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DVードメスティック・バイオレンス(英: domestic violenceとは、「家庭内での暴力や攻撃的行動」(家庭内暴力)という意味の表現である。「domestic」とは「家庭の」という意味であり、典型的には、夫婦間やパートナー間の暴力である。 (Wikipedia参照)
⚠️閲覧注意⚠️ ⚠️かなり長いです⚠️ ⚠️グロ注意⚠️
…いつからだろうか。
彼が、狂い始めたのはー
私の名前は、永久逢(ながひさあい)。
今日は、新しい学校の入学式。
皆、ピカピカの制服に身を包んでいる。
新しい学校では、ちゃんと彼氏を作って、友達と…
恋
逢
顔を上げると、地黒で、とても背の高い男子がこちらを見ていた。
恋
逢
珍しい響きの名前に思わず繰り返してしまった。
恋
逢
恋
逢
恋
早速友達ゲット!私は心の中でガッツポーズをした。
それからの生活は結構スムーズに進んで。
友達もできたし、思い描いていた学校生活が順調に進んでいる!
…
でも、悩みができた。
今まで普通に話していた恋君を見る度に、胸が苦しくなる。
今すぐに抱かれたいような…そんな感じ。
恋
逢
恋
いつも数学とか、私が苦手なヤツは放課後に恋君が教えてくれる。
周りの人にも優しいし、戦いごっことかしてる男子たちよりもよっぽど精神年齢が高い。
恋
逢
あれ、そんな事考えてたら頭がぼーっとしてきた…
何も…考え…られ…な…
バタッ
恋
その声を最後に、意識が遠のいていった。
一目惚れをした。
クラスの子だった。
おしとやかな印象の、永久逢さん。
入学初日から隣の席だった。
今までにはいないタイプの子。
華奢な身体と、スカートからすらっと伸びる白い足。
その身体を見ていると、俺の心の中の今まで隠していた欲が満たされる気分だった。
気付くと俺は、毎日のように彼女を目で追っていた。
その時はなんていう感情かは分からなかった。
でも、幼なじみの友達に相談してみたところ、「それ、好きって言う感情」と、ズバッと言われ、好きだという気持ちに初めて気がついた。
それからの生活は、彼女が支えになった。
彼女がいるだけで、その場が華やぐ。
彼女の全てが…欲しい…
そう思うようにいつの間にかなっていた。
俺、こんなにまで彼女に依存してたんだな。と自分を嗤う。
今日もそんなことを考えながら、得意な数学を教えていると、こころなしか、彼女が上の空のような感じだった。
今までこんなことはなかったはず…何か悩みがあるのだろうか。
好きな人が、出来たのではないだろうか…。
恋
逢
バタッ
俺が顔を覗き込もうとした瞬間、逢は倒れた。
恋
揺さぶるが、目を覚まさない。
助けを求めようと教室を見渡すが、夕方だからか誰もいない。
恋
とりあえず保健室まで運ぼうと、逢をお姫様抱っこする。
抱くと、逢の柔らかい感触が感じられた。
夢に見たシュチュエーションだ…と関係ないことを考える自分を抑え、逢の身体をしっかりと支える。
華奢な逢は、強く抱くと壊れてしまいそうだったため、なるべく丁寧に抱いた。
準備完了。
自分を奮え立たせ、ただ抱いている逢のことだけを考えながら、保健室まで一直線に走っていく。
恋
保健室の先生
恋
すぐさま手配してもらい、逢は安心したような顔で眠りについていた。
その姿にひとまず安堵する。
保健室の先生
恋
恋
恋
恋
安心しきった顔で寝息を立てている逢を見て、思わずクスッと笑ってしまった。
保健室の先生
恋
思いがけない展開だ。
まさかの先生が留守にする。
2人きりの時間…。
逢を見ると、自分を抑えられなくなる…。
俺は逢の方に身を乗り出し、逢との顔の距離を縮めていく…
俺の唇と逢の柔らかい唇が触れ合い、いい角度に埋め込まれていく。
形がはまり、二人の時間が止まる。
…この辺にしておくか。
俺は理性を取り戻し、逢の唇から離れていく。
止まっていた二人の時間がまた動き出す。
もう少し、しておきたかった。
惜しみながらも、俺はベットから離れた。
さっきのことは、誰にも話せないことだ。
俺は2人だけの秘密を抱えたようで、胸がドキドキした。
逢side
逢
瞼を開けると、白い無機質な天井が見えた。
逢
何が起きたか分からない状況に、思わず混乱する。
恋
カーテンを開け、入ってくる恋くん。
私、何をやっていたんだろうか…。
確か、眠っている間に唇が…
恋
ぼーっとした頭で考えていたことも、恋くんの声でかき消された。
逢
確か、恋くんに数学を教えてもらってから…記憶が無い。
恋
そういうなり、意味深な笑みを浮かべる。
部屋を見渡すと、5時に差しかかろうとする時計の針が見えた。
逢
現実に巻き戻され、私は急いで恋くんが持ってきてくれたカバンを持つ。
恋
逢
恋
逢
外の空気はまだ冷たく、冬が残っているように感じられた。
校門を出て、2人で肩を並べて歩く。
背の高い恋くんと背の低い私ではすごく身長差があった。
逢
恋
逢
恋
逢
申し訳なさを感じつつも、恋くんに着いてきてもらう。
逢
恋
逢
恋
逢
恋
恋くん…素敵だな…
それから時は流れ、草葉が生い茂る季節になった。
そして色とりどりに葉が色付く季節になり、夜空が澄み渡り星が煌めく季節。
そしてまた1年前と同様に沢山の桜が咲き舞い落ちる季節になった。
私は沢山友達を作り、充実した理想の学校生活を送っていた。
恋くんは、部活に入り背の高さを活かして活躍していた。
でも、1つ変わったようで変わらなかったもの。
それは私と恋くんの関係だった。
今日も変わらず恋くんに数学を教えてもらっていた。
逢
私が感傷に浸りながらそう呟く。
恋
横にいる恋くんを見ると、どこか遠い空の彼方を見つめており、思い出を指でなぞるように懐かしんでいるように見えた。
恋
恋くんにしては珍しく、自分語りのようにぽつぽつと喋りだした。
恋
逢
恋くんに好きな子がいるのか…と驚きつつも、次に来る言葉に耳を傾ける。
恋
逢
恋
逢
恋くんを急かす。どうか私でありますように…とほんの少しの希望を抱きながら。
恋
逢
ぽかんと口を開ける。
恋
恋
思考停止する。
つき…あう?
私が…恋くんと?
ようやく理解出来た時、驚きで叫びそうになった
逢
精一杯の返事を出し、恋くんの手を握った。
私と恋くんは、今、世界で1番幸せだろうな…。
そう思い、今ある幸せを噛み締めながら、一緒に空を見上げた。
この人と幸せになろう…そう心に決めて。
2年にあがり、残念ながら私たちはクラスが離れた。
でも、廊下で会う度に話をしたり、帰り一緒に帰ったりしていて、順調に事が進んでいた。
そんなある日、恋くんから初デートに誘われた。
私は喜んで飛び跳ね、早くその日が来ないかとそわそわしていた。
そして、やっとその日がやってきた。
私は新しく買ったワンピースに身を包み、長い時間をかけて髪の毛をセットした。
どうか、崩れませんように!と願って、鏡から離れた。
時間になると、家のチャイムがなり、急いでドアを開けた。
恋
逢
彼を見た瞬間、笑顔になる。
なんて凄い魔法なんだろう。
恋
私を歩道側でさりげなく歩かせてくれる恋くんは、手慣れていてすごくかっこよかった。
せっかくだから、手、繋ぎたいなぁーと淡い希望を抱いていると、前から自転車が走ってきた。
私が動けずにあたふたしていると、恋くんが私の手を掬うようにして手を繋いでくれた。
思わず見上げると、恋くんは照れたような顔をしてそっぽを向いていた。
思わず、きゅん。
また新しい恋くんの一面を見れたようで、ドキドキした。
デート先の大型ショッピングモールでは、恋くんが決めてくれたデートプランに沿ってデートをしていた。
あまりの身長差に、周りからチラチラと見られたが。
お昼時になり、お腹がすいたということで、オシャレなドーナツ屋さんに入った。
逢
ツヤツヤとひまわり色に輝く蜂蜜ドーナツ、丸いドーナツを繋げたポン・デ・リング…。
どれも輝く宝石のようで、見とれてしまった。
様々な色や形のドーナツがあり、迷ってしまったが、この期間限定の桜ドーナツにすることにした。
恋くんは、ポン・デ・リングを注文していた。
席につき、ドーナツを食べ始める。
この桜ドーナツは、生地の中に少し桜の花びらが練り込まれているから、ほんのりピンク色で、上に桜チョコレートがかかっている。
はむっと1口かぶりつくと、口の中に桜の味が広がって、春を感じられた。
逢
恋
恋くんはにこにこして、私を愛おしそうに眺めてきた。
この幸せがずっと、続きますように…と願って。
デートが終わり、帰りもなんと送って貰った。
逢
恋
逢
恋
逢
ベッドの中では、今日のきゅんきゅんしたことを思い浮かべながら眠りについた。
それから高校卒業し、それぞれ大学に通うことになった。
私は心理士になるために心理学系の大学、恋くんはIT系の専門学校に通うことになった。
2つの学校は少し距離がある為、真ん中の距離にある、小ぢんまりとしたアパートを借りて、2人で同棲することになった。
恋
逢
受験もあり、少し距離感を感じていたが、同棲することによってさらに近づくかな…と思いながら。
逢
私は電車で大学へ。
恋くんはバスで専門学校へ。
なのですぐに分かれてしまう。
寂しさを感じながら、大学への道のりを進んで行った。
大学での授業は、今までとは違い、自分の好きなことを学べるから、初回にしてはすごい手応えを感じた。
授業も終わり、スーパーで買い物をして帰ってくる。
いつもと違う帰り道を歩き、いつもと違う家に着く。
逢
ドアを開けると、既に恋くんは帰ってきていた。
いつもとは違う感じに慣れないけれど、会えたのが嬉しくて抱きついてしまった。
逢
恋
その後は2人で私特製の夜ご飯を食べ、これからの生活について話し合った。
恋くんがバイトに就くこと、家の家事は分担すること…。
色々と決まりを作り、安定した生活を送れるようにした。
そんな生活が続いていたある日。
久しぶりに小学生の頃のメンバーで飲み会をすることになった。
男子2人、女子2人、そして私の合計5人で飲み会をするらしい。
私はその事を恋くんに伝えると、恋くんはすごく苦しそうな顔をした。
夜は11時までに帰ってくるように、着いたら連絡するように、と厳しい決まりを決められて私は飲み会に行った。
恋side
俺は、今の満ち足りた生活に満足していた。
いつかこんな日が来るとは思っていたが…覚悟が足りなかった。
ただ、男を混ぜて遊ぶだけなのに。
俺と付き合っているから誰にも取られないのに。
彼女のことを信じているのに。
不安で不安で仕方ない。
いつ、彼女が襲われるか。
いつ、彼女が目の前からいなくなるか。
そんなはずないのに、絶対に起きないことを考えては、一喜一憂する自分に呆れていた。
刻刻と約束の時間が迫る。
もしかしたら帰ってこないのだろうか。
電話を掛けてみようか。
不安で動き回っていると、時間が11時を回った。
‐ 来ない
いや、今アパートの階段を上っているかもしれない。
‐ 1分、2分
恋
念の為に電話をかけてみる。
プルルルルルル…プルルルルルル…
出ない。おかしい。
何回もかけてみるが、繋がらない。
俺は家を飛び出し、彼女のスマホのGPS機能で反応があるところを確認した。
近い。自転車でいける。
俺は自転車を引っ張り出し、彼女の所まで飛ばして行った。
恋
逢
恋
顔を覗き込もうとすると、両手で顔を覆い、そっぽを向く。
恋
俺は彼女を引っ張って家まで帰った。
バタンとドアを閉め、泣いている彼女の背中に手を回す。
一方も泣き止まない彼女に、俺が遂に手を上げた。
パン!
鈍い音が部屋に響き、彼女は驚きの目でこちらを見てくる。
ごめんな。
俺は脚で彼女の背中を蹴ったり、 お腹を蹴ったりした。
逢の傷からドクドクと血が流れているのが確認できる。
恋
逢
逢は不安そうな目でこちらを見てきた。
俺はもう一度背中に手を回した。
逢は手に反応するようにピクっと少し動いた。
恋
俺は優しく逢を抱きしめた。
恋
逢side
あのことが起きてからだろうか。
恋くんの束縛がさらに強くなった気がする。
身体中にアザが出来て、長めのロングスカートを履かなければならなくなった。
でも、暴力を振られても、私は今のままの幸せを手離したくない…、それに、あれはお仕置なだけだし…。
その一心で、私は毎日生きた。
でも、また、やらかしてしまった。
掃除をしていたら、棚にあった恋くんの大事にしていたお皿を割ってしまった。
反省してたくさん謝った。
でも、やっぱり、叱られた。
今日もやらかしてしまった。
ごめん。
ごめん。
ごめん。
ごめん。
ごめん。
ごめん。
ごめん。
…
恋side
俺が叱っていたからか、いつの間にか彼女は言うことを聞くようになった。
でも、俺が何を話しても頷いたり、リアクションを取ってくれなくなった。
やり過ぎただろうか。
彼女のスマホの中身は全てチェックし、男の連絡先は全てブロック。
女とも遊ぶことを規制した。
お風呂やトイレも時間を制限し、一人でいる時間を減らした。
これが、俺の出来る精一杯のことだった。
今日もやる気のない彼女を椅子に座らせ、一緒にご飯を食べる。
スプーンで食べ物を口に運ぼうとした時、玄関からすごい音がしたと共に、人が入ってくる音がした。
恋
戸惑う逢を無理やり机の下に押し込み、椅子で隠した。
警察
警察
警察
警察はあまりの臭さと汚さに目を見張った。
壁には無数の穴が空いており、床には返り血が飛び散っていた。
腐った皮膚の欠片も落ちており、殺人事件が起きたように感じた。
何より驚いたのが、青年が一人でぶつぶつと何かをしゃべっていることだった。
まるで、そこに人がいるように…。
家の中を警察が確認すると、案の定死体があった。
死体は、何ヶ月も放置されていたらしく、腐敗臭がひどくした。
取調べが行われ、青年はDVをしていたことが発覚。
ニュースでも大きく取り上げられた。
「青……が………たい……き…を……し…う……いで……逮捕……。」
テレビから途切れ途切れの音声が聞こえる。
それを見ていた青年の口から言葉が漏れ出す。
「だ……き……だよ……あ…………い……………」
その声はとても小さく、誰にも届くことは無かった。
主
主
主
主
主
主
主
主