昨日、目の前で好きな人を失った。
あいつが車にひかれるのを、阻止出来なかった。
助けに行ったのに、
間に合わなかった。
哉太
なんで俺、足が動かなかったの?
哉太
なんで俺、あいつを守れなかったの?
哉太
なんで、なんで、なんで、なんで?
哉太
なんでなんだよ。
哉太
なんであいつなんだよ。
頭が真っ白になっていて、今日は学校を休んだ。
ご飯を食べようとしても、喉をご飯が通らなかった。
一旦眠ろうと思っても、寝れなかった。
きっと。眠れていても、悪夢を見て、すぐ起きるだけだ。
哉太
あいつは、車にひかれて、意識を失う前、一言言った。
哉太
「まだ、まだダメだ」って
哉太
俺は、その意味が分からない。
哉太
もう、嫌だ。こんな気持ち。嫌だ。
哉太
戻ってきてくれよ。
未来
かな、た。
哉太
え!?この声は、
哉太
み、く?
哉太
どうして。なんで。
いるはずのない。あいつの声が。
聞こえる。
未来
かな、た。
哉太
まただ。
哉太
これは、なんなんだ。
哉太
俺は、おかしくなったのか。
哉太
あ、はは。あはは。
もう。俺は、壊れてしまったんだ。
もう、なおんない。
未来
哉太!
いないはずの未来の声。
次回、声の正体は?