コメント
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天才ですか?うちなんかやばいですよ
こんな風に詞を入れられるなんて流石です!流石です!俺は子守唄よって詞が好きです
中也の詩‼︎ センスが良すぎますよ! 自分とは比べ物にならないくらい、、、(出過ぎた真似をしてしまいました、、、すみません💦)
保健室に一人取り残された中也。
何をしようか。 勉強する気にはなれない。
ふと、原稿用紙の入ったラックが目に入った。
中原 中也
そう云えば、一年の時に作った詩が彼処に入ってた様な…
久々に、文章を書きたいと思った。
ラックを漁り、文字が書かれた一枚を取り出す。
今よりも汚いが、確かに自分の筆跡だ。
頭から読み返してみる。
夜霧が深く 冬が来るとみえる。 森が黒く 空を恨む。
外燈の下に来かかれば なにか生活めいた思いをさせられ、 暗闇にさしかかれば、 死んだ娘達の歌声を聞く。
夜霧が深く 冬が来るとみえる。 森が黒く 空を恨む。
深い草叢に蟲が鳴いて、 深い草叢を霧が包む。 近くの原が疲れて眠り、 遠くの竝木が疑深い。
題名はついて居なかった。
用紙の欄外に、『秋の夜』と書き足す。
もう一枚、紙を取り出した。
シャープペンシルの先を一文字目のマスに合わせる。
愛するものが死んだ時には、 自殺しなきゃあなりません。
愛するものが死んだ時には、 それより他に、方法がない。
けれどもそれでも、業が深くて、 なおもながらうことともなったら、
其処迄書いて、手が止まった。
少々迷った後、『業』の後ろに『(?)』と書き足した。
中原 中也
駄目だ、何でこんな、人を愛する、詩なんか。
ぐしゃりと丸めようとした其の時。
太宰 治
中原 中也
太宰が入って来た。
呼びが 中原君、では無い事に、亜矢は帰ったのだと少し安心した。
其の様子を汲んだ様に、太宰が笑ってみせる。
太宰 治
先程とは違う自然な笑みに、中也は微かな優越感を感じた。
太宰 治
疑問では無く、確認を取って居る様な話振りだった。
中也は軽く頷く。
太宰 治
中原 中也
こんな詩、見せられる訳ない。
まるで、まるで太宰の事を歌った様になってしまったから。
太宰 治
子供の様な口の聞き方だ、と中也は苦笑した。
何時か見せると曖昧に躱して、原稿用紙を適当な教科書の間に挟んだ。
中原 中也
太宰 治
またパソコンに向き合う太宰に、中也は呼び掛けた。
中原 中也
中原 中也
詩から話を逸らす為に、矢継ぎ早に声を掛ける。
太宰 治
太宰 治
中原 中也
太宰 治
太宰の声に、こくこくと頷く中也。
太宰が机を挟んで目の前の椅子に座る。
太宰 治
太宰 治
中原 中也
何の事だ、と思ったが直ぐに思い当たった。
太宰が、ヴェルレエヌを殺すのを手伝ってくれと云ったとき、中也は依頼として受けると答えた。
其処だ。流れに乗って 願いを一つ聞いて貰う と中也が云ったのだ。
中原 中也
太宰 治
思わず笑む太宰。
太宰 治
太宰 治
中原 中也
良いってば、と云う太宰が保健の教科書を広げた。
中也は教科書を凝視め乍らも、頭では別の事を考えて居た。