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以降のストーリー上、表現にホラー、グロテスクな要素が含まれます

そういった内容が苦手、不快な方は閲覧をお控え下さい

菱木

…くそぅ!!

菱木

一体どうすりゃいい…?!

菱木

生徒の保護者との不倫がバレて、俺の解雇は避けて通れないだろうが…

菱木

あの父親なら、娘への脅迫罪で俺を訴えかねない…!!

菱木

それも、相手は有名な敏腕弁護士…

菱木

不祥事を起こした俺の立場なら尚更、圧倒的に不利だ…!!

菱木

どうして…どうして俺がこんな目に…!!

菱木が汗をかいて室内を行ったり来たりしていると、カチャリと扉の開く音がした

由佳里

………

現れたのは、由佳里だった

菱木

ひ、平澤…っ!

菱木

なぜ、お前がここにいるんだ?!

由佳里

…何言ってるんです?先生…

由佳里

ここはワタシの通う学校なんだから…

由佳里

ワタシがいたって、何も不思議はないでしょう?

菱木

そ、それはそうだが…

菱木

(なんだ…?)

菱木

(いつもとは、だいぶ雰囲気が違うようだが…)

由佳里

まぁ、普通は来れないですよね

由佳里

クラスメイトだけでなく、先生にまで裏切られてたんですから…

菱木

……!!

菱木

さ、さっきの会話を聞いたのか…?!

由佳里

………

菱木は、由佳里が手にしている長いナタを目にするやいなや青ざめた

菱木

な、なんだ、それは…!

菱木

一体…何するつもりだ!!

由佳里

…決まってるじゃないですか

由佳里

こうするんですよ

菱木

……え

…シュパッ!

菱木

……?

自身の人差し指、中指、薬指が無くなって血が噴き出しているのを理解するのに、菱木は数秒を要した

菱木

う…

菱木

うあああああ!!

菱木

指がっ…!指がぁぁーっ!!!

切られた指をもう片方の手で押さえながら、菱木は床を這って由佳里から逃げ出した

由佳里

ねぇ、先生…

由佳里

そんな手、もういらないでしょう?

由佳里

生徒のことを守れない、無駄に大きなそんな手なんて…

菱木

ひギィぃぃーっ…!!

床を這いつくばって逃げようとする菱木の後を由佳里の足音が追う

菱木

や、や、やめてくれ!!

菱木

頼む…!!

菱木

お、俺が、悪かった!!

由佳里

…今さらワタシに謝って、どうするんです?

由佳里

助けてくれなかったくせに…

菱木

ほ、本当だ!

菱木

本当にすまないと思ってる…っ!!

由佳里

………

由佳里に追いつかれた菱木は、涙を流しながら由佳里を見上げた

菱木

仕方なかったんだ…!

菱木

俺にも、いろいろと事情が、あって…

菱木

ああするしか、なかったんだ…!!

菱木

許してくれ!ひらさ───

由佳里

その口もいらない

ブシュッ!!

菱木

うごぼぉぉぉぉ…っ!

ナタで口を切り裂かれ、切断された舌が、鮮血が、口から溢れ出る

由佳里

自分都合の言い訳しか出てこない、そんな汚れた口なんて…

由佳里

いらないでしょう?

菱木

ごっ…

菱木

ごぶあっ…!!

由佳里

自分の私利私欲を満たすためだけに回る、その頭もいらない

ナタの刃を菱木の側頭に当てると、由佳里は口角に笑みを浮かべて一気に引いた

菱木

あがっ、がっ、がぁ…っ

頭から血を噴き出しながら、菱木の体はビクンビクンと痙攣している

由佳里

あなたが教師を名乗ること自体が罪なんですよ…

由佳里

だからね…

由佳里

バツヲ クダサナクッチャ…!

全身を痙攣させ続ける菱木の体に、由佳里はナタを振りかざした

由佳里

こんな「先生」は、いらない

…ズシャアッ!!

青山

はぁー、学園祭は楽しみなんだけど…

青山

毎年、準備とか面倒くせぇなぁ…

青山

しかも俺、なぜかお化け役だし

青山

衣装作ったりするのなんて、女子の仕事にすればいいのになんで俺が…

青山

こうなったら…

青山

当日、驚かしついでに女子という女子すべてにセクハラでもしてやらなきゃ気がすまねぇ…

便器に向かって、青山は勢いよく放尿する

青山

…そーいや、平澤ってあれからどうなったんだろ

青山

宮坂たちも、他のみんなも何事もなかったかのように過ごしてるけど…

青山

さすがにマワされちゃったら…登校拒否にもなっちゃうよなー(笑)

青山

正直…

青山

せめてあと1回ぐらいはヤリたかったのになー(笑)

青山

……ん?

放尿しながら、何気なく左横の壁に設置された鏡に目をやった青山は…

その驚きのあまり、便器の外にオシッコを撒き散らすことになった

青山

うわあっ?!

青山

ひ、ひ、平澤っ?!

鏡には、青山のすぐ背後に直立する由佳里の姿が映っている

青山

な、何して…

由佳里

…青山くんったら

由佳里

便器の外にオシッコ飛び散っちゃってるよ?

青山

えっ…えっ?!

青山

だ、だから…

青山

あの、ここ男子便所…だよな?(笑)

由佳里

本当に…

由佳里

行儀の悪い物ぶら下げてるんだね

由佳里

青山くんって…

恐怖のあまり、オシッコが止まらない

青山

あ、あ、あ…

由佳里

好きな相手と愛を確かめ合うために使うモノのはずなのに…

由佳里

こんなだらしない凶器、ぶら下げてちゃダメじゃない…

由佳里

だからね…

青山

え…

ようやくオシッコが止まったと同時に

ソレに、ナタの刃があてがわれた

由佳里

去勢してあげる!

ブツンッ…

青山

………

青山

……ひ

青山

ひぎゃあああ──っ!!

青山

ぎやあああーっ、あ、あ、あああーっ!!!

切り取られた部分が、血を撒きながらボトリと床に落ちた

青山

お、お、俺のっ…

青山

ちん、ち、ち、ちんっ…!!

由佳里

…痛い?

青山

ひぐっ…ぐぐぐっ…!!

由佳里

ワタシも痛かった

由佳里

何人もの男に体をメチャクチャに扱われて…穢されて…

由佳里

心も体も、引きちぎれそうだった

青山

だ、だすげで…っ!!

青山

誰かぁぁっ…!!

血の吹き出す股間を押さえながら逃げようとする青山の背後で、由佳里はナタを構えなおした

姫川 麗蘭

あっ、あったよ真世ちゃん!

姫川 麗蘭

これがあれば、木の板を彫っていろんな物が作れそうだよ!

姫川 麗蘭

お化け屋敷には、雰囲気が大事だもんねーっ!

山中 真世

…そうだね

ウキウキしながら彫刻刀を手にする姫川とは対照的に、真世の表情は沈んでいた

姫川 麗蘭

ねぇ、どうせだから…

姫川 麗蘭

この美術室で、二人っきりで作業しようよ

姫川 麗蘭

ここなら必要な物、だいたいは揃うし!

姫川 麗蘭

ねっ、真世ちゃん!

山中 真世

あっ…うん!

真世の隣にピッタリとついて、姫川は座った

姫川 麗蘭

…夢みたい

山中 真世

…え?

姫川 麗蘭

私、ほんの少し前までは真世ちゃんのこと遠くで見てるのが精一杯だったから…

山中 真世

姫川さん…

姫川 麗蘭

本当はね、真世ちゃんとずっとこんなふうに仲良くしたいなって思ってたの

姫川 麗蘭

迷惑…かな?

山中 真世

えっ…

山中 真世

迷惑ってわけじゃないけど…

真世は、なんとなく姫川から目を逸らしてゴリゴリと木の板を彫っていく

姫川 麗蘭

そう?よかった…

姫川 麗蘭

ねぇ、真世ちゃん…

山中 真世

…何?

姫川 麗蘭

私ね…この顔のせいで、幼稚園の頃からずっといじめられてきたんだ…

姫川 麗蘭

小学校の頃にね、同じクラスに好きな男の子がいたの

姫川 麗蘭

…すごくかっこよくて面白くて、みんなの人気者だった

姫川 麗蘭

その子はね、いじめられてるこんな私にも優しくしてくれたの

山中 真世

………

姫川 麗蘭

『姫川は良い子なんだから、見た目なんて気にせずにもっと自信持てよ!』って言ってくれた…

姫川 麗蘭

誰かにそんなふうに言ってもらえたのは初めてだった

姫川 麗蘭

だからね…

姫川 麗蘭

バレンタインデーに、思いきってチョコを渡して告白したの

姫川 麗蘭

そしたらね…

姫川 麗蘭

その子は私にこう言ったの

姫川 麗蘭

『ごめん、姫川は良い子だとは思うけど、ブスとは付き合えないんだ』って…

姫川 麗蘭

次の日、その子には学校で一番可愛い彼女ができてた…

山中 真世

…ひどい

山中 真世

人の気持ちをそんなふうに踏みにじるなんて

姫川 麗蘭

真世ちゃんっ…

姫川 麗蘭

私の気持ち、わかってくれるんだね…?

山中 真世

うん、だってそんなの理不尽だもん

山中 真世

誰にも、理不尽に人を傷つけてもいい権利なんてないから

山中 真世

姫川さんだって、そう思うでしょ?

姫川 麗蘭

………

山中 真世

でも、姫川さんは強いんだね…

山中 真世

私なら、そんな経験しちゃったらもう二度と立ち直れないと思うから…

山中 真世

トラウマになっちゃって、恋をすることが怖くなってしまいそうで…

姫川 麗蘭

…そうだよ

姫川 麗蘭

だからね、私はもう「男の子」を好きになることはなかった

山中 真世

…え?

真世が隣の姫川の方を向いた瞬間

姫川が、真世の唇を奪った

山中 真世

?!

山中 真世

な、な、何すんのっ…?!

あまりにも突然のことに驚いて、真世はガタッと椅子から立ち上がった

姫川 麗蘭

好きなの…真世ちゃんのことが

山中 真世

ひ、姫川さんっ…?!

姫川 麗蘭

いつも由佳里ちゃんの隣で無邪気に笑うあなたが…

姫川 麗蘭

天使のようなあなたが可愛くて可愛くて…

山中 真世

こ、来ないで…!

姫川 麗蘭

いつも、私のものにできたらいいのにって思ってた…!

山中 真世

やっ…

山中 真世

やめてよ!気持ち悪いっ…!!

姫川 麗蘭

………

ピタリと姫川の動きが止まった

山中 真世

あっ…

山中 真世

ご、ごめんなさ…

姫川 麗蘭

どうしてなのよ?!

人格が変わったかのような姫川に、真世は恐怖を感じた

姫川 麗蘭

私がどれだけあなたを愛してるのか、まだわからないっていうの?!

姫川 麗蘭

必死で「良い子」を装って、演技して…

姫川 麗蘭

好きでも何でもない、由佳里ちゃんに取り入ってまでしてあなたに近付いたのに…!

山中 真世

姫川さんっ…

山中 真世

あなた、まさかっ…!!

姫川 麗蘭

…そうだよ

姫川 麗蘭

由佳里ちゃんと菱木先生が付き合ってるなんてまったくの嘘…

姫川 麗蘭

だって…宮坂さんに協力して私が企てたことなんだもの…

姫川 麗蘭

宮坂さんが弱みを握って買収した、菱木先生を利用してね…!

山中 真世

そ、そんなっ…!

姫川 麗蘭

すべては、由佳里ちゃんを排除してあなたを手に入れるため

姫川 麗蘭

…これでわかったでしょう?

姫川 麗蘭

私はね、あなたのためなら悪魔にでも何でもなれるんだよ…

山中 真世

……!!

ガクガクと震えながら、真世は咄嗟にスマホを取り出した

姫川 麗蘭

…真世ちゃん?

山中 真世

私…私っ…!

山中 真世

由佳里になんてことしちゃったんだろ…っ!!

山中 真世

由佳里は私のこと裏切ってなんかなかったのに!!

山中 真世

私、謝らなきゃ…

山中 真世

由佳里に謝らなきゃあ…!!

そして、スマホを操作し始める真世に向かって姫川は

右手に握っている尖った彫刻刀を振りかざした

姫川 麗蘭

そんなこと許すかぁぁ──っ!!!

山中 真世

ひっ……!!

グサッ!!

山中 真世

あっ…!

彫刻刀の刃が、真世の首に突き刺さった

山中 真世

う…っぐ

フラついて床に倒れ込んだと同時に

カランッ、と真世の手からスマホが滑り落ちた

姫川 麗蘭

…許さない

姫川 麗蘭

男も、女も…!

痙攣を起こす真世の首から彫刻刀を引き抜き、馬乗りになると姫川は彫刻刀を両手に持ち替えた

姫川 麗蘭

みんな、口先ばかりで結局は私のことを嫌がって拒絶する!!

そして、一気に両手を振り下ろした

グサッ

姫川 麗蘭

私が、どれだけ惨めな思いをしてるのか

グサッ!

姫川 麗蘭

思い知れぇぇぇぇ──っ!!

グサグサグサグサグサグサ

姫川 麗蘭

ハァ、ハァ、ハァ…

姫川 麗蘭

ま、真世ちゃん…

体中に穴を開けられ、目を見開いてピクリとも動かなくなった真世を見下ろして姫川は震え上がった

姫川 麗蘭

こ、こんなはずじゃあ…!!

姫川 麗蘭

こんなはずじゃなかったのに!!

姫川 麗蘭

あああ…

姫川 麗蘭

ど、どうしたらっ…!!

うろたえて周りを見回していると、ガチャリとドアが開いた…

美術室に入ってきたのは、血まみれの由佳里の姿だった

姫川 麗蘭

ゆ、由佳里ちゃん…?!

姫川 麗蘭

どうしてここに?!

由佳里

………

姫川 麗蘭

そ、その格好に、そのナタ…!

姫川 麗蘭

まさか…!!

由佳里の目的を瞬時に理解した姫川は、教室の奥へと逃げ込んだ

由佳里

………

由佳里は、足元の床に倒れた真世を見つめた

由佳里

真世…

姫川 麗蘭

……!!

そして、姫川に再び視線を戻すと、姫川は恐怖のあまり硬直した

姫川 麗蘭

ま…真世ちゃんがいけないのよ…!

姫川 麗蘭

私の気持ちを踏みにじるから!!

由佳里

………

ナタを携えて、ゆっくりと歩みを進める

姫川 麗蘭

ご、ごめんなさい…

姫川 麗蘭

私っイジメが辛くて…!

姫川 麗蘭

だからっ、あなたが助けてくれた恩も忘れちゃって…!

姫川 麗蘭

う、裏切ってごめんなさい…っ!!

姫川 麗蘭

許してぇっ…!!

姫川 麗蘭

私…ブスで嫌われ者のまま生きていたくなかったのぉぉ…!!

姫川の直前まで来て、由佳里は立ち止まった

由佳里

姫川さん…

由佳里

あなたは、ブスなんかじゃないよ…

姫川 麗蘭

…え?

由佳里

醜く、歪んだあなたの心の中が…

由佳里

…そのまま顔に出てるだけなんだから

姫川 麗蘭

あ…ああ…っ

由佳里

ワタシを騙し…

由佳里

真世を騙し…

由佳里

ワタシたちの絆を引き裂いて…

由佳里

その真世への想いが遂げられないからって、自分勝手に真世を殺して…

由佳里

そんなあなたはね

由佳里

…ブス以下の、化け物だよ

姫川 麗蘭

や…やめてぇ…!

姫川 麗蘭

謝るから、殺さないでぇ…っ!!

由佳里

その顔が気に入らないなら…

由佳里

ワタシが、切り取ってあげるよ

姫川 麗蘭

……え

一瞬だった

姫川 麗蘭

………

姫川の首元にナタの刃があてがわれ、引き抜かれたと同時に姫川は言葉を失った

姫川 麗蘭

…え?

ブシュウーーーッ!

噴き出した鮮血が、由佳里の制服に飛び散る

由佳里

ああ、ごめんごめん

由佳里

ナタじゃさすがに1回で首は切り落とせないみたいだから…

由佳里

──これで終わり

…バシュッ!!

横からスイングしたナタの刃が、姫川の首を宙に舞わせた

…グシャッ

由佳里

………

首から血を大量に噴き出す胴体が床に崩れ落ちると同時に、生首が床にゴロンと転がって止まった

由佳里

…うふふ

由佳里

…ふはははははは!!

由佳里

きゃーはっはっはっはっは!!!

狂ったように笑う由佳里の姿を、床に転がった生首の目が虚しく見つめていた…

人に優しくしたら、自分が壊れた。

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