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あれは今から1年前の出来事だった。
大学の授業が終わり、帰りの準備をしていたら、
いきなり電話がかかってきた。
着信画面を見るとそうたの親友のかえでだった。
みき
かえでは普段みきには電話をしないのだ。
かえで
かえで
みき
あまりに突然の事態に私はその場で固まりました。
みき
みき
私の台詞に、かえでは沈黙。
かえで
一番聞きたくなかった台詞だった。
そのことが、信じられず、
みき
みき
と、かえでに聞き返すことしかできませんでした。
私は、その後のことはよく覚えていませんでした。
ただ、私の様子が尋常でないことに気付いた友人が、電話をかわってくれたこと、
その後、友人につれられて、病院に行ったことは、覚えていました。
最後にそうたに「会った」のは、
告別式の日でした。
黒いスーツを着て、告別式に参列しても、
お焼香をしても、そうたがいなくなってしまった。
と、いう実感は湧きませんでした。
周りの人たちは、号泣しているのに、私は一粒も
涙が出ませんでした。
出棺直前。
私は、花を入れるために棺に近付きました。
初めて見る、息をしていないそうたの顔。
死んでいるなんて、信じられないくらい綺麗な
眠るような、横顔でした。
現実感がないまま、そんなそうたのことをずっと見ていました。
そして、いよいよ出棺の時。
そうたの棺に蓋がされました。
何人もの人の手により、持ち上げられました。
そして、霊柩車の中へはこばれました。
この時私は、初めてそうたが亡くなった、と、いう現実を目の当たりにしました。
この後のことも、よく覚えていません。
一緒にいた友人に聞くと、相当取り乱していたそうです。
みき
みき
みき
みき
みき
ひたすらこう言った事を叫び、泣き喚き
走り去る霊柩車を追いかけようとし、
周りの友人に止められていました。
そして、友人にすがりつき、泣き崩れたところは覚えています。