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海斗

うーん…

海斗

(よく思い出せないが、悪夢を見てしまった…)

海斗

起きるか~…

海斗

あれ、今日ってなんかあったっけ

海斗

(というかなんか記憶が曖昧だぞ…)

海斗

(よし、まず一つ一つ思いだそう)

海斗

俺は海斗、高校1年生

海斗

今日は7月8日

海斗

今日は夏帆と一緒に10時から水族館に行く

海斗

1+1=2

海斗

よし、正常だ

海斗

ってもう9時かよ

海斗

そろそろ準備するか…

20分後

海斗

行ってきまーす

海斗

そろそろ10時だ…

タッタッタッタ

夏帆

ごめーんまったー?

海斗

待ってないよ

海斗

(こいつは幼なじみの夏帆。ちょっと抜けてる所はあるけどカワイイ奴だ。)

海斗

じゃあいこっか

夏帆

うん!

夏帆

すごーーーー!!!!

夏帆

この魚超でかくない!?

海斗

それクジラって言うんだよ

夏帆

え、どっかで聞いたことあるかもー!

海斗

(ちょっと天然なだけだよな…?これ)

海斗

まいっか

海斗

次ペンギン見に行こうぜ!

夏帆

行くー!!

5分後

海斗

お、ここか

夏帆

やだーカワイイー!

夏帆

私将来飼育委員さんになろっかなー

海斗

なんで?

夏帆

だってあんな近くでペンギン見れるんだよー羨ましいー

海斗

『あの飼育委員は足を滑らして転ぶけどね』

海斗

あれ?

夏帆

え?

海斗

い、いや、なんでもない

ステーーーン!

飼育委員

あ痛ーー!!

海斗

!?

海斗

(ホントにコケてる…!?)

夏帆

ありゃりゃ…いたそー

夏帆

あ、っていうかそろそろお昼食べない?

夏帆

ここの水族館はレストランあるみたいだし

海斗

い、行こっか

夏帆

でねーそれでママがなんて言ったと思う!?

夏帆

「やっぱりネギは塩をかけるのが一番美味しい」

夏帆

って言ったんだよー!?

夏帆

あり得なくない!?

夏帆

普通ケチャップだよね!?

夏帆

ちょっと聞いてるー?

海斗

う、うん

海斗

(やべ…ボーッとしてて聞いてなかった…)

海斗

ああ、盆踊りの話だよね?

夏帆

なんだ。ちゃんと聞いてたのね。

夏帆

それでねー…

海斗

(ダメださっきのことが頭から離れん…)

海斗

(たまたまだよな…)

海斗

『夏帆が定員に水をぶっかけられるんだったな』

海斗

!?

夏帆

海斗

な、なんでもないよ

海斗

(ただの偶然ただの偶然ただの偶然ただの偶然)

夏帆

なんか今日変じゃなーい?

店員

キャッ!!

夏帆

海斗

パシャッ

店員

アワワワワ

店員

ま、誠に申し訳ありません!!

夏帆

ありゃりゃ

夏帆

大丈夫ですよー

夏帆

最近暑くなってきた所ですし

海斗

海斗

(俺、もしかして予知能力目覚めちゃった?)

夏帆

いやータオル貸してくれた上に

夏帆

お詫びの印として水族館限定のTシャツまでタダで貰ってしまった…

海斗

良い水族館だったな

夏帆

また来よーね!

あーいす買うならサーティーゼロ!あーいす買うならサーティーゼロ!

海斗

この絶妙にダサいソングは…

海斗

お、やっぱりアイス屋のサーティーゼロか

夏帆

行こう行こう今すぐ行こう

海斗

分かったって…

海斗

『ここで夏帆が盛大に犬の糞踏むんだよな』

海斗

!!

海斗

(予知来た!)

夏帆

我が歩みは誰にも止められん!ワハハ!

海斗

夏帆!止まれ!

海斗

下を見ろ!

夏帆

え?

夏帆

うわぁ!危ない!

夏帆

セーーーフ

夏帆

ナイス観察眼!

海斗

おうよ

夏帆

さてーアイス買うぞー

医者

「被検体36の脳の回復状態はどうだ」

部下1

「最も新薬に適正があると判断された被検体36は、初期に比べ回復率は48%、IQは推定50近くまで上昇した模様です!」

部下1

「先生の予想通り前頭葉を中心に元の状態へ復元されている様子です!」

部下1

「このまま新薬を投与し続ければ恐らく元の状態の90%は回復するでしょう!」

部下1

「更に脳が急速に回復したことによる副作用により、体の免疫や新陳代謝も大幅に上昇しているようで、本来重篤の患者に必要だったadml2537の投与も必要なくなる可能性が高いです!」

医者

「そうか」

医者

「だがまだ成功例は少ない。更に実験データを増やして確実な存在にしていくぞ。」

部下1

「重々承知しております!」

医者

「ならいい」

部下1

「しかし、この新薬は素晴らしい…必ず歴史に名を刻みますよ!!」

夏帆

でさーさっきアイス買うとき犬の糞踏んじゃったじゃーん?

夏帆

ってちょっと聞いてるー??

海斗

海斗

(なんだ今の記憶…!?)

海斗

(今日は流石に何かがおかしい…)

海斗

ああ、聞いてるよ

海斗

徳川家康が戦時中に糞漏らした話だよね?

夏帆

違うー!!

海斗

(違ったか…)

海斗

ご、ごめんなんの話してた?

夏帆

夏帆

ねえ

夏帆

もしかして

夏帆

今日つまらなかった?

海斗

へ?

夏帆

いや、私って馬鹿だから

夏帆

海斗に迷惑かけてたらどうしようって…

海斗

いやいやいやいや

海斗

全くそんなことないよ!!

夏帆

ホ、ホント…?

海斗

ホントホント

夏帆

じゃ良かった

夏帆

そんでねー…

海斗

(なんか今日は疲れたな…)

海斗

(今日は帰ったらすぐに寝よう)

海斗

あれ、今何時だ?

夏帆

え、めっちゃ暗くなってる!

夏帆

やば!もう8時だ!

夏帆

門限過ぎてる!!

夏帆

ごめんねもう帰るね!

夏帆

今日は楽しかったよ!付き合ってくれてありがと!

海斗

おう!また遊ぼうな!

夏帆

じゃーねー!!

海斗

(まさか数時間も公園でおしゃべりするとは…)

海斗

(というか本当に今日は疲れた…)

海斗

『この後夏帆がトラックに轢かれる』

海斗

また未来予知だ!!!

海斗

やばい!!!!!

海斗

『絶対に引き留めなければ』

ダッダッダッダッダ

海斗

(夏帆が見えた!!)

海斗

夏帆!!!!!

夏帆

急がなきゃもっと叱られちゃうー!

海斗

(ダメだ聞こえてない…)

海斗

物理的に道路に出るのを阻止しなくては!!

海斗

うおおおおおおおお

ガシッ!!

夏帆

キャ!

海斗

(捕まえた!)

海斗

(でもやばい…もうすぐそこまでトラックが接近してきている…)

海斗

(全力で夏帆を引き戻せ!!!)

海斗

でりゃあああああああ

ヒュッ!!

キキー!!!!!!

海斗

(ま、間に合った!)

海斗

だ、大丈夫か!!夏帆!!

夏帆

夏帆

夏帆

『この施術で起きた事故は軽率な判断が原因だ。』

夏帆

『被検体2、19、44、167、775、998、1044の結果から見て分かるように、夏帆への新薬の投与の負担が大きすぎる可能性は十分に考慮できた』

海斗

夏帆…?

海斗

な、何を…

夏帆

『そもそも夏帆は助かる余地がなかった』

夏帆

『あのまま放置していてもいずれ死んでいた』

夏帆

『可能性が低くても新薬を投与せざるを得なかった』

夏帆

『だから俺は悪くない。』

夏帆

『でも、その新薬の投与が原因で夏帆は

海斗

黙れ黙れ黙れ黙れ!!

海斗

夏帆は生きている夏帆は生きている夏帆は生きている

海斗

俺は高校1年生俺は高校1年生俺は高校1年生

海斗

あああああああああああああああああああああああああああああああああ

ダッダッダッダッ

部下2

「先生!この患者への新薬の投与は危険です。」

医者

「…」

医者

「そんなことは分かってる」

部下2

「な、なら…」

医者

「しかしこのままでもこの患者は半年以内に死亡する。」

医者

「で、あるなら新薬を投与する道理は十分にあるはずだ。」

部下2

「し、しかし、データから予測するに今回の患者への投与による死亡率は95%を超えますよ!?」

部下2

「無謀な施術を行うより、患者の家族の意向を忖度するのがこの病院の方針では…」

医者

「無謀であるはずがない」

医者

「俺があいつのために20年かけて作った薬だぞ??」

部下2

「え…?」

部下2

「さっきと言ってることが…」

医者

「失敗するはずがない。そんなことがあってはならない。」

医者

「それより俺は早く逃れたいんだよ」

医者

「いつまでたってもあいつが脳にこびりついているんだよ」

医者

「俺があのとき引き留めれば俺があのとき引き留めれば俺があのとき引き留めれば」

部下2

「な、なにを…」

医者

「早く行かなくては…」

部下2

「ちょ、ちょっと!?」

部下2

「どこ行くんですか先生!」

医者

「新薬を投与しに行く」

部下2

「いやいや先程申した通りあの患者への投与は…」

部下2

「ってちょっと!?先生!待ってください!」

医者

「…」

医者

「俺はどこで間違えた?」

医者

「できる限りのことは尽くしたはずだ」

医者

「どうすれば…」

医者

「…」

医者

「そうか…」

医者

「過去に戻れば

ダッダッダッダッ

海斗

なんなんだよ、なんなんだよ今の記憶!!

海斗

夏帆が死んでる訳ないだろ?事実俺がさっき救ったじゃないか…

海斗

はあ…はあ…

海斗

俺は海斗、高校1年生

海斗

今日は7月8日

海斗

今日は夏帆と一緒に10時から水族館に行く

海斗

1+1=2

海斗

よし、正常だ

海斗

俺は正常だ俺は正常だ俺は正常だ俺は正常だ

ガチャッ

海斗

ただいまー!!

海斗

母さーん、今日の晩飯なにー!?

ドタバタ!

海斗、落ち着いてよく聞きなさい

夏帆ちゃんが帰りにトラックに轢かれたわ

海斗

は…?

『俺のせい』

『俺が夏帆を引き留めれば意識が戻らなくなるなんてことはなかった』

『俺が夏帆の意識を戻してや

海斗

やめろおおおおおおお

海斗

うわあああああああ

ダッダッダッダッ

ガチャッ

海斗

はあ…はあ…

海斗

!!

海斗

(今部屋の置き鏡に変な人映ってなかったか?)

海斗

(もう一度…)

海斗

…え?

海斗

誰だこれ…?

海斗

(眉間や口元には深い皺があり、髪の毛には白髪が多い、死人のような顔をした40~50歳頃の白衣をきている男性が映っている)

海斗

これが…俺…?

海斗

ば、馬鹿な…

海斗

(意識が…遠のいて…)

海斗

うーん…

海斗

(よく思い出せないが、悪夢を見てしまった…)

海斗

起きるか~

海斗

今日ってなんかあったっけ

海斗

(というかなんか記憶が曖昧だな…)

海斗

(よし、まずは一つ一つ思い出そう)

海斗

俺は海斗、高校1年生

海斗

今日は7月8日

海斗

予定は…

海斗

夏帆を新薬で殺して、罪の意識を一生背負い続けることかな!!

海斗

あはははははははははは

職員1

そーいや聞いた?ここの施設の売り上げ今年で50億超えるらしい笑

職員2

えー!マジすか

職員2

でもそこまで需要ありますかね

職員1

こんだけ売れてるんだからあるんだよ笑

職員2

といっても、本人の記憶を元に作られた仮想世界を一定期間内でループし続けて現実逃避をするだけじゃないですか

職員2

しかも点滴を使うことで半永久的に仮想世界をさまよい続ける上に、記憶は毎回消されるとか超怖くないですか!?

職員2

元の生活に戻れなくなるじゃないですか!

職員1

まあこの施設使う人間なんて、元の生活に戻る気なんか最初からないけどな。

職員1

あと記憶は完全には消せないぞ

職員2

え?

職員1

そもそもこの施設の技術力は完全って訳じゃないんだよ

職員1

だから実は『その人の深層心理』とか「その人にとっての重大な記憶」とかは消すことが難しいんだ

職員2

え、でもそしたらそれが原因で仮想世界の台本が歪みませんか?

職員1

そうそう。だからその人の仮想世界は、「現実の記憶」とごちゃ混ぜになって訳分からなくなっちゃうみたいだね笑

職員1

もちろんこのことは企業秘密で消費者には絶対に伝えないけどな

職員1

気がついてもそん時にはもう手遅れさ笑

職員2

や、闇ふかーい

職員1

そういや例の新薬作った医者の話聞いた?

職員2

俺があいつを救う…ってブツブツ言ってる人でしたっけ

職員1

そうそう

職員1

マジで病んでるよな笑

職員2

仮想世界でまた薬でも作るんですかね

職員1

いやなんか同級生がトラックに跳ねられたのが原因で新薬を使うことになったらしい

職員1

で、結局その新薬が原因で死んだらしい笑

職員1

だから仮想世界で同級生がトラックに跳ねられないようにするんだってさ笑

職員2

あれ、でもさっき言ってた…

職員1

そう。そもそも仮想世界が本人の記憶を元に作られてるから、過去の改変なんて事は絶対ないの笑

職員1

記憶がないのに物語を進められる訳ないからね笑

職員2

え、じゃあ彼は…

職員2

いつ救われるんですか?

職員1

職員1

さあ

この作品はいかがでしたか?

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コメント

1

ユーザー

一応分からなかった人のために👇 現実世界の流れ:夏帆がトラックに引かれる→夏帆が寝たきりになる→海斗が罪悪感から医者になり、夏帆を救おうと考える→脳を回復させる新薬を開発→新薬が夏帆の状態に適さず、夏帆は死亡→更に積み重なった罪悪感から、過去に戻り、夏帆がトラックに引かれた事実を消そうと考える→施設を利用する

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