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俺は今死んだ

死因は蓮に刺されたからだ

安物の包丁でお腹を刺していった

俺の家の何食わぬ顔でインターフォンを押して

俺がゆっくりコーヒーを飲んでいた時に

一人で暮らすには贅沢すぎる一軒家で

沢山のお金が入ったから

大きな仕事を終わらせて

車で暗い中だったけど普通に帰れた

もう見慣れた近所だ

コンクリートで固められた緩い道は

30分ほど走らせて見えてきた

オフロードでもないこの車で山道は揺れる

急いで帰ろう

大事なものはとっておいて

要らないものは埋めてきた

絶対にバレないように

早く作業しよう

やっと到着した

全く見えないくらいの夜道をかなりの速度で駆け上がった

揺れて、跳ねて、でも気にならない

山の中は山の中で道が整備されてなく

それが嫌で速度を出した

信号機が青になるのが恐ろしく長く、それでいてみんながこちらを見ている気分だった

俺はアクセルを踏み出した

後部座席に乗せて

そういった具合で身ぐるみを剥いで

財布と、指輪と、ネックレスと

仕方ないから

あーあ

殺しちゃった

俺は満足いく仕事じゃなかったし

顔だけは良かったから女ひっかけて

貢いでもらった金で遊んでた

仕事も辞めてよかったんだが

ステータスとしてあると騙しやすいんだ

ああ、もう充分だろう

走馬灯はおしまいさ

ダメだ。

ん…?

見渡す限りに見たことの無い機械ばかりだった。

だがそんなことよりも

なぜ走馬灯をみた俺が生きているんだ?

走馬灯はな

実は死んだことを引き金に

脳のレコード部分が動き出すんだ

何を言っているんだ?

俺たちは走馬灯を遡る機械を作った

脳のレコードを直接弄って

逆再生させることで人を甦らせてみせたのさ

おいおい

何を言ってるんだと聞いているんだよ

お前の走馬灯は見させてもらった

お前がやった事は分かっていたから驚きはしなかったが

まあ、こんだけ分かりやすく出たら有罪は確定だな

だからどういう事だって聞いてんだよ笑

そもそもどうやって俺の走馬灯を見るんだ?

ああ、寝ていて気づかなかったのか

鏡で見せてやるよお前の頭

脳にレコードテープ刺さってるの丸見えだぜ

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