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泣きました
初見コメ.フォロー失礼致します。 作品にしっかりと思いが込められていてしっかり泣いてしまいました… 語彙力、思考力、思い、全て読んでいる私達側にまで感じさせて来てしまう…そんなことできる人そうそういないのでは、と思いました💭人生の考え方も変わったし、brkrがすごく尊いのも思いが深まりました…💭何度も読み返させて頂きます🤭長文.初コメ失礼致しました💭
よし、今日もハートをぴったりにしたぞ!というとこで、もう最初からクソリプ組好きにはたまらなく苦しかった、読む手は止まらなかったけどw Nakamuとのちょっとしたやり取りが何だか少し笑えてとても楽しめましたありがとうございます。花言葉だったりは、私はあまり自分の小説に入れたりしてなかったので、この作品を読んで、「あ、良きだわ」ってなったので機会があったら参考にさせていただきます!ぶるきりさいこー!
読了前のコメント欄の閲覧はお控えください
まじで1作目の比にならないくらいバカ長いので時間がある時にゆっくり読んでいただけると幸いです
お話展開を楽しんでいただきたいがためにちゃんとした注意喚起はできません
bl ハピエン 甘々 ⚠️流血表現⚠️ 超超超急展開 感情表現多 情景表現多 友情愛表現 若干いじめ.....? 若干病み....? 要素あり
1作目よりも遥かにお話のインパクトは落ちています。1作目のクオリティを超えることはこのお話ではないと思っていただきたいです......
上記のことが理解できた方々
いってらっしゃい
一時の甘いそれは
猛毒と化して ____を蝕んでいく
見えない
何も見えない
でも
もうどうでもいいや
そんなこと
もう
何も見たくない
朝日を浴びて目が覚めた
ズキッ
俺はいつもの頭痛を無視するようにすぐに体を起こした
ガチャ
broooock
broooock
きりやん
broooock
リビングへ行けば珍しく早く俺より起きてきていた彼に嘲笑われる
毎朝俺が朝ごはんを作り2人で食べて別々の仕事へと出かけている
きりやん
きりやん
broooock
broooock
彼はソファから腰を上げこちらを見て微笑んだ
これが俺と彼のいつもの距離
きりやん
今日はパンと目玉焼き
未開封のパンを開けてトースターに突っ込みながら冷蔵庫から卵を出す
broooock
broooock
きりやん
broooock
きりやん
俺の顔を見てそういう彼に俺は正論をぶち通す
broooock
パカッ
ジュー.....
彼はフライパンに卵を落として綺麗に火を通していく
俺は綺麗に焼けた目玉焼きを小さい皿に写し塩コショウをかけた
ちょうどパンも綺麗に焼けたのでそれをぶるーくがお皿に移して
2人でリビングテーブルへと持っていった
カチャ......
静かにテーブルにお皿を置いて彼に言う
きりやん
きりやん
broooock
broooock
彼は椅子に座ってすぐパンを口に入れる
サク.....サク.....
静かな部屋にパンを頬張る二つの音がなる
broooock
きりやん
すぐに食べ終えた彼は席を立ち自室へと向かった
彼を見送るために玄関まで着いて行った
broooock
きりやん
きりやん
broooock
broooock
broooock
出かける寸前彼は俺にそう聞いた
きりやん
broooock
彼は当たり前のように俺の頭を撫でてそう言った
きりやん
きりやん
少し彼に甘えてみれば
broooock
broooock
彼は暖かい体で慣れた手つきで俺を優しく包んでくれた
broooock
broooock
きりやん
俺は彼の温かみを覚えた体で彼を笑顔で見送った
彼を見送り自室に戻った
少し隙間の空いていた窓のシャッターを静かに開けて朝日をもろに浴びる
少し深呼吸をして震えた手で会社へと行く準備を始めた
彼が家を出てから20分経っただろうか
俺はリビングの電気を消し
きりやん
そう呟いて玄関を出た
俺は仕事場に電車で向かう
いつも通りぎゅうぎゅう詰めにされて電車に揺られる
どうにかできないものかと毎日思うがそのまま揺られていくのだから考える必要もない
ふと外を見れば、いつも見る盛大に黄色を魅せつけてくるキングサリ
会社について席につけば
早々やってくるこいつは俺の同僚
そう言われながら山のような資料を机に置かれる
まぁ彼の言葉に否定など入れられる訳でもなくて
きりやん
きりやん
そう言って彼を追い払った
自分のパソコンを鞄から取り出して電源をつけたときだった
少し陽気で天然みのある後輩が近寄ってきた
手に持つパソコンにはエラーコードが示されていた
きりやん
きりやん
心の中でため息をつきながら俺は起動した自分のパソコンでファイルを開いた
気づけば空は暗くなっていて
定時が過ぎていた
人も減っていて朝の同僚と後輩は共に荷物ごと見えなかった
もう瞼が重くてろくな作業ができない
きりやん
俺はため息をつきながらスマホを手に取る
某連絡アプリを開き彼を選択した
きりやん
そう送った次の瞬間既読がついて返事が返ってくる
broooock
broooock
きりやん
きりやん
broooock
broooock
俺はスマホを閉じて机の上に置いた
また会社を見回せば残っていた上司2人が談笑しながら身支度を整え始めていた
きりやん
俺はパソコンに向き合いまた作業を続けようとした
上司2人がこちらに近づいてきていてパソコンを覗き込まれる
きりやん
きりやん
ガンッ!
彼らは愉快そうに俺を見て笑いながら俺の座る椅子を蹴った
そう言い捨てながら手にしていた小さくなったタバコを俺の手に押し付けた
あぁ
くそが
見える位置にやらないでくれよ
そんなことを考えながらも俺は上司へと告げた
きりやん
そう言い捨てた上司の目は汚い色だった
結局会社の外へと出たのは21時過ぎ
電灯に照らされた道をたくさんの資料とパソコンの入ったバックを持って歩いていく
朝とは打って変わって人の少ない夜の電車
乗っている人は俺と同じようなスーツ姿の人
しかしその人たちは俺と違ってとてもやつれていた
ガチャッ.....
夜遅くなってしまったからと思い静かにドアを開ける
broooock
しかし、部屋の中には彼がいて
すぐにドアで立ちすくむ俺のところに寄ってきた
broooock
broooock
broooock
彼は俺の頭を撫でながらそう言った
きりやん
きりやん
broooock
broooock
彼はらしくないほど冷たい表情で俺を見た
きりやん
broooock
彼は俺のスーツに手をかけた
きりやん
きりやん
彼の手を軽くあしらいそういえば
broooock
きりやん
彼は俺のスーツを剥ぎ取り玄関にあるハンガーにかけた
broooock
broooock
彼はそんな変なことを言って俺の腕をしっかりと掴んだ
きりやん
きりやん
broooock
broooock
broooock
彼は感情を曝け出して顔を歪める
きりやん
きりやん
きりやん
broooock
ほら、もう反論できない
そんなことを考えながら彼の手を振り払った
きりやん
きりやん
broooock
broooock
眉を下げながらそういう彼を置いとくわけにはいかない
きりやん
きりやん
broooock
broooock
彼は打って変わって表情を明るくさせ、今にでもスキップしだすんじゃないかというくらいのノリでキッチンへと向かっていった
カチッ
部屋の電気をつけてスーツをハンガーへとかける
きりやん
今日やられてしまった左手の跡をどうにか見えないようにするため
オーバーサイズのパーカーを身につけた
きりやん
緩めのパーカーの袖を握りしめながら部屋を出た
ガチャッ
broooock
broooock
broooock
そう
俺の着ているパーカーは少し前に彼にもらったお揃いの黄色のパーカー
broooock
broooock
きりやん
broooock
broooock
きりやん
broooock
きりやん
broooock
broooock
そう言われて俺の前に置かれた皿には大盛りのカレーが盛り付けられていた
正直夜にこんな大量のカレーが食べれる気がしなくて
でも彼を責める気もないから笑顔でいただきますって言った
broooock
そういう彼もたくさんのカレーを食べて、俺にまた色々聞いてくる
broooock
broooock
きりやん
broooock
きりやん
きりやん
broooock
夜中なのに少し大きすぎた声を出してしまい思わず口を覆う
broooock
broooock
そう言った彼は俺の手を取り淡く握った
broooock
broooock
きりやん
broooock
broooock
broooock
そう言った彼は俺の手元に置いてあったスマホを手に取った
きりやん
きりやん
彼の方に手を伸ばすも身長差は以前として埋まらないもので
broooock
broooock
悪い笑みを浮かべてこれでもかとばかりに腕を伸ばす彼
きりやん
broooock
broooock
彼はふんわりとしたいつもの声でそう笑った
スマホを取り返すために伸ばした手はパーカーから出てしまっていた
ご飯を食べ終え俺は自室に戻り眼鏡を外した
冷たいベットに身を投げる
彼とお揃いのパーカーの袖を握りしめて蹲っていると
ガチャッ
broooock
包帯と消毒液を持った彼が部屋へと入ってきた
broooock
broooock
きりやん
きりやん
体を起こしながら彼を見れば少し渋ったように口を開いた
broooock
broooock
いつバレた.....
バレてるならもう隠す必要もないから手を差し出す
broooock
そう言って俺の手を掴んだ彼の手はものすごく暖かくて思わず言葉がでる
きりやん
broooock
彼は笑いながらそーっと傷口を消毒して薄く包帯を巻いてくれた
やっぱり消毒液がしみたからか微かに涙目になってしまう
broooock
broooock
そう言った彼は俺の目元を優しく拭った
きりやん
broooock
欠伸をしながらそのまま横になる彼
きりやん
彼が離れて再度感じた肌寒さを埋めるために彼に近づくように横になった
きりやん
broooock
broooock
きりやん
俺は彼のパーカーの裾を掴んで目を閉じた
broooock
彼は当たり前のように俺の体を抱きしめ寝息を立て始めた
目を開けて目の前にいるのは僕の彼女
きりやん
青白い顔をして僕に擦り寄る形で寝ている彼は静かに寝息を立てていた
彼の手を取れば昨日巻いた包帯が取れかかっていて治さなきゃななんて思いながら体を起こす
broooock
寝ている彼の隣に座ったまま背伸びをすれば
きりやん
寝ていた彼が目を開ける
broooock
broooock
きつそうに体を起こす彼の背中に腕を回して支えてあげれば彼は言った
きりやん
きりやん
broooock
broooock
きりやん
きりやん
きりやん
そう言って彼は乱暴に包帯を取った
broooock
ビクッ
きりやん
その乱暴さに思わず声を上げれば彼の体が震えた
broooock
broooock
きりやん
broooock
僕はまだ残っていた包帯を丁寧に取って彼の頭を撫でた
きりやん
broooock
俯く彼の頰に手を添えてこちらを向かせれば
きりやん
ぼんやりとした彼がこちらを見る
broooock
そう言って彼の頭を撫で続けても彼はただ僕を見つめるだけ
broooock
broooock
broooock
きりやん
きりやん
broooock
きりやん
broooock
broooock
僕は彼の体を支えたまま眼鏡を手渡した
きりやん
きりやん
彼はまだ眠たそうな声でお礼を言いながら眼鏡をかけ、ふらふらと立ち上がった
broooock
ねぇ
大丈夫じゃないでしょ?
僕のこと頼ってくれたっていいじゃん
僕は彼から取った包帯をゴミ箱に投げ入れて部屋を出る彼の背中を追った
きりやん
broooock
broooock
彼が洗面台の方からそう言ってくる
きりやん
そう洗面台に向かって声を上げれば気怠げなゆるい彼の声が返ってきた
broooock
きりやん
きりやん
broooock
目の前のベンチに座る彼は苦笑いをしながらゆっくりと目線を逸らしていく
きりやん
俺は彼の隣に腰を下ろしながらため息をついた
broooock
彼は俺の肩に顎を置いてこちらをみてくる
きりやん
broooock
broooock
そう言われて頭に思い浮かぶのはまぁまぁ大きいあのショッピングモール
きりやん
行き慣れてしまった近くのショッピングモール
そこで特別にできることなど数多くないだろう
broooock
broooock
きりやん
きりやん
broooock
broooock
彼は少し気だるそうに腰を上げ俺を引っ張り立たせた
こんなくだらないことしているくらいなら絶対会社で仕事の方が役に立てるのにな
きりやん
broooock
broooock
broooock
彼は腰を屈めて俺と目線を合わせてそう言った
きりやん
なんでこうにも彼には全てがバレているんだろ
broooock
broooock
broooock
ショッピングモールについて早々俺は彼に手を引かれていつもの雑貨屋へと入っていった
broooock
結局雑貨屋さんでボールペンのみを買った彼は俺の手をしっかりつなぎながらそう言った
きりやん
broooock
broooock
きりやん
broooock
broooock
そんな言い合いをしている俺たちの前を
数人の高校生や若い異性のカップルらしき人が通り過ぎていく
きりやん
きりやん
きりやん
broooock
broooock
きりやん
きりやん
きりやん
broooock
broooock
きりやん
broooock
broooock
きりやん
そうやって同時に服を渡し合って確認する
broooock
きりやん
お互いにそう言って
broooock
彼はそう悩む
きりやん
broooock
そんな会話を交わしていればとっくに30分も時間が経っている
お昼の時間なんて忘れて歩き回っていた俺たちは
おやつの時間にさしかかり始めた2時過ぎに行き慣れたパンケーキのあるお店に入った
broooock
broooock
きりやん
きりやん
broooock
broooock
broooock
俺らは結局おんなじパンケーキを頼んで1時間ほどゆっくり話しながらそれを食べた
きりやん
broooock
コートを脱ぎながら玄関を上がった俺らはリビングへと着行する
broooock
broooock
きりやん
broooock
きりやん
broooock
きりやん
broooock
きりやん
broooock
きりやん
broooock
broooock
きりやん
broooock
きりやん
broooock
きりやん
broooock
きりやん
broooock
きりやん
broooock
broooock
彼は少し微笑みながらお風呂の方へ歩いて行った
ガチャ
broooock
broooock
俺のベットにゆったりと体を預けながらこちらを向く彼の瞼はとても重そうだった
きりやん
broooock
きりやん
broooock
眠いからか、いつもよりも甘くふわふわとした声で呼ばれて
きりやん
俺は彼の隣に静かに横になる
broooock
当たり前のように彼は俺の体を包み込んで布団を被せて
そう言って眠りについた
毎日がこんな気を許せるような日々ならいいのにな
毎日が
こんなに楽しかったらいいのに
何であんなに辛いのだろう
朝、目が覚めて気持ちよく寝ている彼をおいてリビングに入る
カーテンを開けて窓を少し開けて風を入れた
今日は......
時計を見ればまだ時間に余裕があって
ホットケーキ......
高い棚の中に入れていたホットケーキミックスを手に取りボールの隣に置く
きりやん
卵まだあったっけ.....
冷蔵庫を見れば何個か卵が入っていて少し安心しながら牛乳も一緒に冷蔵庫から出す
カシャカシャ.....
卵と牛乳をちゃんと混ぜ合わせてホットケーキミックスを入れる
フライパンを取り出して温めて、お玉に乗せた生地をそっと入れた
ジュー.....
broooock
きりやん
焼けていく音を聞いていれば突如甘い声が耳元で聞こえる
broooock
broooock
きりやん
broooock
broooock
きりやん
昨日は逃れた満員電車
満員電車はいつもよりも人が多くて窮屈に感じた
会社について自分の席につけば早々同僚が近づいてくる
不服そうな表情を浮かべた同僚は山のような資料を俺の机の上に乱暴に置いた
そう指さされた方向を見れば大量の書類がのった机
俺の耳元でそう吐き捨てた彼は会社から出ていってしまった
気づけば空は真っ暗
彼に連絡をする気にも慣れなくて
俺は大量の書類とパソコンをカバンに突っ込んだ
近づいてきたのは上司
きりやん
ギリッ
腕を思いっきり掴まれた俺は耐えきれずにその手を振り払った
きりやん
きりやん
恐怖で滲んだ目を隠すようにして俺は会社を出ていった
なんで?
なんで?
なんであんなに心地よい時間が存在するのに俺はこんなに苦しまないといけないの?
なんで?
とある日
彼の感情が持ってかれてしまったかのようなその疲れ具合に
僕は心配しか出てこなかった
僕が家を出て行く時、微かに眉を下げて下を向くその姿を見るのが辛かった
静かにいなくなってしまうのではないかと感じてしまうくらいにやつれた彼の姿を抱きしめずにはいられなかった
broooock
そう彼の名前を呼んで一回り小さい彼の体を抱きしめれば
きりやん
彼は僕の背中に手を回して腕の中で身じろぎした
きりやん
broooock
なんでもないと答えるのはダメな気がして彼を抱きしめる腕に力を入れた
きりやん
broooock
きりやん
きりやん
そう体を揺らして笑う彼の眉尻はまだ下がりきったまま
broooock
broooock
僕は僕自身にに言い聞かせるかのようにそう言葉を発した
きりやん
きりやん
なんで
なんでその普通じゃない"いってきます"に彼は疑問を抱かなかったのだろう
いつも忙しなく外へ出て行く背中に俺の腕で触れていた
きっと
きっとぶるーくはわかっているんだ
だからこんなことをするんだ
broooock
broooock
そう眉を下げていう彼の顔を見て俺は普通に頷いた
きりやん
ガチャン
静かにしまったドアを見つめて俺は立ち尽くしていた
あーぁ
きりやん
彼の前では、と我慢していた涙は俺の頰を伝って玄関の床を濡らしていく
暖かいあの体が離れた瞬間
目尻が熱くなり喉が焼けるように震えた
きりやん
止まらない涙を必死に擦りながら俺はリビングへと入っていった
覚悟を決めるなんて簡単だったじゃないか
流れる涙をティッシュで拭ってそう考える
俺はさいごまでしっかりやれたはずだ
優しすぎる彼と一緒にいて釣り合える存在にはならなかったけど
でも
辛い日々をやりきれた
もういいよね
自分の部屋に入って真っ直ぐと見据えるそれはベットの下の小さい引き出し
その中には貰った鍵が入っている
俺は鍵と財布と薄めの文庫本をショルダーバックに入れる
きりやん
いつも通る会社へ行くための道
ただ今日は目的が違う
いつもと違う人気の少ない電車
ちらほらいるのは老人か大学生らしき人だった
俺は持ってきた薄い文庫本を開いて読み始めた
来たこともない簡素な駅を出ればそこは涼しげな木の下だった
頭に少しだけ入ってるマップと標識を頼りに俺は歩いていく
木々から抜け出せば目の前にあるのは大きい廃墟と化した病院
俺が手に持つ鍵はここの屋上の鍵だ
屋上にでて広がるその景色は明るい青色
きりやん
死場所にしてはできすぎてるなぁ〜
森から吹いてくる風に身を任せて目を閉じる
きりやん
きりやん
そう呟いて再び目を開く
少し視界が悪くなっただろうか
馴染むようなその視界から思考を振り捨てて眼鏡を外し足元に置く
きりやん
きりやん
きっと彼に会うためだったんだろうな
そう自問自答しながら俺は錆びた柵のあちら側へと移った
少しだけかもしれないけど彼の役には立てたはず
ここで静かにきえるだけだから許してよ
broooock
まるで海に潜るみたいに息を止めた
ふんわりとした風が俺の涙を洗い流してくれる
優しいなぁ
全てがこれくらい優しかったら俺は違うことをしていたのかな
そっと手から力を抜いた
ビュウッ‼︎
すぐに耳元で風の切る音がして
下に見える自分の影が大きくなっていく
風以外の音は聞こえない
1人で静かに消える
これが俺の最期だよ
broooock
broooock
broooock
broooock
broooock
broooock
ガチャン
は〜
頭ちぎれるかと思った
英会話も慣れてきたはずなのに〜
そんなことを考えながら閉じたドアを見て1人椅子に寄りかかる
そういえば早く帰んなきゃ
やんさん
そう思って椅子から勢いよく立ち上がった時だった
ガチャン‼︎
きんとき
きんとき
broooock
broooock
broooock
broooock
きんとき
彼は手に持つ僕のスマホの画面をこちらにみせつけていった
broooock
きんとき
きんとき
そう言って彼は手に持った僕の電話を差し出してくる
broooock
きんとき
きんとき
きんとき
broooock
そう言われてスマホに耳を当てれば彼は少し安心したかのように、それでも厳しい顔をしたまま部屋から出て行った
broooock
broooock
すごい勢いで声が飛んできて怪しい返事をすればすぐに相手は話し始めた
broooock
やんさんが?
意識不明?
broooock
自分でも笑っちゃうくらいに声が震えた
終始焦っているようなその病院の人はすぐに電話を切った
やんさんが?
なんで?
そんな疑問を全て背負うようにして僕は部屋を飛び出した
なんで?
なんで?
言ったじゃん
また夜にって
ねぇそうでしょ?
きりやん
病院について早々僕はナースさんの元へと行っていた
broooock
broooock
broooock
broooock
心優しい案内をしてくれたナースさんは淡く笑いやんさんの病室のドアを開けた
微かに窓が空いている爽やかな風が吹く病室
broooock
目の前のベットで眠る人は動く様子もない
broooock
これはやんさんじゃないよ
こんなに隈はなかったし
頰もこけてなかったんだ
寝ている時にこんなに苦しそうな表情をする子じゃないんだ
こんなに失望したかのような雰囲気を纏っていた子じゃないんだ
頭によぎるのは先ほど聞いた
やんさんがしたであろうこと
僕はいつ間違えたかなぁ
『自殺未遂』
コンコン
broooock
ベットに伏せていた顔を上げて立ち上がると同時にドアが開く
broooock
本当はこのままここにいたかったが病院の人に迷惑がかかると思い僕はすぐに帰ることにした
broooock
broooock
僕はやんさんの手をかけられている布団の上から撫でるように触った
きりやん
電気もつけないでいるこの病室では彼の顔は見えなかった
なんで
なんで?
なんで!?
なんで死ねていないんだ!?
いやだっ
いやだ
いやだ
いやだ
いやだ
いやだ‼︎
こんなの
彼を苦しめるだけじゃんか
また苦しくなるだけじゃんか
目を開けたら
視界に入ったのは白
体中が痛くて痛くて
今の状況に理解が追いつかなかった
きりやん
意味がわからなかった
体中が痛くて
また無意味な思考を繰り返している
一生感じないだろうと思っていた
風の冷たさ
布団の温かみ
あぁあ
何してんの
俺は体を起こす気になんて一つもならずただただ目を閉じた
コンコン
どれぐらい経っただろう
ノックする音が聞こえてついですぐにドアの開く音が聞こえた
目を開ける気にはならないからそのまま布団に潜って目を閉じていた
カタン
すぐ近くで物音が聞こえた
あぁ
やめて
なんでわかっちゃうの
broooock
broooock
彼は特有の甘い声でそっと言った
は?
こいつやっぱ変
絶対ナースさん呼ぶように指示されてるでしょ
broooock
話さなくなった彼
彼は俺の横になっているベットに両腕を置いて頭を伏せていた
broooock
きりやん
突然聞こえた彼の嗚咽に俺は動揺が抑えられなかった
やっぱり俺は彼を苦しめてしまうんだ
broooock
broooock
きりやん
broooock
broooock
ごめん
きりやん
別に君を苦しめたかった訳じゃないのに
きりやん
俺だってこんなに苦しみたくて生まれてきた訳じゃないのに
きりやん
broooock
気づけば膜を張った視界の奥に彼の顔があった
broooock
broooock
コンコン
nakamu
broooock
nakamu
部屋に入ってきて早々明るい笑顔を覗かせた彼は気まずそうにそう言った
きりやんをまかされた
彼の友人だってことを病院に伝えたら
怪我の要因がアレだったこともあってすぐに担当医として立場を変えてくれた
そしてきりやんの様子を見るために病室に入ればこの通り
broooock
彼にかけられた布団を強く握りしめ惚けた顔でこちらを見るぶるーく
当の本人は包帯をぐるぐる巻かれた左腕を目の上に置いて少しも動かない
nakamu
nakamu
こいつらの色沙汰は知らないが
こいつらの大親友だから
救いたくなってしまうのはしょうがないことだろう?
目を濡らした彼は顔を申し訳程度に隠しながら部屋を出ていった
nakamu
nakamu
nakamu
nakamu
きりやん
nakamu
nakamu
nakamu
nakamu
友達である彼はそうよそよそしく言った
nakamu
nakamu
きりやん
nakamu
そう言われてがしがしと顔をタオルで拭かれて
視界が開けた時に淡く見えたのは白衣を着た顔色の悪いなかむ
そりゃぁそうか
自殺しかけた友達を面倒見るとか
嫌だよなぁ
nakamu
nakamu
nakamu
きりやん
そんなこと俺には必要ないし
nakamu
nakamu
nakamu
nakamu
nakamu
nakamu
nakamu
きりやん
nakamu
nakamu
きりやん
意味がわかんない
こいつ変わってるな
nakamu
nakamu
きりやん
一通り説明が終わったようで
彼は俺の友人としての雰囲気を漂わせながらベットの横に腰掛けた
nakamu
nakamu
nakamu
その言葉に俺は返事を返さなかった
毎日
毎日
ぶるーくが見舞いにきて
なかむが診察に来る
たまぁに高校時代の友達が見舞いに来る
病室はいつも肌寒くて
いつも静か
いつも少しだけ痛みを感じる左腕をを布団の中に押し込んで
窓の外を見る
今日の空は
今にも雨の降りそうな 重い灰色
俺は
微かに震えるその左手で
布団の中にあるハサミをもつ
もう
見えない
何も見えない
幸せな未来など何も見えない
彼らは笑わなくなった
いつもの甘さを含んだ笑みを見せる彼の目の下には濃い隈があった
いつも俺を診察する彼の顔色はずっと悪いままだった
見舞いに来てくれた友達も
みんな顔色が悪くて笑顔がぎこちない
理由は聞かれなかった
自殺の理由は 聞かれなかった
気にしていないわけがないはずなのに
彼らは聞かない
聞きたくないんだろう
そりゃあ友達の自殺理由など
微塵も耳に入れたくないだろうな
別にこのままベットの上で過ごす生活でも何も困らないだろう
でも
でも
俺はもう飽きてしまったんだ
自殺未遂をしても
しなくても
続くのは
朝早くに起きて
一日中仕事をする
空を眺めて
なかむが診察して
誰かが見舞いにきて話を聞く
変わらない日々
俺がそんな日々を
毎日過ごす意味などないに等しい
もうどうでもいい
もう
何も見たくない
何も見たくないんだ
カン.......カン........
きりやん
俺は重い体を動かして階段を登っていく
途中で見つけた立ち入り禁止の立て札を潜り抜けて
足を持ち上げ階段を上がっていく
ガチャン‼︎
きりやん
階段を上がって出たそこは
いつだか見たような高い高い空
しかし思った通り
前のあそことは違い柵が高く高く聳えている
眼鏡をかけていないせいで淡く見える視界はさっきとは違うオレンジ色
きりやん
淡く淡く見えるオレンジを遮るのは太い柵
こんな壁越える気にもならないよ
俺は患者服の中からハサミを取り出した
これくらい大きいハサミなら.....
いけるだろう
俺の手に持つそのハサミの刃は大きい
何せ病院のハサミだし
にくを切るなど余裕だろう
もう少しだけこの淡いオレンジを見ていたくて
柵に寄りかかるように腰を下ろして空を見上げた
あの日から
全ての景色が霞んで見えた
大好きな彼は
いつもの眼鏡をかけていないせいで
淡い視線と合うことはない
怖かった
すぐに消えてしまいそうな彼の姿を見るのが
怖くて
怖くて
結局いつも彼の姿を見ていた
きんとき
シャークん
スマイル
broooock
憔悴しきった友達の家へ押しかけた俺たちは唖然する他なかった
長い間閉めらたままであろうカーテンのせいで暗い部屋
机に置かれるカップ麺やペットボトル
自炊もできるこいつがここまで.....
目の前に立つのは俺より遥かに背の高いぶるーく
broooock
broooock
隈を濃くつけた顔で眉を顰めたぶるーくは淡い笑みを浮かべた
きんとき
きんとき
シャークん
シャークん
broooock
broooock
broooock
きんとき
スマイル
broooock
シャークん
シャークん
シャークん
きんとき
きんとき
きんとき
シャークんに笑みを向けられた俺はぶるーくの腕をがっしりと掴んだ
きんとき
きんとき
ぶるーくをソファに座らせればいきなり深くフードを被った
きんとき
broooock
でかいやつがわかりやすく落ち込むとなんか見た目がなぁ
ソファの上で丸まっている彼はまるで猫のようだった
きんとき
俺はコップを手に取り半分くらいまで水を汲んで彼のところへと行った
きんとき
彼のフードをそっと取れば彼の顔がこちらを向く
きんとき
broooock
broooock
隈を濃くつけた目から涙を流しそう訴える彼は見るからに限界を超えていた
きんとき
broooock
きんとき
正直言ってきりやんは精神的に壊れていた
そして支えてあげなければいけない存在であるはずのぶるーくも壊れかけている
俺は.....
きんとき
broooock
俺が思考を止めて彼の名前を強く呼べば彼は大胆にこちらを振り向いた
きんとき
broooock
きんとき
俺が笑いを堪え切れず笑いを漏らせば彼も微かに微笑んだ
きんとき
きんとき
きんとき
彼を支えるために頭を悩ませているだけで正しいはずなのに
きんとき
きんとき
きんとき
あいつだってきっとぶるーくを思いすぎて壊れたんだ
きんとき
きんとき
broooock
broooock
きんとき
きんとき
きんとき
弱った彼を思い浮かべたのか彼はまた目を湿らせ始めた
きんとき
きんとき
きんとき
彼に水を手渡せば何故か勢いよくそれを飲み干した
きんとき
きんとき
彼の顔を覗き込めば
broooock
broooock
きんとき
broooock
そう言い彼はソファから勢いよく立ち上がった
きんとき
今のどこで何が刺さったんだよ.....
人変わってね?
きんとき
きんとき
きんとき
半ば呆れながらにそういえば謎に目を輝かせた彼は俺の肩を叩きながら玄関へと走り去って行った
broooock
broooock
きんとき
きんとき
シャークん
シャークん
シャークん
きんとき
きんとき
スマイル
きんとき
きんとき
きんとき
シャークん
きんとき
スマイル
きんとき
シャークん
きんとき
スマイル
目を開けたら先程と同じようなオレンジの空
どこか遠いところで車の走る音が時折聞こえる
少し冷たい風が吹いた時手に何かが触れた
ぼやけた視界の中で手の方を見れば
雑草であろう緑の中に見える白いなにか
何かの花かなぁ
そんなくだらないことを考えながら冷たい風を感じていた
ガチャッ‼︎
きりやん
いきなりドアの開く音がして正面を見据えれば全く動かない人影が見える
やめて
また、じゃまするの?
また、くるしむの?
おれは
そんなのぜったいやだ
俺は手元に置いてあった刃の大きいハサミを掴んだ
病室にやんさんがいなくて
すぐここにいるだろうと思った
屋上の重い扉を開ければ案の定いたのはやんさん
彼の背中側には高い高い柵とオレンジに染まる空
彼を囲むようにある白い花は妙に綺麗なたくさんのスズラン
逆光のせいで彼の表情は見えなかった
ゆっくりとこちらを見たであろう彼は少し体を揺らした後、太陽光に反射する何かを手に取った
broooock
あれ、はさみだ.....
やんさんは....
broooock
そう繰り返し彼の名前を呼べばゆらりと体を不安定に揺らしながら彼が立つ
きりやん
彼の方に足を踏み出した時そう言われた
broooock
きりやん
彼は俯きながらそう言った
彼を脅しても
一歩ずつこちらに近づいてくる
きりやん
broooock
大好きな彼の目は何故か昨日までとうって変わって明るかった
きりやん
何で近づいてくるの
broooock
きられたくないでしょ?
broooock
彼はどんどん近づいてくる
やめて
やめて
もう苦しみたくないんだよ
ふと俺はガタガタと震える手でハサミの刃を自分に向けた
broooock
そしたら彼はあからさまに動揺して動きを止めたんだ
きりやん
これで止まるんだ
きりやん
broooock
broooock
broooock
彼はいきなり表情を固くして俺を見た
なんだ
これでいいのか
きりやん
きりやん
俺はいつの間にか震えがおさまった手を大きく振り上げて
broooock
グチャッ
自分の腕を深く刺した
broooock
きりやん
きりやん
broooock
腕に血がつたる感覚がするが痛みは不思議なほどに全く感じない
きりやん
broooock
きりやん
broooock
broooock
きりやん
なんで?
なんでそんなこと言うの
broooock
broooock
broooock
broooock
何言ってるの?
縋ってなんかいない
broooock
broooock
やめて
もう
もう
苦しみたくない
ズキン
きりやん
ズキン‼︎
いきなり腕の傷が大きく痛む
broooock
broooock
broooock
彼はそう言って微笑んだ
きりやん
ズキン‼︎
痛みに耐え切れず思わず腕を見れば視界一面が赤くなる
あ、
すぐにぶるーくのいた方を向くが
broooock
きりやん
とっくに近づかれて手からハサミを奪われていた
ギュウッ......
broooock
きりやん
もう目の前は彼の服
きりやん
broooock
broooock
broooock
broooock
broooock
broooock
きりやん
broooock
broooock
broooock
ガチャ!
broooock
broooock
broooock
broooock
broooock
broooock
broooock
broooock
きりやん
きりやん
暖かい彼の体に包まれながら俺は必死に言葉を発する
broooock
broooock
broooock
さっきとは打って変わっていつものような煽るような口調で言う彼
きりやん
彼は俺の頭を優しく撫でてこっちを見ている
きりやん
きりやん
きりやん
きりやん
ぼろぼろと大粒の涙を溢れさせながらそう言えば俺を抱きしめる彼の腕に力が入る
broooock
broooock
broooock
broooock
broooock
broooock
broooock
broooock
これまでにないほどの笑顔を見せて彼は淡い視界の中で明るく見えた
きりやん
broooock
時折聞こえていた誰かの声がいきなり近くで聞こえた
そう言ってオレンジの空が見えたかと思えば痛む腕を掴まれる感覚がする
broooock
broooock
nakamu
nakamu
nakamu
きりやん
broooock
broooock
きんとき
スマイル
シャークん
きりやん
broooock
nakamu
nakamu
ガチャッ
ぶるーくに眼鏡を渡されてゆっくりと体を起こしそれをかける
broooock
きりやん
broooock
broooock
きりやん
broooock
でも、
この時間が続くなら辛くない
そう思った
このまま甘い時間が続くなら
broooock
broooock
きりやん
broooock
broooock
broooock
きりやん
broooock
彼は思いっきり立ち上がってベットから離れてコンセントを探し始めた
きりやん
broooock
名前を呼べばすぐにこちらを向く彼
きりやん
きりやん
きりやん
broooock
broooock
彼は俺の頬を包んでにこりと笑った
broooock
broooock
broooock
きりやん
broooock
きりやん
broooock
broooock
彼の手で目を覆われて首の後ろを押さえられる
きりやん
チュ.....
broooock
きりやん
broooock
broooock
きりやん
きりやん
broooock
broooock
きりやん
眼鏡を脇にあるテーブルに置いて横になる
broooock
きりやん
きりやん
broooock
broooock
きりやん
broooock
broooock
きりやん
broooock
ふと、窓の外を見れば綺麗に散っていくキングサリがたくさん見えた
なんでだろ
明日も今日みたいに暖かい気がするよ
ミッぼん
ミッぼん
ミッぼん
ミッぼん
ミッぼん
ミッぼん
ミッぼん
ミッぼん
ミッぼん
ミッぼん
ミッぼん
ミッぼん
ミッぼん
ミッぼん
ミッぼん
ミッぼん
ミッぼん
ミッぼん
ミッぼん
ミッぼん
ミッぼん
ミッぼん
ミッぼん
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