私は愛情というものを知らない
音乃ママ
今すぐ会いたいダーリン♡
音乃ママ
うん、私も楽しみにしてるね♡
音乃ママ
またね♡
音乃
お、お母さん…
両親に幼い頃から、ずっと私を見てくれることはなかった
音乃ママ
…チッ
音乃ママ
電話してたのに邪魔しないでくれる?
音乃
あ…ごめんなさい
音乃ママ
はぁ…夕方まで帰ってこないで
音乃ママ
彼氏、来るから
音乃
はい…分かりました
私の父親は、私が生まれた時に女と不倫し逃げた
お母さんはそれにイラつき、 こうやって毎日のように男を連れてくる
そのせいか、甘く気持ちの悪い匂いがぷんぷんと香る
私はこの家にいるのが次第に辛くなった
音乃
…
足元に映る影が時間につれてだんだん薄くなっていく
音乃
( 完璧になれてたら…お母さんは褒めてくれたのかな
音乃
( 私が情けなかったら…
私も影と一緒なんだと悟った
必要とされなくなった時には消えて
一生感情のないマリオネットになると思い巡らす
舌を噛み締め、涙を堪えようとした
でも最初の1粒がどんどん流れていく
音乃
(ごめんなさい…ごめんなさいッ
ブランコの擦れた音しか響かないこの場所で今日
?
だいじょーぶ?
音乃
え…?
ラピスラズリの瞳をした君と出会った
音乃
あ…ごめんね
?
泣かないで💦
君の温かいその手で私の頭を撫でる
音乃
…
まるで完璧じゃなくてもいいて事を教えてくれる
そんな事を考えてしまう私がいた
音乃
ごめんね…こんな事に巻き込んで
?
?ぜーんぜん
?
てか、ごめんって言わないで!
音乃
あ…ごめ
?
…ムッ
ムスッとした顔をしてこっちを見つめる
音乃
ありがと…
?
うん
潔 伊世
帰るわよ、よっちゃん
入口に荷物を沢山抱えたお母さんらしきした人がいた
?
はーい
音乃
よっちゃん…
音乃
私、のの!
?
それじゃあ、のっちゃん
音乃
!!
?
それじゃあまたね、のっちゃん!
音乃
( …のっちゃん
あだ名がはじめてつけてくれた君に私は
音乃
(…明日もここに来てみようかな
私がはじめて明日も出会いたいと思った







