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思春期男子は猫彼氏と夢見る。

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思春期男子は猫彼氏と夢見る。

23 - █████████と夢見る。【最終話】思春期男子は猫彼氏と夢見る

♥

29

2022年10月14日

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そうして、幸せな日々が続いた

…少しはトラブルもあったけど、いろんな思い出もできた

ずっとずっと、このまま愛し合えると思えた

けど…甘かった

………始まりには、終わりがあったんだ

5年後…

俺は春也のスパルタ監督のおかげで高校に入れたが、たまたま小学生のころ好きだった女子と一緒になったんだ

そして今………卒業目前

橋本 涼太

どうしたの?

西沢 環菜

ごめんね…急に呼んで…

この人が、その初恋の人だ

西沢 環菜

卒業する前に…どうしても言いたかったことがあったんだ

橋本 涼太

(…?まさか……)

コロタ

(さーて、そろそろ学校から帰ってくるかなぁ?)

コロタ

(この道を通るのも後2日かぁ)

コロタ

(ん?あれ…何してるんだろ…?)

西沢 環菜

あなたのことが…!小学生の頃から好きでした…!

橋本 涼太

え…

西沢 環菜

覚えてる?小学生のころ同じクラスだったの

西沢 環菜

高校もね…涼太君がここに行くって知ってこの場所にしたんだ…

橋本 涼太

……

橋本 涼太

ちょっと、考えさせ…て…

西沢 環菜

…分かった

元々好きだった子だということもあって、フラッシュバック的に少し変な気分になった

コロタには嘘をついてしまったが、告白もできず、コロタが人間になったことでいつの間にか忘れていた感情が

可能と知って、不覚にも揺らいでしまった

コロタ

(涼太…?)

なんで…断らないの…?

コロタ

……そういえば…言ってたなぁ

コロタ

……僕のこと…もうどうでもいいのかな……

コロタ

…!

橋本 涼太

どうしよっかな…

コロタ

(涼太の声…!?)

コロタ

………

コロタ

………

橋本 涼太

ん?

橋本 涼太

なんか…鈴の音が…?

大学生

大学生

(……よし)

大学生

(撮影できたぞ…!これをテレビ局やらに流してしまえばあいつの家は崩壊!俺は億万長者だぁ!)

橋本 涼太

ただいま〜

コロタ

………

橋本 涼太

…コロタ?ただいま

コロタ

………そっとしといて

橋本 涼太

…?分かった

高田 春也/ヤイダ

……?

高田 春也/ヤイダ

……涼太、一旦下行っててくれるか?

橋本 涼太

…うん

高田 春也/ヤイダ

何があったんだよ

高田 春也/ヤイダ

涼太迎えに行って1人で帰ってきて、挙句そっとしといてって

コロタ

…………

コロタ

涼太に…他に好きな人できた…

高田 春也/ヤイダ

…は?

コロタ

もう僕のこと嫌いなんだぁぁぁぁ……

高田 春也/ヤイダ

早まるな早まるな

高田 春也/ヤイダ

何があったんだって

コロタ

言いたくないよ…

コロタ

思い出したくない…

高田 春也/ヤイダ

…そうか

高田 春也/ヤイダ

落ち着いたら俺に話してくれよ

高田 春也/ヤイダ

涼太が変に行動しても俺が止めてやるから

コロタ

…うん……

コロタ

………

コロタ

……

コロタ

…?

コロタ

(…この…感覚って……)

コロタ

(……………)

数日後

橋本 涼太

(最近コロタが話しかけてくれないなぁ)

橋本 涼太

(なんか隠し事でもあるのかな…)

コロタ

(言わないと…言わないと…)

橋本 涼太

…大丈夫?コロタ

コロタ

……春也どこにいる?

橋本 涼太

春也まだ帰ってきてないよ

コロタ

…帰ってきたら教えて

橋本 涼太

…?分かった

コロタ

あ、あと…

コロタ

…ペンと紙借りていい…?

橋本 涼太

…いいよ

橋本 涼太

…下行ってるね

コロタ

ありがとう…

橋本 涼太

(ほんとに大丈夫かな…)

数分後……

コロタ

……これで大丈夫かな…

高田 春也/ヤイダ

高田 春也/ヤイダ

どうした?涼太に呼んできてって頼んだらしいけど

高田 春也/ヤイダ

ややこしいな

コロタ

………話すよ…前のこと

高田 春也/ヤイダ

ん?

高田 春也/ヤイダ

あぁ…分かった

LINE

橋本 涼太

今大丈夫?

西沢 環菜

いいよ

橋本 涼太

考えがまとまったよ

西沢 環菜

分かった

橋本 涼太

橋本 涼太

橋本 涼太

橋本 涼太

ごめん!

西沢 環菜

……だめだったか…笑

橋本 涼太

ごめんね、ほんと

橋本 涼太

俺さ、

他に好きな奴いるんだ

橋本 涼太

(ん…?)

橋本 涼太

…!?!?

橋本 涼太

(これは…)

静止したニュースの画面の左上には、

猫人間のUMA発見

…と書かれている

お父さん

これ、絶対コロタのことだよな?

お父さん

どうするんだ

お父さん

住所がバレて家に色んな人が来て

お父さん

何されるか分かんないぞ

橋本 涼太

………ごめんなさい

言葉は出なかった

橋本 涼太

(…!コロタに教えないと…!!)

急いで階段を駆け上がり、ドアを思いっきり開ける

少し息を切らしながらも、目を向ける

高田 春也/ヤイダ

…どうした、そんな顔して

橋本 涼太

それがさ…!

橋本 涼太

………あれ…!?コロタは!?

高田 春也/ヤイダ

……さっき、泣き喚きながらそこの窓から猫の姿で出ていったよ

高田 春也/ヤイダ

話はできなかった

橋本 涼太

は!?

高田 春也/ヤイダ

コロタがなんて言ってたか教えてやるよ

橋本 涼太

いや!?そんなことより!

高田 春也/ヤイダ

は?

橋本 涼太

……コレ見て!

高田 春也/ヤイダ

………

高田 春也/ヤイダ

……は!?

高田 春也/ヤイダ

誰だよ!?これ撮ってんの!?

橋本 涼太

早くこのことをコロタに伝えないと!!

高田 春也/ヤイダ

……分かった!

橋本 涼太

スマホは!?どっちが持ってるの!?

高田 春也/ヤイダ

……俺だ…!

高田 春也/ヤイダ

でも!俺は狼!嗅覚ならある!

橋本 涼太

…!分かった!

高田 春也/ヤイダ

こっちだ!

橋本 涼太

うん…!

橋本 涼太

橋本 涼太

そういえば…!

高田 春也/ヤイダ

…?

橋本 涼太

部屋にいたときの…!ハァ…話って!何…!?

高田 春也/ヤイダ

あぁ…!

高田 春也/ヤイダ

コロタはな…!

高田 春也/ヤイダ

お前が学校で告白されてるのを見てたんだよ…!

橋本 涼太

!?

一瞬足が止まりそうになった

高田 春也/ヤイダ

これだけで分かるか…!?

橋本 涼太

……うん

橋本 涼太

全部……分かったよ…!!

橋本 涼太

どこだ……!

大学生

あれです!あの猫です!

制服を着た男性

あれが猫人間だ!

網を持った男性

捕まえろ!

橋本 涼太

は!?

コロタ

!!

橋本 涼太

あ!コロタ!!

制服を着た男性

…?近づかないでください!

網を持った男性

今、UMAの捕獲をしてる最中なんだ!悪いが近づかないでくれ!

大学生

そうだ!帰れ帰れ!ははは!

橋本 涼太

(!?あの金髪…!)

橋本 涼太

お前…!

弱っているコロタを目の前に、手をグーにして歩みを進めようとした、が

高田 春也/ヤイダ

いや、俺がやる…

高田 春也/ヤイダ

お前は、コロタを

橋本 涼太

…分かった…!

高田 春也/ヤイダ

お前ら…何も知らねぇ癖に勝手にやりやがってよぉ…

高田 春也/ヤイダ

ぶっ潰してやるよ…!

制服を着た男性

はっwガキが何言ってんだw

高田 春也/ヤイダ

はぁ〜………

コロタ

…!

橋本 涼太

あ!

コロタは隙を見て逃げてしまった

大学生

あ!

橋本 涼太

待って!!コロタぁ!

高田 春也/ヤイダ

(行け…!)

大学生

おい!お前のせいで逃したろ!どうしてくれんだよ!

高田 春也/ヤイダ

お前…俺の顔忘れたのか…?

大学生

は?

高田 春也/ヤイダ

んんん……

高田 春也/ヤイダ

ウアアァァァァ"!!!

大学生

!?お前!?あのときの…!?

大学生

やめろ!?命だk…

高田 春也/ヤイダ

アァァァァ!!

大学生

ぐあぁあぁぁぁ!?

道路の石の灰色が赤色に変わる

網を持った男性

わ…!?

網を持った男性

狼…!?に…逃げろぉぉぉ!!

高田 春也/ヤイダ

ウェウア!!

首を腕と胸板で挟んで締める…

網を持った男性

が…!やめ…!?

そして…

網を持った男性

ァ…

思いっきり力を入れて、首から上を吹き飛ばした

高田 春也/ヤイダ

I'll kill everyone who attacks Korota…!
(コロタを襲う奴は全員殺す…!)

制服を着た男性

ふふふふ…

高田 春也/ヤイダ

…?

制服を着た男性

ヤイダァ…やっぱりお前はここに来たのか…

高田 春也/ヤイダ

…!?

網を持った男性

ウリャア…!

トーグ

ははは…

トーグ

はぁ…

高田 春也/ヤイダ

お前…!?

高田 春也/ヤイダ

トーグ…!?

トーグ

あぁ…覚えてるかぁ

トーグ

そりゃあそうか?

トーグ

トラウマ…だもんなぁ…?w

高田 春也/ヤイダ

………

トーグ

あの後…お前を捕まえられなかったからって

トーグ

俺がターゲットになったんだ

トーグ

お前があそこで逃げやがったからだ!

トーグ

ヤイダメ狼のくせに…!

高田 春也/ヤイダ

………

高田 春也/ヤイダ

ダメ狼でもいいさ…

高田 春也/ヤイダ

守りたいものを守ることができれば…それだけで……!!!

トーグ

はっwお前はここで死ぬんだよ!wそのために俺は来たんだ…!

トーグ

お前の弱点…!俺は知ってる!

トーグ

ここだろぉ!?

高田 春也/ヤイダ

ぐぁ!?

高田 春也/ヤイダ

(背中の傷…!)

高田 春也/ヤイダ

(あのとき噛まれた傷は…!塩水で悪化し、更に応急処置しかされてない…!)

高田 春也/ヤイダ

(そのあとまともな食い物も最近まで取ってなかったからまだ完全に治ってねえんだよ!!)

トーグ

痛いか…?どうだよぉ!

高田 春也/ヤイダ

ぐ…

高田 春也/ヤイダ

このままじゃ…

橋本 涼太

コロタ…!

コロタ

ん…!

橋本 涼太

待って…!

橋本 涼太

話を…!

コロタ

(だめ…!)

コロタ

(来ないで…!!!)

橋本 涼太

…?

橋本 涼太

何か…咥えてる…?

高田 春也/ヤイダ

ぐっ…

トーグ

オラァ…!

トーグ

ははは…!どうしたぁ!?

高田 春也/ヤイダ

(俺の攻撃…ほとんど当たってねぇ…くっそ…)

顔もズタズタに引き裂かれ

胸元にもダラダラと血が垂れ

足も少しふらついている

高田 春也/ヤイダ

(…涼太…………コロタ…………)

橋本 涼太

待ってってば!ハァ…

橋本 涼太

コロタ…コロタぁ……!

コロタ

(やめ…て………ってば………!)

橋本 涼太

(俺が告白をその場で断れなかったから)

橋本 涼太

(不安になっちゃったんだよな…?)

橋本 涼太

(大丈夫だよ…!ちゃんと断ったから…!)

橋本 涼太

(だって…)

橋本 涼太

(だって……!)

橋本 涼太

俺はコロタが大好きだからぁ……!

コロタ

……!

コロタ

……

コロタ

(…やめて……)

橋本 涼太

(まだ逃げるのか…!)

コロタは角を曲がって

俺も数秒置いてから曲がった

橋本 涼太

あれ…?

橋本 涼太

コロタ…どこ行った…!?

コロタ

(うう…)

コロタ

(もう…………)

トーグ

なんでだよ!?なんで死なねぇ!?

高田 春也/ヤイダ

………

トーグ

こんだけ殴ってんだぞ!?なぜ立てる!!

高田 春也/ヤイダ

……

トーグ

あーもううざってぇ!足ごと粉砕してやる!

そういって足を振り上げ

ヤイダの足元に思いっきり振り下ろした

高田 春也/ヤイダ

グァ!?

トーグ

ははぁ!!痛てぇだろ!?

高田 春也/ヤイダ

…フッ!

トーグ

が…!?

ヤイダはしゃがんで、鋭いツメでトーグの足を刺し、貫通して自分の足まで刺した

高田 春也/ヤイダ

これでもう逃げられないな…

トーグ

だからなんだ!?

高田 春也/ヤイダ

ありがとよ

高田 春也/ヤイダ

走馬灯を見てた所だったんだが、起こしてくれたようだな?

トーグ

…!

高田 春也/ヤイダ

感謝の印だ

高田 春也/ヤイダ

もう一本くれてやる!

トーグ

ウァァア…!!

もう片手のツメでトーグの胸元を貫き、頭を腹にぶつけて倒し、ドン!と音が鳴る

高田 春也/ヤイダ

(上を取った…!)

トーグ

グ…!

高田 春也/ヤイダ

俺はもう弱くねぇ…!

高田 春也/ヤイダ

これで終わりだ!

トーグ

…!?

トーグ

ヤメロォォォ!!!

胸元から抜いたツメを、押さえ込まれて逃げられなくなったトーグの脳に向かって真っ直ぐ伸ばす

トーグ

うぁぁぁぁ!!!

ズシュ…!

高田 春也/ヤイダ

はぁ…

高田 春也/ヤイダ

勝った…

高田 春也/ヤイダ

殺…した

高田 春也/ヤイダ

俺は、強くなったんだ…

高田 春也/ヤイダ

アイツらと学校に行って…知力でも付いたか…?

高田 春也/ヤイダ

………

高田 春也/ヤイダ

はは…

高田 春也/ヤイダ

(涼太…コロタ…)

高田 春也/ヤイダ

(俺も…自分のことを愛してくれる…)

高田 春也/ヤイダ

(一緒に笑い合える…)

高田 春也/ヤイダ

(仲間が欲しかったんだ)

高田 春也/ヤイダ

(ありがとう)

高田 春也/ヤイダ

(俺は…お前ら2人とも大好きだ…)

高田 春也/ヤイダ

(あぁ………頭がぼーっと…する………)

バン!

ニュースアナウンサー

臨時ニュースです

ニュースアナウンサー

××県××市にて、猫人間に次ぐ狼男のUMAが2匹確認されました

ニュースアナウンサー

警察は、人間に危害を加える危険性が高いと見て射殺しました

高田 春也/ヤイダ

…………

橋本 涼太

あ…!?

橋本 涼太

コロ…タ…?

茂みの中でコロタが丸まっていた

橋本 涼太

なんで…寝てる……?

急いで近つぎ、息を確かめる

橋本 涼太

息……

橋本 涼太

して……ない!?

橋本 涼太

コロタ!!

橋本 涼太

しっかりして…!

橋本 涼太

なんで…!?

コロタ

…………………

猫の寿命は、12年から18年

コロタは、14歳だった

………

猫は死ぬ間際、飼い主にバレないよう隠れて死ぬのを待つらしい

橋本 涼太

…!

橋本 涼太

…ごめん……!

橋本 涼太

コロタ………

橋本 涼太

謝れて……なかったよね…?

橋本 涼太

ごめん…だから…

橋本 涼太

目…覚まして……

橋本 涼太

…?

橋本 涼太

これ…ぬいぐるみ…?

さっきまで咥えていたであろう、噛まれた痕のあるぬいぐるみが抱き抱えられていた

橋本 涼太

コロ…タ………

橋本 涼太

寂しかったん…だね

橋本 涼太

……?

橋本 涼太

手紙……?

ぬいぐるみの下に、更に手紙が置いてあった

くしゃくしゃの紙に、ペンで殴り書きされている

遺書

今度はリョウタの番

今までありがとう

また会おうね

橋本 涼太

………無理だよ…

橋本 涼太

また会う…なんて………

愛してるよ

橋本 涼太

…!

とんでもないことに気がついた

俺は今まで、大好きとばかり言ってきて、愛してるなんて言ったことがなかった

無意識にコロタを抱きしめる

橋本 涼太

俺も…!俺も愛してるよぉ………!

コロタにとって、この手はどのくらい温かいのだろうか

ボロボロと、大粒の涙が細いコロタの体と、そのコロタの体を包む自分の手に落ちる

心臓は冷たく、今にも推し潰れそうなのに対し、落ちてくるその液体はまるで血のようであった

頭の中がコロタでいっぱいになり、自分が死ぬわけでもないのに、走馬灯のようにコロタの顔が思い浮かぶ

笑顔…泣き顔…怒ってる顔…恥ずかしがってる顔…

どれも可愛く天使のよう

橋本 涼太

コロタ…!コロタ…ころ…たぁ…グズッ…

橋本 涼太

俺が悪かったんだ!全部!全部!!俺がッ!

橋本 涼太

もう悩まない!俺にはコロタしかいないからッ!

橋本 涼太

コロタをずっと!ずっとずっと愛してるからぁッ!グズッ……

橋本 涼太

生き……返………って……

橋本 涼太

…!!

そのとき、丸い猫の顔に、少し微笑みが見えた気がした

そして、何時間、何日にも感じられる数分が経つ

コロタの体は、冷たくなってしまった

それを誤魔化そうとしたのか、必死に抱きしめて、擦って、熱を与え、枯れることのない涙を流した

橋本 涼太

今日は、一緒に寝よっか…

橋本 涼太

ね、コロタ…

橋本 涼太

愛してるからね…

橋本 涼太

……ははは

ぎゅっと、強く、弱く、抱きしめて、ベッドにつく

人間でない姿のネコと寝るのは、久しぶりだった

橋本 涼太

いい夢…見れる…かな………

橋本 涼太

………

思春期男子は猫彼氏と夢見る。-完

数日後…

俺は学校に行けなくなった

……コロタは、いない

春也も…いない

俺はショックで病んでしまい、精神科に入院していた

橋本 涼太

あのとき、聞こえてたのかな

橋本 涼太

愛してる…って

橋本 涼太

……聞こえてなかったら………

食事も喉を通らなくなってしまい、体は衰弱していき、悪くなる一方だった

橋本 涼太

………そういえば

橋本 涼太

手紙に書いてあった、次はリョウタの番って…

橋本 涼太

なんだったんだろう…?

橋本 涼太

………

橋本 涼太

答えを教えてくれる人、いないんだった……

橋本 涼太

……

橋本 涼太

もう無理だよ…俺…………

橋本 涼太

…………

橋本 涼太

………

橋本 涼太

……

俺は………そのまま力尽き…………動かなくなった

橋本 涼太

橋本 涼太

…?

橋本 涼太

ここ…は………?

橋本 涼太

……あぁ、地獄か

橋本、涼太だな?

橋本 涼太

…!?

橋本 涼太

誰だ…!?

私は、神だ

橋本 涼太

…神?

あぁ

私の役割は、お前らの世界でいう所の閻魔の役割だ

お主に、天国へ行くか、地獄に行くか、はたまた生まれ変わるかの選択肢を与える

好きな道を選べ

橋本 涼太

…?

橋本 涼太

生まれ変わるって…人間ですか?

何でも良い

橋本 涼太

何でも…か……

橋本 涼太

………

橋本 涼太

猫に…

橋本 涼太

猫に生まれ変わりたいです…

…そういうと思っていた

橋本 涼太

…え?

開け!審判の扉!!

ゴォォォォン!!

橋本 涼太

あ…!奥に道が…!?

早く行け…

神様はいそがしいのだ…

橋本 涼太

………

コツ…コツ…

ゆっくりと眩い光の元へ近づく

吸い込まれるように、光に呑み込まれて行く

………!

涼太

(ん…あ…?)

涼太

(…ほんとだ…猫になってる…!)

涼太

(…親猫は…?)

涼太

(あれ…いない……)

まるで、そこに急に出現したかのように、俺はそこに存在していた

涼太

(あれ、ていうか…)

涼太

(俺、前世の記憶がある…)

涼太

(………)

涼太

(お腹空いた…)

涼太

(誰か助けて………)

誰かが通りかかっても撫でて通り過ぎて行くばかり

涼太

(寂しい…)

???

………

涼太

…?

涼太

(なんだあの子)

名札のついた園児服を着た、男の子だポツリと立っていた

涼太

(ずっと俺のこと…見てるんだけど…)

???

タッタッタッタ…

涼太

あ…

男の子は走ってどこかへ行ってしまった

涼太

(なんだったんだろ)

涼太

(…あ、そういえば)

涼太

(俺って人間になれたりしないかな…?)

涼太

(………)

涼太

(…!)

涼太

お…!?

涼太

まじでなれる…!?てか、前の姿まんまだ…!

涼太

(…………あ…)

涼太

(………)

涼太

(……コロタ……寂しいよ…)

涼太

(……)

涼太

猫に戻らないと…

涼太

………

???

ほら、あの猫だよ!

涼太

…!?

涼太

(なんだ…?)

涼太

(あ、あの子…)

???

待ちなさいよも〜、危ないでしょ?

涼太

(あの人は…お母さんかな)

???

この猫飼いたい!

涼太

(へ…!?)

涼太

(やだよ!なんも知らない人の家で暮らすなんて!?)

涼太

(俺はもう!コロタしか…!)

と言って男の子が少しずつ近づいてくる

涼太

(…え)

近づいて来て、名札に書いてある文字が見えた

つちや ころた

その名札に、そう書かれていた

涼太

(……え…)

涼太

(ころ…た)

俺は思わず飛びついてしまった

つちや ころた

わぁ!

???

おぉ…!?

???

(あ、かわいい…)

???

分かったわ、飼いましょ

つちや ころた

ほんと!?

涼太

(…!)

???

でも、お父さんに許可取れなかったらダメだからね

つちや ころた

はーい!

そのあと、俺はとにかく良い子に過ごした

おかげで、リョウタ(良太)という名前をつけてもらえた

……コロタが名前をつけようとしたときに転がってばっかりだったのを思い出した

つちや ころた

リョウタ!あっそぼ!

リョウタ

…にゃあ

一緒に遊んでいて、思ったことがある

この子の性格、前のコロタと全く一緒だ

リョウタ

(こんな偶然有り得るか…?)

つちや ころた

大好きだよ〜!リョウタ〜!♡

リョウタ

(……あ…)

分かった

これは…

俺が人間から猫になるのと同時に、コロタも猫から人間になってる

でも、コロタは前世の記憶を持っていないんだ

リョウタ

(あ…あぁ……!!!)

前世の、全ての出来事に 納得した

リョウタ

(違う!入れ替わってるだけじゃない!)

リョウタ

(ずっと続いてたんだ…!)

リョウタ

(前世、俺が人間だったときより更に前世!)

リョウタ

(そのときも俺が猫でコロタが人間だったんだ!)

リョウタ

(それを延々と繰り返して!入れ替わり続けてる!)

リョウタ

(だからだったんだ!)

リョウタ

(あれも…!)

リョウタ

(これも………!!!)

リョウタ

(全部…!!!!!)

リョウタ

(………)

リョウタ

(でも…)

リョウタ

(俺達は…これを繰り返して…)

リョウタ

(ずっとずっと…愛し合えるんだ……)

リョウタ

(記憶はなくなっちゃっても…)

リョウタ

(俺達はずっと愛し合っていけるんだ……!)

リョウタ

(……嬉しい…♡♡)

数年後……

土屋 来炉太

僕…リョウタのこと好きになっちゃったかも…

リョウタ

!?

土屋 来炉太

でも…なんでか分からないの…!

土屋 来炉太

確かに…ちょっといじわるだけどお兄さんみたいでかっこよかった…

土屋 来炉太

でも…ほんとにそれだけなのに…!

リョウタ

………

リョウタ

"本能"…じゃないかな…

土屋 来炉太

…え?

土屋 来炉太

何を言って…

リョウタ

いや、なんでもないよ!笑

リョウタ

…一緒に寝よっか?

土屋 来炉太

…うん…♡

リョウタ

(コロタ…俺…幸せだよ)

土屋 来炉太

(……もう僕…寂しくない……♡)

服をギュッと掴まれる

リョウタ

(…♡)

そして…

猫男子は思春期彼氏と夢見る。

-完

この作品はいかがでしたか?

29

コメント

1

ユーザー

途中まで物語を作っていて、腐女子さんから大量フォローを貰ったので最後まで作らなきゃ!と思えました、ありがとうございます。そして、今回、長すぎてだるかったので誤字チェック等を行っておりません。誤字があったら教えて貰えるとありがたいです。今回最終回を書いて自分の実力不足を感じましたので、これからもマイペースに精進して行こうと思います。最後まで読んでくれてありがとう!

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