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昼になり、旅の準備を整えた四人は再度依頼に挑戦するため、神殿を後にした。今度は例の魔物と遭遇することなく、無事に洞窟へとたどり着いた。
リカード
リカードは罠がないかを確認するため、一番前を歩きながら気楽に話す。緊張感が足りないような気もするが、シーフであるリカードからすれば日常茶飯事なことで緊張するほどのことではないのかもしれない。
レイ
フランツ
レイとフランツもさほど緊張している感じはない。むしろ最年長の私が一番緊張している。なにせ現代日本人は洞窟に入ることすら滅多にはないのだから。現代日本人といえば、なぜか懐中電灯を持っていたのでそれを使って洞窟を照らしていた。松明のようになにかの拍子に消える心配も少ない。
リカード
しばらく歩いていると、めずらしくリカードが鋭い声を上げる。私達が黙って従うと、すぐに地面を調べてトラップを発見した。簡単な落とし穴になっていたらしい。
リカード
レイ
リカードとレイのやり取りを聞きながら、私は周囲を懐中電灯の光で照らし出す。なるほど、横穴があるようだ。
その後も複数の落とし穴が設置されていたり、角を曲がると石弓が飛んできたりする。
リカード
レイ
一番前を歩いてすべての罠に対応しているリカードが愚痴をこぼすが、レイは冷静に分析する。
リカード
罠をチェックしていたリカードが喜びの声を上げる。
リカード
嬉しそうに箱を開けるリカード。だが次の瞬間、箱の中から毒針が発射される。
リカード
反射的に毒針を避けるリカード。さすがの反射神経でばっちり避けるものの、その目からは涙がにじんでいる。
リカード
その場で地団太を踏むリカードの頭をよしよしと撫でてやる。
レイ
そんなリカードにレイが辛らつな言葉を投げかけるが、リカードは無視して私に抱き着く。
リカード
そう言いながら、私の胸元に額をこすりつける。
リカード
今度はフランツが困ったように声をかける。それでも離れないリカードの頭を何度か撫でてやると、やっと満足したらしく、私から離れて真面目な顔になる。それを見て、フランツが全員に向かって話し始めた。
フランツ
レイ
フランツとレイが慣れた調子で隊列を確認する。ウォーリア、シーフが前衛、メイジとアコライトが後衛というのは鉄板か。私がいわゆる殴りアコならまた違うんだろうけど。
隊列を組みながら進んでいくと、前方から何やら話し声が聞こえてくる。何を言っているのかはわからないが、おそらくゴブリンの話し声なのだろう。
リカード
言うやいなや、リカードが忍び足で洞窟の奥へ進んで中を確認する。そして、こちらに対して指を3本示し、いったん閉じて再度5本示す。
フランツ
レイ
フランツとレイが簡単に打ち合わせをする。私は攻撃手段がないので三人が危険な目に遭いそうなときに防ぐ準備をしておこう。私達も静かにリカードに追いつくと、一斉に洞窟の中へと踏み込んだ。