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他のキャラたちも絡んでくるの最高です。
その時の3年生の声と言ったらどれだけ大きいことか。
我ながらびっくりするくらいの声が出た。 そして周りには引かれている。
あの1年生のことはよーく知っている。
この学校の、この世界の誰よりもと言っていいくらいには。
自称できてしまうほどの知り合いに友達らしきものが出来ている。
そんな王耀は心底びっくりしている模様。
王耀
そのまま教室に飛び込みかけたが、自分は3年生であり相手は1年生なのだと思いとどまった。
王耀
王耀
王耀
引き連れていた弟子達になんともまあ色々言われる。仕方がない、いつもの事だ。
王耀
ぐぬぬと声を出し教室に戻ることにした。
本当は驚きすぎて今すぐにでも事情を聞きたい。
でも彼に話してはいけない。 仲良くしたい、そう思ってるはずなのに、彼はずっと過去を引き摺って自分に話そうとはしない。
もう気にしてない、といえば少し嘘になるかもしれない。それでもまた2人で。
仲良くしたい。 話したい。
それでも彼の嫌がることはしたくない。
王耀
我ながら本当に寂しそうな細い声だった。
本田菊
フェリシアーノ・ヴァルガス
本田菊
抱きしめられたことによって大声を上げてしまう。 自分に注目が集まってるのもお構い無しにフェリシアーノに話しかける。
フェリシアーノ・ヴァルガス
だからどうしたと言わんばかりにクエスチョンマークを浮かべた表情。
本田菊
フェリシアーノの胸元をグッと押しハグを辞めさせようとするが緊張してか上手く力が入らず押せない。
フェリシアーノ・ヴァルガス
本田菊
混乱により変な会話が続いた。
後にHRが始まり、やっとのことで離して貰えたと思っていた。
思っていただけだった。
本田菊
フェリシアーノ・ヴァルガス
ずっと抱きしめられている。心底懐かれているのだろうが、とても恥ずかしい。
本田菊
本田菊
フェリシアーノ・ヴァルガス
本田菊
あたふたしながとにかく離してもらいたいという説明をする。
フェリシアーノ・ヴァルガス
本田菊
フェリシアーノ・ヴァルガス
本田菊
やっとのことで離してもらったが、今度はうーんと悩んだ顔をしている。
かと思えばぱっ!と何か思いついたような顔で話しかけてきた。
フェリシアーノ・ヴァルガス
正直嫌な予感しかしない。
本田菊
返事をしてしまった。
フェリシアーノ・ヴァルガス
フェリシアーノ・ヴァルガス
嫌な予感は的中しフェリシアーノはなぜだか勝手に盛りあがっている。
本田菊
本田菊
フェリシアーノ・ヴァルガス
しょんぼりとした顔で見つめられる。
本田菊
本田菊
本当に友達になったばっかりには思えない。 なんだかフェリシアーノくんにリードされている感じだ。
ああ、友達ってこんな感じなのだなと寂しがっていた本心が温かみに包まれてゆく。
本田菊
本心に気づいていたのに見て見ぬふりをして感情に蓋をしていた。今も尚そのままなのかもしれない。
でも友達っていいなと思ってしまった。 あの時私は人を傷つけたのに。 フェリシアーノくんも傷つけてしまったら。
そんなことないようにしなければいけない。
ドロドロとした黒い感情が胸で渦巻く。苦しくてモヤモヤして気持ち悪い、的確に表現は出来ないがなった者にしか分からないのだろう。
本田菊
間の空いた愛想笑いでの返事だった。 不自然に思われるだろうか?
フェリシアーノ・ヴァルガス
元気がありあまるフェリシアーノくんによってそんなもやもやはうっすら消えた気がしていた。
気の所為かもしれないが。
正直に言えば怖い。 あの時の私は人を傷つけた、自分の手で言葉で。そんな私なんかが友達を作ってもいいのだろうか?
裏切った相手だっている。
その人もこの学校に来たという噂も聞いた。
あの人はなんでもっと頭のいい学校に行けるはずなのにこの学校に来ているのだろう。 分からなくてとにかく会わないように願って毎日を過ごしている。
本田菊
フェリシアーノ・ヴァルガス
本田菊
席に座るよう促そうとした。
すれば、フェリシアーノくんの友人が座るように促した。
フェリシアーノ・ヴァルガス
フェリシアーノ・ヴァルガス
本田菊
なぜだか気づいて貰えなかったのが寂しかった。
本田菊
小さく呟いた。
音が聞こえる。 授業の始まりを告げるチャイムだ。
もう少し菊と話していたかったが辞めた。
HRが始まる前、後と長く話し込みすぎた気もするけれどもっと仲を深めたかった。
フェリシアーノ・ヴァルガス
正直集中するのは得意じゃない。 この学校はドイツ人の友達がここに入ると言ったから着いて行けるために勉強を頑張っただけ。
正直彼に教えてもらわなきゃダメダメかもしれない。
日本語も彼が教えてくれたわけだし。
フェリシアーノ・ヴァルガス
学校の制度?がいいことは何となく知ってる。 多分一日中日本語に触れ合ってるからだと思う。 たまにちゃんとイタリア語で話してくれたりする子もいるからありがたい。
フェリシアーノ・ヴァルガス
頭が働かない
教師が何を言ってるのか、呪文でも唱えているんじゃないかとも思う。
フェリシアーノ・ヴァルガス
フェリシアーノ・ヴァルガス
ちらっと菊の方を見る。
自分とは違って真面目に授業を聞いている。
本田菊
細い指がペンを握りつらつらとノートに字が書かれていく。
少しだけあんなふうに慣れたらいいなと思う時もある。
よく迷惑をかけてしまうから。
それで友達にも迷惑をかけて呆れられて、それでもずっと一緒にいてくれた。今でもずっと1番で。
フェリシアーノ・ヴァルガス
クラスが別れてしまって悲しい。 友達らしい人はいるけど彼にはかなわない。
菊もきっとそう。
紛らわせるものなんだ。
なんだろう。すっごく仲良しな友達は少ない気がしてる。他は勝手に仲良くなった感じ。でも楽しいよ、仲良しなんだもん。
楽しい筈だよね。
本田菊
授業の内容は理解できる。予習をしてきているからだ。
いい子だと思われるような行為をして気を紛らわしている。
でなければ存在意義が分からなくなりそうだ。 何が出来る?何も出来やしないではないかと脳がネガティブなことで埋め尽くされてしまう。
色々な出来事があって、失敗して。 それを機にぷつんと糸が切れたかのように何も考えられなくなった。考えられても止まった時が動き出したかのような止められた水が一斉に溢れ出すような感覚に似て一気にマイナスな考えが頭を埋め尽くすのだ。
それをやめるために勉強に集中して、ただいい子になろうとしている。
いい子に見えるだけの人間だ。
本田菊
話が入ってきていないことに気がついた。
色々なことが起きて疲れているんだと一括りにして何となくで回答を書いた。
そして視線は未だに注がれている。
いい子でいなければいけない。でなければきっとまた誰かを傷つけて失敗してしまう。
ふと窓の外を見れば綺麗な花が見えた。 誰かが手入れをしているのだなと一目でわかる。ああいうのをいい子というのだろう。 所詮自分は偽善だ。
本田菊
心からそう思う。苦しくなるほどに。
良くない考えをして授業を聞かないのも良くない、そう思い手の甲をつまむ。 切り替えて黒板の方を向いた。
時は経ちお昼休憩。
途中途中の休憩もフェリシアーノと会話をすることも無く、私は本を読むか授業の準備をしたり、フェリシアーノはフェリシアーノで他の友人と話していた。
不思議だなんて思わなかった。最初から彼は友人に恵まれていると知っていたから。
弁当を食べようと思ったがなぜか教室は気分ではなくどうしたものかと思った。
本田菊
本田菊
フェリシアーノをちらりと覗く。 がフェリシアーノはどこかへ行く気満々だった。
本田菊
今度はフェリシアーノの奥にある窓を覗く。
花壇に植えてある花が見えた。 授業中にも見えたがやはり綺麗だ。
ベンチが近くにあることを確認し、お弁当箱を持って席を立った。
本田菊
気がつけば顔がほころんでいた。 外で食べる人は少なくないが場所としては誰も近寄らなさげだった。騒がしい中で食べるよりもいいかと思い足早に廊下へ向かった。
本田菊
お天道様の下で食べるお弁当は最高だ。
本田菊
本田菊
ご飯の時間はとても幸せだ。 人のことを考えず好きな物にだけ集中できる。
本田菊
ご飯を食べる手を止める。
本田菊
恐らく前まではなかったであろう花が生えている。きっと心の綺麗な人がちゃんと手入れしているのだろう。
そっと花弁に触れると、またご飯を食べ進める。
本田菊
本田菊
そんな所を知り合いが通り過ぎた。
本田菊
隠れようにも何も出来ずただ俯いた。
怖かった。
親同士の馴染みだからといって仲良くしてきた人。それなのに傷付けてしまった人。 きっと許してはくれない、許してくれても自分がそれを許さない。
いっその事許してくれない方が楽なくらい。
謝ることを許されるのか。
本田菊
ズボンをギュッと掴む。 掴んだところはシワになり慌てて手を離した。
本田菊
俯きながら心からそう思った。
空き教室。
昼休憩だからなのかざわざわとした音が廊下などから聞こえる。
そんななかフェリシアーノはある友達を誘い2人で昼ごはんを食べようとしていた。
フェリシアーノ・ヴァルガス
彼は真面目だからなのか食べながら喋るな、と言ったような顔でこっちを見てくる。
俺は彼が食べ終わるのをとりあえず見守ってる。
その間になにかほかの話でもしようかと思い口を開いた。
空き教室で2人っきりって日本でいうアオハル?みたいじゃない?
フェリシアーノ・ヴァルガス
フェリシアーノ・ヴァルガス
フェリシアーノ・ヴァルガス
フェリシアーノ・ヴァルガス
1人でマシンガントークをするフェリシアーノ。
それを見つめる相手は「一気に話題を振るな!」と言いたげだった。
フェリシアーノ・ヴァルガス
フェリシアーノの発言で咳き込んでしまった。
フェリシアーノ・ヴァルガス
このあと教室には叫び声が響いたという。
続く