リュウ
助けてくれー!!
俺は目をつむり、大声で 必死に助けを求めた
リュウ
リュウ
・・・・・・?
リュウ
(・・・・・・やけに・・・
静かだ・・・)
静かだ・・・)
俺は、 おそるおそる 目を開けた
リュウ
・・・だ・・・
誰もいない・・・?
誰もいない・・・?
リュウ
どうして・・・?
リュウ
あの赤い少女は・・・?
リュウ
・・・いない・・・?
その時だった
ドン!ドン!
リュウ
!?
ドン!ドン!
誰かが 扉を叩く音だ!
リュウ
(だ・・・誰だ・・・!?)
???
誰かいるの?
リュウ
(こ・・・この声は・・・!?)
リュウ
ミ・・・ミユか!?
ミユ
リュウ・・・!?
ミユ
どうして!?
リュウ
お前こそ、
どうして!?
どうして!?
ミユ
たまたま声がしたから、
来てみたのよ!
来てみたのよ!
ミユ
ちょっと待って!
今、開けるから!
今、開けるから!
リュウ
そっちから
開けられるか!?
開けられるか!?
ミユ
ここに
カギが落ちてるわ!
多分、これで・・・!
カギが落ちてるわ!
多分、これで・・・!
ガチャ!
扉が開いた
リュウ
ミユ!
ミユ
リュウ!
リュウ
助かった!
ありがとう!
ありがとう!
ミユ
どうして、
こんな所に!?
こんな所に!?
リュウ
分からない・・・
何も覚えてないんだ・・・
何も覚えてないんだ・・・
リュウ
気付いたらここに
閉じ込められていた・・・
閉じ込められていた・・・
リュウ
ミユにも
メールしたんだ!
見てないか?
メールしたんだ!
見てないか?
ミユ
あ、ごめん・・・
私、今携帯壊れてて・・・
私、今携帯壊れてて・・・
リュウ
そうか・・・
リュウ
しかし・・・
リュウ
何なんだ、
この廃墟・・・
この廃墟・・・
ミユ
何かあったの?
中に・・・
中に・・・
リュウ
いや、
赤い血まみれの携帯が
あっただけだ
赤い血まみれの携帯が
あっただけだ
リュウ
気味が悪くて、
隅々までは
見てないけどな・・・
隅々までは
見てないけどな・・・
ミユ
そう・・・
リュウ
(赤い少女の事は
言わないでおこう・・・
きっとミユ、怖がるし・・・)
言わないでおこう・・・
きっとミユ、怖がるし・・・)
ミユ
とにかく、
一刻も早く離れた方が
いいわ!
一刻も早く離れた方が
いいわ!
リュウ
あ、いや
リュウ
警察を
呼ばないと・・・
呼ばないと・・・
ミユ
何を言ってるの!?
ミユ
血まみれの携帯なんて
ある場所よ!
ある場所よ!
ミユ
何か事件だった場合、
真っ先に疑われるのは、
リュウなのよ!
真っ先に疑われるのは、
リュウなのよ!
ミユ
ここは関わらず、
ここから
離れた方がいいわ!
ここから
離れた方がいいわ!
リュウ
そ・・・そうか・・・
俺はミユに従い、 その場を離れようとした
リュウ
?
ふと気付くと、ミユが 廃墟の中に入っていた
リュウ
ミユ?
ミユ
あ
ミユ
ごめん
ミユ
本当に何もないなぁと
思って・・・
思って・・・
リュウ
行こう
ミユ
うん
俺達は、 その場をあとにした
リュウの家
俺には、 もう1つ心配な所があった
リュウ
タケル・・・
リュウ
電話しよう
リュウ
もしもし
タケル
リュウか!?
タケル
お前、大丈夫かよ!?
リュウ
え
リュウ
いや、お前の方こそ・・・
タケル
あれから俺、
警察に連絡したんだけど、
相手にされなくてさ!
警察に連絡したんだけど、
相手にされなくてさ!
タケル
やべえと思って、
お前の事を街中探し回って、
何度もお前に
連絡取ろうとしたんだけど
繋がんなくてさ・・・
お前の事を街中探し回って、
何度もお前に
連絡取ろうとしたんだけど
繋がんなくてさ・・・
リュウ
(何?
だとしたら、
あのタケルは?)
だとしたら、
あのタケルは?)
リュウ
お前、俺に
痛いよとか
LINE送ってこなかったか?
痛いよとか
LINE送ってこなかったか?
タケル
は?
タケル
何言ってんだ?
リュウ
(どういう事だ・・・?)
タケル
とにかく、
お前が無事で良かったわ!
お前が無事で良かったわ!
リュウ
リュウ
(・・・・・・この事は・・・
もう忘れるか・・・)
もう忘れるか・・・)
俺はあの廃墟で起きた出来事を 忘れようとしていた
しかし、 それよりも大事な記憶を、 リュウは忘れてしまっていた・・・