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物語の進み方がすっごく丁寧で読みやすいです!!見習いたい、、、。イラストもぷるんとしていて可愛らしいです!
文章の書き方がとても上手で、続きが楽しみです(;;)
キツネコ
キツネコ
キツネコ
キツネコ
キツネコ
キツネコ
キツネコ
キツネコ
キツネコ
本田菊
キツネコ
フェリシアーノ・ヴァルガス
キツネコ
フェリシアーノ・ヴァルガス
本田菊
キツネコ
キツネコ
キツネコ
いつものように起きる。 天井を眺め、寂しい朝に嫌気がさした。
本田菊
目覚めてしまったことへの悲しみに思わず声が出た。ゆっくりと体を起こし伸びをする。 まだ夢見心地だ。
1度手で頬を叩き目を覚ました。 起きてから目を擦るとクマができやすいだとかをどこかで聞いたことがある。 朝食を摂るべくとにかく立ち上がる。
日差しは私の目を瞑らせるほど眩しかった。
本田菊
1日、また1日と嫌な日々を過ごす。 新しい環境になんて慣れやしなかった。朝食を作る気力なんてもっぱら無く起き上がるのでさえ手一杯だった。
両親も誰もいない、いるのは飼っている犬と猫。寂しさなんてない、この2匹がいるのだから。
正直猫はまだしも犬を1匹置いておくのも......と思ってしまうこともあるが、なるべく早く帰って来れるように最善を尽くしている。
独り言を漏らしている暇もなく、いつも通りの日々。静かで平穏な自分の時間を学校に行く時間までは体感した。
いつもの道を無言で歩き出す。 もちろん特に変わったことも無く、一周まわってなにか不思議なことがあればなんて思ってしまう程に。
何も無くていいんだ。あった方が大切な静かな時間が奪われてしまう!なんてどうでもいいことを頭で思い浮かべる。
いつもの、いつもの、いつもの その繰り返し
変わったことも何も無い、平凡な男子高校生。
感情を顕にしなくて「何を考えているのか分からない」と言われる始末。かと言い笑って見せれば「愛想笑いだってすぐ分かる」と苦笑されてきた。
話しかけられればできる限りの愛想を振りまく。 疲れていたら何も出来ない、頑張って取り繕っても顔が引きつってしまう。 こんなに分かりやすいのに、まるで愛想笑いだけしかできないような言われ方をされてしまう。
騒がしい笑い声が聞こえた。 楽しそうで、なにより羨ましかった。 あんな風になれれば「変」では無いのだろうか?
本田菊
感情を上塗りするようにそう呟いた。
本音なんて思えば思うほど虚しくなるだけだ。
本田菊
運悪く人とぶつかってしまった。 確かに何か起きたらとは思ったが、こんなこと望んではいない。
本田菊
こちらに非は一切ないが謝る。どことなく癖になってしまっているのだろう。怒りなどはなかった。
フェリシアーノ・ヴァルガス
本田菊
フェリシアーノ・ヴァルガス
本田菊
フェリシアーノ・ヴァルガス
フェリシアーノ・ヴァルガス
一言謝ると彼はすぐに元の友人らしき人達に会いに行った。
本田菊
本田菊
自分の影の薄さに悲しみを覚えた。
まだ時間に余裕はあるが念の為に急いで学校に行こうと思った。
足早にその場を去る。
本田菊
騒がしい教室の中声は誰にも届かず。誰も返事をしてくれることは無かった。
これがいつもの生活だった。慣れている。 今日こそは、なんて思わないように。
無言で席に座る。 予習をすることもないしと思い、家から持ってきた本でも読む。 周りの人達で言う陰キャだ。
本田菊
昔にそんなことでからかわれた記憶がある。 ずっと残るくらいにはショックだったのだろう。自覚していないだけで。
また相変わらずな日々だ。
静かに本を読んで、いや騒々しい中頭を空っぽにして、の方が正解なのかもしれない。
本田菊
本田菊
肩を叩かれた時にようやく自分のことだと知った。 私に話しかけるだなんて、物好きな人だなと。
本田菊
フェリシアーノ・ヴァルガス
そこにいたのはフェリシアーノ。 フェリシアーノ・ヴァルガスだ。 今朝ぶつかった相手で元気な印象しかない単なるクラスメイトだ。
フェリシアーノ・ヴァルガス
顔に出やすいのかしょんぼりと言ったところの顔をしている。
本田菊
フェリシアーノ・ヴァルガス
ほっとしたような表情。
フェリシアーノ・ヴァルガス
パッと笑顔になった
本田菊
フェリシアーノ・ヴァルガス
他愛のない話で、友達ができたらこんな風なのかなと、思ってしまった。 きっとフェリシアーノさんはこういう性格だから友人が多いのだろう。
羨ましいな
フェリシアーノ・ヴァルガス
本田菊
フェリシアーノ・ヴァルガス
本田菊
心の奥底でとどめていた言葉が不意に漏れていたそうだ。しかも聞こえてしまった。
鼓動が早くなる。 緊張と恐怖が一斉に感じ取れ空気は最悪だ。
フェリシアーノ・ヴァルガス
悪気のない純粋な笑顔
本田菊
隠す必要もないと思い深呼吸して言葉を発した。
本田菊
本田菊
愛想のある笑みをしてみせた。
すると不思議そうにフェリシアーノさんはこちらを見てきたのだ。
フェリシアーノ・ヴァルガス
手を握ってキラキラとした笑顔で言ってきた。
とても眩しかった。
そしてなにより嬉しかった。 あとは手を握られてる事への緊張くらい。
やっぱり物好きなのだなと、笑いが込み上げてきた。
本田菊
フェリシアーノ・ヴァルガス
本田菊
本田菊
今度は驚きだ。
フェリシアーノ・ヴァルガス
本田菊
胸がポカポカする。
私の初めての友達はとても優しい笑顔で、周りの人をも笑顔にする力があるような、明るい明るい元気な人です。
本田菊
フェリシアーノ・ヴァルガス
本田菊
まるでさっき友達になったとは思えない会話の仕方で、とても軽い人。
この学校は摩訶不思議で、色んな国から日本に来た方々がこの学校にいる。
例えばドイツ人、フェリシアーノはイタリア人でフランス人、イギリス人、アメリカ人、ロシア人、中国人なんかもいる。
ちなみに学校に親同士の馴染みでの知人がいる、があまり仲は良くない。年上だしあまり会うことは無いだろうが。
本当に、なんという学校だ。
それなりの偏差値ではあるし来て損することは無い。 お陰様で色んな言語を覚えることはできる。私は友人に恵まれずあまり覚えられていないですが。
本田菊
フェリシアーノ・ヴァルガス
本田菊
フェリシアーノ・ヴァルガス
フェリシアーノ・ヴァルガス
フェリシアーノ・ヴァルガス
本田菊
友達なんていた事がなくて、フェリシアーノさんに言われてたしかに他人行儀だなと納得はできた。
出来たのだが、初めてのことは気恥しい。 というより慣れてないから分からないと言えばいいのだろうか。
フェリシアーノさんみたいに呼び捨てをするのはなかなか慣れていない。
フェリシアーノ・ヴァルガス
声を出しながらじっとこちらに輝いた目を向ける。
本田菊
フェリシアーノ・ヴァルガス
本田菊
フェリシアーノ・ヴァルガス
喜ぶ様子がまるで幼子のようで愛らしかった。
くん付も仲良しの印のはず。 勇気ある行動だ。
フェリシアーノ・ヴァルガス
本田菊
本田菊
軽そうに見えて日本語も使えているし、フェリシアーノくんは案外勉強などができるのだろう。
発言が物語っている
本田菊
ただ、ずっと気になるのだ
フェリシアーノ・ヴァルガス
貴方がどうして私に話しかけたのか。 ただぶつかっただけなのに話すなんておかしいだろう。
違和感しか覚えない。 こんな親戚の葬式に出てますみたいな暗い顔、笑えば愛想笑いだとすぐわかるような男にわざわざ話しかけるだろうか?
そもそも思考的にひねくれている。 こんなひねくれ者になぜ話しかけるのだろうか。
本田菊
フェリシアーノ・ヴァルガス
フェリシアーノ・ヴァルガス
フェリシアーノ・ヴァルガス
てを額に当て、敬礼のような体制をとるフェリシアーノはご機嫌そうだった。
フェリシアーノ・ヴァルガス
他人にここまで考えられるこの子は心底優しいのだろうと思った。 そしてやっぱり羨ましかった。
本田菊
フェリシアーノ・ヴァルガス
頬を照れくさそうに指でかいた。
フェリシアーノ・ヴァルガス
そんな言葉に合わせて
本田菊
本田菊
本田菊
フェリシアーノ・ヴァルガス
ハグをしてきた。
かなりテンパる。イタリアなどではハグと耳元でのキス音が挨拶などと聞いたことがあるが慣れているはずがない。
本田菊
日本ではなかなかないことに心臓がとび出そうだった。
嗚呼、西洋の人たちには着いていけない。 改めてそう思った。
たまたま1年生の教室前を通った3年生のとある人が悲鳴をあげたという。
菊には当然聞こえていない。
なぜなら焦っているから。 キャパオーバーで既に倒れそうだ。
続く