のきのすけ
のきのすけ
のきのすけ
のきのすけ
人魚姫病
(脚鱗生涙珠失声病院)
のきのすけ
のきのすけ
のきのすけ
のきのすけ
黄くんの心情
物音、効果音等
紙(?)
カルテ
僕が好きなこと。
歌うこと。 お話すること。
好きな人。
ころんくん。
僕は、大好きな人がいます。
クラスでは人気者で。 面白くて優しい。
蒼猿 ころん くん。
だけど彼の傍にはいつも
桃里 さとみ さん。
がいる。
2人とも仲良しで、登下校、休み時間ずっと一緒。
1部の人からは付き合ってるっていう噂も聞く。
その噂を聞く度に心が苦しくなる。
最初から僕の恋は叶わないだなんて分かってる。
一生叶うわけのない僕の恋。
ころんくんの家庭は大金持ち。
それに比べて僕は。。
貧乏で、親は殺人で逮捕。離婚。
めちゃめちゃな家庭で育った。
釣り合うわけがない。
そんな僕の、ちょっと前のお話。聞きますか?
高校の入学式でしょうか。
僕はお気に入りの海で自分のギターを持って歌ってたんです。
たったの30分くらい。
これが僕の幸せ。だった。
色々な苦しさ。悲しさ。 痛みを和らげるために海で歌ってた。
その時にいたのがころんくんだった。
ころ💙
ころ💙
ころ💙
初対面にも関わらず笑顔で話してくれたころんくんに一目惚れしたんです.......
それから毎日海に来てくれて2人で歌ったんです。
横に座ってるだけなのに、心臓の音が聞こえてしまいそうなくらいドキドキしてたんです。
僕は、ころんくんに聞いたんです。
怖かったです。
だけど…知りたくて…言ったんです。
るぅ💛
ころ💙
あっさりと即答で返してきたんです。
頬を赤らめながら話すころんくんはさとみさんと話す時と同じ表情だった。
ころんくんはさとみさんのことが好きなんだろう。っていう思考になった。
やっぱりそうだよな。って思ってしまう。
さとみさんといるころんさんは生き生きとしてる。 笑顔で幸せそうにしている。
くやしくて。 自分が惨めで。 でも、これが現実で...
僕がその場を走って抜け出してしまったんです。
いわゆる嫉妬ってやつです。
悲しかったです。 さとみさんが嫌いになってきました。
なんにもアタックしに行ってない癖に嫉妬だなんてクズですよね笑
そんなこと思ってて今、現在。
大好きな海にいます。
少しだけ海の水に足を入れて、バシャバシャと水飛沫を立てる。
小学生がやりそうなことだけどこれが癖なんです。
これをやってると目から大粒の涙が零れてくるんです。
今まで来てくれたころんくんの姿は無くて僕1人勝手に嫉妬しながら叶うわけもない片思いを拗らせている。
僕は惨めだ。
ある日の夜。僕の身体に異変が起きた。歩くと足裏が痛い。
るぅ💛
僕の足裏には
鱗
が生えている。 それと一通の手紙。
動かなくなるよ。 痛いよ。 食べ物とか 準備しといたほうが いいよ。
匿名の小学生の描いたような字での手紙。
一応信じて、僕は家を出ていつどうなってもいいように
沢山買いました。
鱗が太ももまできたとき。
声が出なくなりました。
不思議です。
声が出ないのに息はできる。漫画に出てくるような現象ですよね。
僕は足が動かなくなって、声も出なくなってひとりぼっちの生活をしています。
ただでさえ友達がいない僕からしたらもう待つのは死のみだと思ってます。
だけど1番苦しいのは
大好きな人に会えないこと。
だけど絶対僕のことなんか眼中に無いです。
絶対に。
そう思うだけで苦しくて涙がでてきます。
るぅ💛
だけどその涙はいつもの涙じゃなくて
真珠
でした。
るぅ💛
涙のように目から落ちてくる真珠が床にころんと綺麗な音を立てて転がっていく。
1つの真珠が落ちて、そのにもう1つの真珠が落ちてくる。
その真珠は2つ寄り添って離れない。
そこに1つの真珠が落ちてくる。
1回2つの真珠が離れて、落ちてきた真珠と触れ合う。
だけどその真珠は前の真珠の方へと転がって戻っていく。
そのひとつぼっちになった真珠が
今のひとりぼっちの僕みたいで。 僕達みたいで。
そう考えてしまうだけで心が苦しくなる。
僕は助けて欲しいって心から願った…
なんか横からカランと鈴がなるような音がしたのは気のせいだと思う。
気づくともう夜。コップ一杯ほどの水しか飲んでいない。
横には沢山のカロリーメイトと、ゴミたち。
ここから動かなくなって 恐らく1ヶ月は経つと思う。
辛い。
好きなことが全てできない。
好きな人にも会えない
僕の唯一の幸せ全てを剥ぎ取られた気分。
僕が大好きだった弟が謎の病気で死んだ時と
同じ気持ちだ。
カランッ
るぅ💛
さっき聞いたような鈴の音がした。
そこには手紙が置いてある。
この前の人と同じ字
大丈夫。 来てくれる。 君の 大切な人が。
僕に大切な人…?
弟……
それと…
ころんくん?
ない。絶対に助けてくれるわけがない。
僕はこのまま死を待つだけです。
とうとう腰あたりまで鱗が来た。
時計を見るとまだ午後6時。
時の流れがドラえもんの力とかで遅くなってるんじゃないかって思うくらい遅い。
6時…
本当なら海で遊んでる時間。
なんで僕だけこんなことになったんでしょうか…
頭がふわふわしてきた…寝よう…
ガッシャァァァンドタドタドタ
るぅ💛
なにかが壊れたような音と走ってくる音。
不審者かな。 声も出ないから叫べない。
?
?
僕の名前を知っている。
やっと死ねるんだ。
ころ💙
ころ💙
ころ💙
ころんくん…だ……
夢なのかな……
嬉しい……
るぅ💛
コロンカランコロンコラン
音を立てながら真珠が落ちていく。
ころ💙
ころ💙
るぅ💛
声が出ないから
大きく頷く
そして必死に近くにあった紙に全てを書いて字で伝えた。
ころ💙
幸せ。 撫でてもらった… 心がすっごく落ち着くな…
もしかしたら死ぬ前の最後の幸せかも。
最後に聞きたいことがあるんです…
なんで来てくれたんですか?
こんな空気のような奴をなんで…
ころ💙
ころ💙
ころ💙
莉犬…… 最愛の弟。 あの世から 助けを呼んでくれたんだ…
でもなんで…
ころ💙
僕は紙にかく
莉犬っていう赤い髪色の弟がいました。
ころ💙
ころ💙
ころ💙
え……そうなの、? でも確か…死ぬ前、よく遊びに行ってたな…
ころ💙
ころ💙
ころ💙
ころ💙
ころ💙
ころ💙
悲しそうな顔で話す。
僕も同じ気持ちですって言いたい…
ころ💙
ころ💙
ころ💙
ころ💙
嫌いなわけがないよ… 大好きですよ…
ころ💙
顔を林檎くらい真っ赤にして小さな声でボソッと言った
ころ💙
ころんくんが僕のことを…?
信じられない…嘘だ。
ころ💙
ころ💙
ころ💙
嘘だ… 人気者の彼がこんな人間の底辺を好きなわけがな…
ころ💙
ころ💙
思ってるよ……
ノシッ
僕が座ってるベッドに乗ってきた。
チュッ
ころ💙
一瞬だった。 僕の唇に大好きな人の唇が触れた。
キス……僕の初めて… 大好きな人がしてくれた。
ころ💙
ころ💙
赤く頬を染そめて話す君が可愛らしい…
僕…やっぱり
ころんくんのことが
るぅ💛
ころ💙
るぅ💛
ころ💙
ころ💙
本当だ…よく見ると綺麗だな…
そんなこと考えてるところんくんが言った、
ころ💙
ころ💙
ころ💙
ころ💙
凄くシンプルな告白で。 だけどそれがころんくんらしくて可愛いくて。
目を瞑りながら手をだしている君の手を泣きながら握って僕も言う。
るぅ💛
るぅ💛
ころ💙
るぅ💛
大好きな人と両思いで、 付き合えて抱き合ってる
真っ赤な顔で君は言う。
ころ💙
るぅ💛
僕はギュッて目を瞑って
キスを待つ。
チュッ
暗い夜の中。2人キスを交わす
そして向かい合って微笑む。
床には2つ寄り添って落ちている真珠がある。
ずっと好きで良かった。
ころんくんを大好きになって良かった。
今が生きてて1番幸せかも。
鱗も残り1枚。
その1枚が空へ塵になって光ながら消えていく。
人魚姫みたいな病気だった…
やっぱり愛って最高なんだな。
ころ💙
るぅ💛
片想いで絶対に叶わないと思ってた恋が
今では信じられないくらいそう思ってた僕ばバカバカしく思ってしまう。
これからもよろしくね。
ころちゃん
2年後2人が同じ指輪をはめて幸せに暮らす話はまた別のお話───♡
患者:るぅと 病名:人魚姫病 発症原因:片想 いを拗らせていた 症状: ・脚が鱗 ・涙が真珠 ・声を失う 完治方法:大好きな人と両思いで、大好きな人とキスを交わす
のきのすけ
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のきのすけ
のきのすけ
のきのすけ
のきのすけ
のきのすけ
のきのすけ
のきのすけ
のきのすけ
コメント
7件
2000を崩す罪悪感 何なら2023にしちゃえ
ハート連打しました、気付いたら1000行ってました!次の奇病物語楽しみです!頑張って下さい!