった

隼士

だ、誰の血だ?

こんな怪奇現象

起こるタイミングがおかしい

あきらが消えたタイミングと重なってしまう

隼士

嘘だろ?

隼士

あ、あきら

もう一度携帯を確認する

血塗れになった画面には変わらず

未読の状態

俺は全身

血に塗れた

隼士

い、いや

隼士

そんなはず

すると、

ガダガダという音とともに

ドサッ

隼士

え、

落ちてきたそれは

隼士

う、

隼士

腕?

まるで、刃物でズタズタにされた

腕とも言えぬ

肉片

ドサッ

ドサッ

ドサッ

ドサッ

次々と落ちてくる

肉の

塊たち

隼士

…………うっ

臭いのキツさと

見た目の衝撃に

俺は吐きそうになっていた

隼士

じょ、冗談とかじゃかいのかよ…

俺は上を見上げた

俺と同じように血に塗れた白のエアコンから

血が

ポタリ

ポタリ

と、落ちていた

隼士

ゆ、夢じゃ、

ドサッ

隼士

っ!

エアコンの間から落ちてくるはずのない大きさの

頭が

落ちてきた

紛れもない

人間の頭だった

隼士

ゔ、ゔォエエエエエ

顔だけは

周りの肉片と違い

綺麗に

くっきりと

醜くなった表情を浮かべていた

消えた友人の

見たことも無い

絶望の顔だった

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怖い、

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