いちご
凛子ちゃんとなんの話してたのー?
莉七
・・・いちご
凛子を教室に帰したいちごは、にっこりと笑いながら言った。
莉七
・・・凛子さ、
莉七
いちごと仲良くなってから、様子が変なんだよね
莉七
いちご・・・凛子に何かしたの?
いちご
・・・別にー?
いちご
私は、凛子ちゃんを必ず幸せにするって言っただけだよー
いちご
凛子ちゃんは何もしてない
莉七
・・・幸せって・・・
莉七
・・・もしかして、
莉七
よつば様なの?
いちご
んー?
いちご
なんでー?
莉七
凛子、この前私に話してくれたの
莉七
よつば様の話
莉七
よつば様に会いに行くって・・・そう言ってたの
莉七
幸せにしてほしいからって
莉七
ねぇ・・・
莉七
本当は、誰なの?
いちご
・・・・・・
いちご
ふふっ・・・凛子ちゃん、莉七ちゃんに私のこと話してたんですね
いちご
よつば
それなら仕方ないですね
よつば
そうです
よつば
莉七ちゃんのお察しの通り、私はよつばです。
よつば
・・・でも、だからなんだって言うんですか?
よつば
私はよつば
よつば
凛子ちゃんを幸せにしているんです。
よつば
それ以上でも以下でもないでしょう?
よつば
・・・私からも質問、良いですか?
莉七
・・・うん
よつば
・・・莉七ちゃんは、どうして凛子ちゃんを助けなかったんですか?
莉七
莉七
それ、は・・・
よつば
凛子ちゃんは私と初めて会った時、言ってましたよ
よつば
「莉七は親友だ」って
よつば
でも凛子ちゃんは、その”親友”に見て見ぬふりをされてますよね
よつば
なぜ何もしないんですか?
よつば
私、これは凛子ちゃんにも言いましたが、
よつば
あなたがいつまでも助けないから、何もしないから
よつば
凛子ちゃんはまだいじめられているんじゃないんですか?
莉七
・・・私だって、助けたいよ
莉七
でも、勇気がなくて・・・
よつば
「勇気がない」で全て片付くんですか?
よつば
・・・私がいなかったら、凛子ちゃんはまだいじめられてましたよ
莉七
・・・・・・
よつば
・・・凛子ちゃんは復讐したいそうですよ
莉七
・・・え?
俯いていた顔を上げると、いちご(よつば様)が、包丁を持っていた。
よつば
・・・あとは莉七ちゃん、あなただけなんですよ
よつば
・・・凛子ちゃんのためにも
よつば
死んでください。
莉七
よつば様は包丁を向けて笑うと、こちらに走ってきた。
莉七
ちょっ・・・
莉七
やめて!
莉七
よつば
・・・え?
莉七
あ・・・
よつば
・・・あ・・・え
莉七
凛子
・・・よつば・・・様?
莉七
・・・凛子
凛子
遅いから・・・心配で来たんだけど
凛子
なに・・・これ・・・?
よつば
・・・・・・
凛子
よつば様・・・!
凛子
ねぇ、大丈夫!?
よつば
・・・ぅ・・・
よつば
・・・凛子・・・ちゃん
よつば
ほら・・・凛子ちゃんの親友は・・・凛子ちゃんが・・・手を下すべきでは・・・ないですか?
凛子
・・・私が?
よつば
・・・えぇ、そうです
よつば様は腹から包丁を抜くと、血まみれの包丁を凛子に差し出した。
よつば
凛子ちゃんは・・・もう私がいなくても・・・大丈夫ですよ
凛子
・・・よつば様
よつば
・・・泣いてるんですか?
凛子
だって・・・だって・・・!
凛子
私を助けてくれたのは、よつば様しかいなかったから・・・!
よつば
・・・大丈夫です。
よつば
その包丁を・・・私だと思えば・・・良いん・・・ですよ・・・
よつば
よつば
・・・
凛子
・・・よつば様?
よつば
・・・
凛子
・・・ごめんね
凛子
今までありがとう・・・
凛子
・・・私、
凛子
自分でもやってみるよ
莉七
莉七
・・・り、凛子?
凛子
・・・莉七
凛子
お願い
凛子
私が幸せになるために
凛子
よつば様の悔いを残さないために
凛子
・・・死んで?