黄
桃
橙
青
紫
赤
No.12のコメント欄が暖かすぎて泣いた(
黄くんリク溜まってるので 少し消費することを心がけます( ◜ᴗ◝)( ◜ᴗ◝)
黄
午前7時20分。
窓から降り注ぐ光を眩しそうに眺めながら ダイニングテーブルへと足を運ぶ。
そして机の上には置き手紙。
最近はこれが日常。
紫にぃは就職先を決めに。
赤にぃは当たり前のようにバイト。
桃にぃは模試。
青にぃは部活。
橙にぃは図書館へ勉強。
僕は丁度テスト期間で部活は無い。
だから紫にぃや赤にぃが ご飯を準備してくれる。
僕はマグカップにミルクと砂糖を入れて ホットミルクを作る。
黄
マグカップを置いて 一息吐く。
黄
そういえば、
皆が出かける時、明らかに橙にぃと 桃にぃのテンションが違った。
いつもうるさかった2人が 今日は紫にぃに少し怯えた態度を取っていた
何なら青にぃも。
…もし僕が3人のテンションを下げている 元凶だとしたら…?
僕のせいだとしたら…?
また嫌なことを考えてしまう。
黄
僕は気を紛らわそうと ソファから立ち上がる。
黄
そして窓の方へと歩き、 窓をがらっと一気に開ける。
黄
何故か分からないが、何 もしていないのに疲れた。
そう感じる。
適当にスマホを触っていると、
昼過ぎから雲行きが怪しくなるんだそう。
黄
橙にぃの部活は外だから 結構心配。
それに災害が起きて停電とかなったら 一溜りも無い。
黄
色々考えるごとに怖くなって 頭から布団を深く被る。
黄
1人は昔から嫌いだった。
いつ何が起こるか分からない中で
呑気に過ごすのが無理。
昔だったら本当に考えられないこと。
一人暮らしなんてしたくない。
正直出来ないと言った方が 正しいと思う。
一人暮らしをしようと思ったところで 荷造りをしている最中に
きっと一人暮らしすることを 諦めてしまうと思う。
それくらいなら皆に迷惑をかけないまま 居た方が絶対にマシ。
黄
『迷惑』
僕は今まで何回迷惑をかけたことか。
1番は青にぃ。
小さい頃からずっと支えられてきた。
これ以上迷惑をかけることなんて出来ない。
僕が…今の家庭環境を変えなきゃ。
兄弟の形を…。
『末っ子だから』じゃない。
末っ子なんて関係ない。
『末っ子だからこそ出来ること』もある。
絶対に変えてみせる。
形を──。
黄
僕は何もやることが無くて、 何となくで外に出てみた。
別に外に出たところで何も無い。
ただ…何となく家から出たかっただけ。
午前9時40分
遊歩道でふらふらと適当に歩く。
ここは街中でも有名な遊歩道で、
子供からお年寄りまで 人気な地。
道中には新緑の葉や植物などがあった。
興味本位に新緑の葉をちぎる。
よく見てみるときれいなすじがあり、
夏にぴったりの色をしていた。
暫く歩いていると(遊歩道の)中心に たどり着いた。
中心には綺麗な葉をつけた 大木がある。
いつもなら付近に写真を撮っている人や、 大木に触れたりしている人が山々。
けれど今日は祝日。
そこまで人は多くない。
いつもなら近寄れない大木まで歩み、
幹に触れてみる。
その瞬間安心感に溢れ、 木のすぐ側に座る。
さっきちぎった葉を見る。
昔から自然に触れ合うことが出来なかった。
幼少期は近くの公園で兄達や虫と じゃれあっていた。
けれどそれもつかの間。
小学校に入学したと同時に 体が弱り始め、
終いには体を少しも 動かせない時だってあった。
原因はストレス性の疲労と診断された。
それは8年間経った今でも変わらず、
症状と戦う毎日がほとんどだった。
ベッドで安静にしながら見える景色は ほとんどが同じだった。
僕の部屋からは 少し遠くにある公園が見える。
サッカーをする11人の男の子達。
虫を追いかけ回す幼稚園児。
シートを敷いてごっこ遊びをする 女の子達。
そしてそれらを見守る親。
ほとんどがその景色だった。
その時は沢山沢山皆と遊ぶ夢を見た。
でも、夢だってただの妄想。
黄
爽やかな風が吹く。
僕は立ち上がって肌で風を感じていた。
髪がなびいて首元まで風が来る。
僕は想像した。
もしここに────が居たら…
僕は間違いなく○ぬと思う。
正確に言うと○される。
そう考えると段々嫌気が差して 足が がくッ… と崩れ落ちる。
頭の中に昔の記憶が蘇ってくる。
忘れたいけど忘れられない記憶。
思い出すだけで意識が遠のく。
そして考え始めたらはっきりするまで 考え終わらない僕の悪いくせ。
そして僕は前に倒れ込み、
肩で激しく呼吸をする。
その直後に辺りが騒がしくなる。
でも僕はそんなことを考える 余裕なんて当たり前のように無い。
僕心の中で青にぃに『ごめんね』と 言いながら意識を手放した──
『僕が代わりになるから』
『皆に手を出さないでッ…』
青にぃが────にそう話しているのが リビングから聞こえてくる。
夜中の1時。
少し喉が渇いてキッチンに行こうと リビングへと通じるドアに手をかけた。
と同時に青にぃの澄んだ声が リビングから聞こえてくる。
一瞬何のことか分からなかった。
こんな青にぃの真剣な声を、 当時は聞いた事が無かったから。
ただ、その数秒後に────の声が聞こえてきて、すぐに状況を呑んだ。
────のことだろうと。
僕はその時6歳だった。
でも、何度も兄達から教わってきた。
''────に──されたら絶対に お兄ちゃん達を呼べ''
そんな言葉耳が腐るほど聞いて、
そんなこと僕に言っても何も無いし、 意味が無い。
ただの時間の無駄。
そう思っていた。
ただ、その時初めて知った。
兄達から伝えられてきたあの言葉。
ようやく意味を成した。
『長男だから。』
『紫ーくんも忙しいし、 俺が頑張らなくちゃね笑』
『俺は黄のお兄ちゃんだから。』
『僕と黄くんしか知らないから』
『僕が頑張るから、 黄くんは隠れといてね…?』
『俺も黄ちゃんに負けずに ちゃんとせんとなw』
末っ子だから…
そんな言葉、何度も聞いてきた。
今度は僕が皆を支える番。
この14年間支えてきてくれた皆に お礼をしたい。
絶対に無駄になんかしない。
僕が生きている限り、
皆を支えるのは僕で居なくちゃ…
コメント
23件
今回もすごく最高でした😭✨ 個人的に「意識を手放した」という表現好きすぎました...🤦♀️ 尊敬さんにしたいくらいほんとに好きすぎて...。次回も楽しみにしてます✨
すごくいいお話ですね! この話めっちゃ好きです! 黄くん多めで嬉しい! ありがとうございます! 続き楽しみにしてます( *´꒳`* )
初コメ失礼します🙏 今まで読んできた中で一番心にくる作品でした。 作り方とかも本当上手くて、いろんな想像とかも出来てほんとに上手すぎて馬になります…w 少し自分と重なるとこがあったりもして読むのが楽しかったです!