たんっ、たんっ、と肌と肌が触れ合う音 それから、空気が圧迫されて抜ける音 そのどちらともとれる音が部屋に響いて鼓膜を揺らす
仁
まどか
司波仁、ホークアイズの探偵で 齢16にしてネスト入りした天才 そんな彼が、全部晒して 僕の上に馬乗りになってる それだけで、優越感に浸れるのは 言わずもがな、皆わかるんじゃない?
素直に言うなら、実年齢は18じゃないと思う まだ、快楽すらまともに知らなかった童貞の18が こんなに淫らに、卑猥に動けるわけないじゃん 経験済みじゃないとおかしいんだよ と言っても、本当に初めてなんだろう 慣らすのに苦労したから
仁
僕の上にまたがるこいつは本当にいい男 息遣いと、赤く火照った頬と 水に濡れるアメジストと、それから、全部 言葉で言い表すには、言葉が足らないほど そんな色気を、司波仁は放っているわけ でも、それを知っているのは僕だけ
なんて、これ以上優越感に浸れる事があるなら 教えて欲しい、、着痩せしないタイプなのも 意外と臍が弱点なのも、可愛いって言うと少し 上機嫌になるのも、全部、僕しか知らない 嬉しい、もっと知りたい、可愛がりたい 生意気な癖に、どうしてこんなにも可愛いのか
触れていたくて軽く伸ばした右手に、左手が触れる ……愛おしい、なんて、普段じゃ思わない どうやら僕も熱に浮されているらしい 繋いだ手で指の股の間を撫でるだけ、なのに、 2時間続けられた性行為のせいで敏感になった体は、 大袈裟に肩を揺らし甘い吐息を漏らす
仁
淫乱な、なんて思うけど揺れる腰に煽られて 素直に興奮する僕もなかなかなもんだ ……僕の方が肌が白いし、細身なのに どうして、太くて、頑丈で、男らしいこいつが こんなにも可愛いのか、僕は不思議でたまらない
素直に甘える指先が、軽く震える睫毛が 異常に愛おしく可愛く見えて仕方がない 僕の目がおかしくなったのか、それとも頭か もしくは、この世界か、こいつ自身が狂ったか 良く分からないけど、可愛いくて、どうしようもない
ぐり、と無自覚だが腰が動いて奥を刺激する 静かに漏れる声が静まり返った空間に大人しく響いて その熱に、さらに浮かされる
仁
仁
好き、と声にはならなかったが 口元が動いたのをはっきりと見た 僅かにだが動いた唇を見逃すわけない そんなの、探偵の名が泣く もう一度言ってと施すように手を 頬に擦り寄せるが、どうやら無理らしい
こうなれば強行手段 無理やり押し倒して、吐かせるのみ
まどか
仁
こてん、と軽く首が傾いて そんな意地らしい態度に、イラついた これが、愛しさ余って憎さ百倍とやらか、と実感した ぐい、と無理やり押し倒して繋いだ手を そのままシーツに縫い付ける
仁
まどか
漏れる声に動揺しないように、わざとらしい 言い訳を付けて、軽く腰を引けば、中が寂しそうに揺れる うねり、からみ、締め付ける 素直な反応に、熱くなりすぎた結合部から 溶けそうになる
仁
思考丸ごと、どろどろに溶けて垂れそう そう思うくらいに、熱い 右手を離すと、名残惜しげに左手が追いかけてくる でも、力無い手はそのままシーツに投げ出されるのみ
まどか
なんて、ほざいたところで結果は見えてる
仁
む、りなこと、ぃ、うな
やっぱり、無理なのはわかってたことで ちょうど思春期の男子なんて、素直になれたもんじゃない だからか、せめて行為中だけでも素直になってくれてる ただ、普段もわかりやすいので、可愛いとは思う
まどか
わざとらしく可愛子ぶって首を傾ける 上目遣いで、拗ねたようにして 効くわけないだろうけど
仁
むり、だって、、っ…あ、!
やっぱりね、残念 そう思いを込めて、ずっ、と 抜いた己をしまえば、がくっと喉が晒された はっきりと出たそれにでさえ えろさを覚えてしまうものだから 相当僕も末期なんだろう
まどか
なんて、半分半分な感想を呟くと 軽く睨まれた、から、かぷ、と 喉仏に噛み跡をつけてやった、そしたら 可愛く反応するもんだから 彼氏の僕としては愛おしいよね
仁
まどか
これは本音 本当に18か疑うくらい淫乱 何も知らぬ顔してた癖に なんでも知った顔になって
仁
挑発的に細めりた目と 上げられた口角が、魅惑的に見える そういう所が嫌いだったのに いつしか好きになってて、不思議だよ
まどか
挑発的に目を細めた仁に 僕は愛おしげに目を細め返した 右手を頬に添えると目を閉じて縋る そんな姿が本当に可愛くて そろそろ口が寂しくなってきた
まどか
仁
僕の言葉に素直に口を開けた 小さめの口から覗く赤色が異様で綺麗 なんて感想を抱きつつ静かに唇を合わせる 音が一つもならないようなそんな口付け 口が触れ合う寸前まで目を合わせて 口が触れた瞬間に、どちらからともなく目を閉じる
仁
これは、初めてのキスだけど こういうのも、ありかもしれない なんせ、期待気に揺らんだ瞳が脳についたまま キスをできるなんて、幸せだからね お互いが大切だと確かめるように舌を絡める 音も静かで、異様にならない
好きって頭の中で言いながら 口渡しで愛情を流し込む はっきりと口にして言ってくれない 目の前の相手に若干苛立って でも、すぐに愛おしくなって
まどか
そして、何分か経った後、どっちから 仕掛けたかは分からない終わりが訪れた つぅーと、糸が伸びて、ぷつっと切れる そんな、終わりが、名残惜しく首にキスを落とすと 赤黒く跡がつく、当たり前のことだったけど 嬉しくて仕方がなかった、なんて 僕はいつから、この男にこれだけ惚れ込んだのだろう
全く検討もつかない から、どうでもいいことだ
まどか
気分を変えたくて言った訳じゃない ただ、言ってほしい
仁
たくさんの間をあけて小さく呟かれた言葉は 可愛らしくて
まどか
笑い返せば、気恥しそうに 恥じらいながら、横に視線をずらした そんな仕草が意地らしくて やっぱり18のがきなんだと思う
まどか
仁
目を伏せて小さく呟いた仁に 軽くキスを落として、腰を引けば 甘ったるい声が漏れて
仁
まどか
仁
ぃ、く…、ィ、
湿気が酷い寝室で 目の前の子が、可愛らしく喘いでいるから 興奮が収まる気配がなくて 止まない気持ちよさと、止まらない 愛情で埋め尽くされそうになる
仁
汗で張り付いた前髪を退けてあげると 雨に降られた綺麗な瞳と目が合って嬉しくなる 好きだと、鬱陶しいくらいに 愛を込めてキスを送る
仁
まどか
仁
こっちは可愛がってやったのに 相変わらずの態度に、少し、傷つく
まどか
仁
まどか
仁
急に素直になった仁が 足を絡めてきて、だいしゅきホールドの体制になる 突然のことだし、初めてのことだし 内心動揺してるのに、動揺する暇すら 与える気がないらしい仁は 珍しく、へにゃっと笑った
仁
なんて言いながら 握った右手を頬ずりするもんだから もう本当にタチが悪い
まどか
愛しさ余って憎さ百倍 本日2度目 本当に今のはこいつが悪い そんな苛立ちを込めて思いっきりつきあげれば あられもない声が仁から漏れる
仁
まどか
仁
ぐっと膝裏に手を当てて自身を奥に押し付け そのまま精を吐き出す その瞬間に仁もイッたから 搾り取られそうな締め付けに腰が震えた
まどか
仁
ドライで達したからか 未だ絶頂の熱に浮かされたように 帰ってこない仁がいる こんな状態の仁に触れれば 何が起こるかくらい容易に想像がつく 収まるまで待とうと決めた







