君が居なくなった日

君が居なくなった日

俺たちは、涙に暮れた。

泣いて、泣いて

まだ泣いた。

だけど、

俺は泣けなかった。

泣きたいのに、

叫びたいのに、

君が居なくなったなんて

信じられなくて、、

信じたくなくて

そう、みのりは 亡くなった。

持病が悪化して しまって

俺達の目の前で 亡くなった

苦しまずに、

眠るように 亡くなった

鳴り響く機械音

そして、眠る君の吐息

ﾋﾟｰｰｰｰｰｯ

元気にしとるんやで

身体を大事にな

サッカー辞めたら あかんで

諦めるな

北斗

さようなら

みんな、ありがとう

みんな泣いてる。

友達も家族も親戚も

この会場で泣いていないのは、

俺だけだった

ここはいつも二人で 遊んだ公園

思い出の場所だ

ここに来たら、

姉ちゃんに 逢える気がした

勿論、返事は二度と 返ってこない。

ｻｧｧｧｧｧ………

聞こえるのは、 いつもの風の音

……北斗

どこからか 懐かしい声が聞こえる

優しい声

もう二度と聞けないと 思っていた声

振り向くと、

みのりが立っていた

コスモスの丘に来て

何でコスモスの丘?

北斗と、ウチが初めて 一緒に出かけた場所やで

そうだったっけ?

覚えとらんのかい

ウチは、生まれつき 病弱でな

立てれんかったんよ

でも、北斗と歩いて 出かけてみたかったから

歩く練習をして、

歩けるようになった

でも、また 歩けなくなった

…北斗

ん?

約束、守れなくて ごめんなさい

もう良いよ

しょうがないよ

生まれ変わって また会えたら

サッカーしような

うん

元気な身体で 生まれて来いよ

分かったわ

でも、逢えるかな

うん?

心配要らんで

きっと、また逢える

そっか

約束な

うん

約束ね

HAPPY END