最悪のタイミングである噂を聞いた
サッカー部のエースでもある先輩
その先輩が僕のクラスの女子に告白してフラれたらしい
そんな噂があるとは知らずに、その女子を放課後呼び出してしまった
まさに今日、僕は彼女に告白しようとしていた
マナミ
えー、そんなことがあったんだ
ハルキ
そうなんだよ、笑えるよな
マナミ
ホントだね
さっきからどうでもいい話を延々と続けている
マナミ
マナミ
ねえ
マナミ
そう言えば用事って?
ハルキ
え?…あぁ用事ね!
ハルキ
そうそう、それで呼んだんだった
マナミ
ハルキから呼び出されるの珍しいよね
ハルキ
そ、そうかな
マナミ
きっと重大な事件に違いない!
マナミ
って、思ってるけど違う?
ハルキ
先輩がフラれたのに自分は成功するのか?
ここに来て覚悟が揺らぎ、言い出せない
ハルキ
いや、もしかしてそんな大した事じゃないかも
マナミ
ふ〜ん
マナミ
マナミ
私、今日このあとバイトあるんだけど
マナミ
もし、急ぎじゃないなら明日でもいい?
ハルキ
え、あ…そうだな!
ハルキ
明日で大丈夫だったわ、全然
マナミ
じゃ、明日ね
ハルキ
おう、バイト頑張れ
「好きだ」たった3文字の言葉が出て来ない
マナミ
マナミ
…もう
マナミ
私、期待して待ってたんだよ
マナミ
バイト遅刻のギリギリまで
ハルキ
え?
マナミ
全然言ってくれない、その用事
マナミ
明日でもいいけど
マナミ
マナミ
明後日は嫌だからね!
そう言い残して駆け出すマナミを、僕はただ立ち尽くして見送った
マナミの言葉…あれってまさか…
心臓がバクバクする
混乱して自分が何を考えてるのかもわからない
ただひとつ、確かなことがある
明日、僕は彼女に告白をする