瑠美
…えっ、結婚?
瑠美
お姉ちゃん、結婚するの!?
久子
うん、急に話が進んじゃって
瑠美
だって彼氏がいるなんて一言も…
久子
内緒にするつもりなかったけど
久子
私もそろそろ幸せになろうかなって
そう言って、10才年上の姉がはにかむ
久子
もうすぐ彼もくるから
久子
きっと瑠美にも気に入ってもらえると思う
瑠美
へぇ、楽しみ
久子
あっ、来た!
久子
優作、こっち!
優作
初めまして!瑠美ちゃん、久子からよく話は聞いてる
瑠美
え〜、悪口ですか〜?
優作
顔は似てないけど可愛い自慢の妹だって
瑠美
私にとっても自慢の姉です!
瑠美
両親が亡くなってから、まだ小さな私を育ててくれた
久子
瑠美…
瑠美
いつも自分の幸せを後回しにして、私にかかりっきりで
瑠美
私が今も大学に通えるのは、お姉ちゃんが居てくれたから…
久子
ちょっと、瑠美
久子
もらい泣きするじゃないの
優作
いい姉妹だなぁ
優作
改めて、お姉さんを僕に下さい!
瑠美
私のほうからもお願いします
瑠美
お姉ちゃんを幸せにして下さい!
優作
もちろん!
瑠美
不幸にしたら私が許しませんからねっ!
瑠美
ああ、まじムカつく!
瑠美
なにが「そろそろ幸せになろうかな〜?」だ
瑠美
幸薄い顔してるくせに!
奏太
おい、今日は荒れてんな?
奏太
また久子と何かあったのか?
瑠美
またって何よ!またって
奏太
お前が俺を呼びつけるの、いっつも久子と揉めたからだろ?
瑠美
よく分かってんじゃない
瑠美
さすが、お姉ちゃんの元彼
奏太
そっこー、お前に誘惑されて乗り換えたけどな
瑠美
男なんてヤリたいだけだし
瑠美
セフレが一番よくない?
奏太
じゃ、こっち来いよ
奏太が私を引き寄せ、その手が胸に──
瑠美
(全然、気持ちよくない)
瑠美
(お姉ちゃんから寝取った時は最高に感じたけど)
奏太
俺が忘れさせてやるよ
瑠美
あっ…そこは
奏太
濡れてんじゃん
瑠美
ううっ…あんっ
瑠美
(感じる振りしないとメンドーだし)
奏太
もう挿れちゃっていいよな?
瑠美
ああっ!
奏太が私の中に入ってきたが──
瑠美
(頭から離れない)
瑠美
(あの幸せを噛みしめた顔)
奏太
どうだ?ほら!
瑠美
ああん、もっと!
瑠美
もっと激しく!
奏太
こうか!?
卑猥な音が部屋に響き渡る
瑠美
あああぁ…!
瑠美
(でも許さない)
瑠美
(私より幸せになるなんて──)
絶対に許さない!
瑠美
ごめんなさい、急に呼び出して
優作
それで、大事な話って?
瑠美
それが…その…
優作
話しにくいこと?
優作
もしかして久子のことかな?
瑠美
うん…そうなんだけど
優作
なんでも話してよ!僕たち家族になるんだからさ
瑠美
でも私から話したってことは…
優作
もちろん久子にも言わないよ
瑠美
それじゃ、話すね
瑠美
実はお姉ちゃん、子どもができにくい体でね…
瑠美
もしそれを優作さんが知らなかったら、後で2人とも傷つくかなって…
瑠美
や、やっぱり余計なことだった
瑠美
私、なに言ってんだろっ
優作
いや、話してくれてありがとう
優作
久子のことを心配してくれたから
優作
そんな言いにくいこと話してくれたんだよね?
優作
でも、安心して
優作
全部、知ってるから
瑠美
──えっ?
優作
プロポーズする前に、久子から聞いて知ってる
優作
それで僕も一緒にほら、久子の友達で産婦人科医の…
瑠美
百合さん?
優作
そうそう!彼女の病院で検査してもらってるから
瑠美
そ、そうだったんですね!?
優作
だから心配いらないよ
瑠美
良かった…
瑠美
私、どうしてもお姉ちゃんには幸せになってもらいたいから
優作
こんなお姉さん想いの妹ができて、僕も心から嬉しい
瑠美
私もこんな素敵なお兄ちゃんが欲しかったんです!
瑠美
クソっ!失敗した
瑠美
(すぐに何度か色仕掛けしたけど、全く振り向かない)
瑠美
(いつもは簡単に奪えるのに、今度はなかなか手強い)
奏太
お前、姉ちゃんの彼氏を100%奪い取ってきたもんな
瑠美
あんな地味な女には負けない
瑠美
私のほうが女としてずっと上だから
奏太
もうやめとけよ
瑠美
ぜっっったいに嫌!
奏太
それなら、俺の時みたいに服を破いてレイプされたって脅せば?
奏太
そしたら男は抱くしかないだろ?
瑠美
いや、たぶん逆効果だと思う
瑠美
もっと正攻法でいかないと…
奏太
それよりもう1発やろうぜ
瑠美
いいけどその代わり──
お願いがあるの
瑠美
優作さん、いらっしゃい
優作
あれ、久子は?
瑠美
もう帰ってくると思うけど
瑠美
お茶、いれるね
私は俯いたまま立ち上がった
優作
瑠美ちゃん、その顔…
瑠美
あっ、ちょっと転んで
優作
転んだって…ちょっと!
優作に手首を掴まれ、私はそれを振り解こうと──…
優作
手首にもアザがある
優作
これどうしたの?
瑠美
これは…ちょっと喧嘩して
優作
それって、彼氏?
瑠美
ううん、そんなんじゃなくて
瑠美
ホントに大丈夫だから!
優作
瑠美ちゃん、なんでも相談してよ
瑠美
優作さんはお姉ちゃんのことだけ見てたらいいの!
私は目一杯に微笑んでみせた…
数日後
優作
えっ、瑠美ちゃん?
瑠美
…優作さん、私っ
優作
びしょ濡れじゃないか!
瑠美
ごめんなさい、私…ううっ
優作
とにかく中に入って!
優作
これで拭いて
瑠美
ううっ、ごめんなさい
優作
なにがあったの?
それには答えず、私はバスタオルで体を拭いた
優作
瑠美ちゃん!すごい傷…
瑠美
彼氏に別れ話をしたら無理やり
優作
ひどい、警察に行こう!
瑠美
それはやめて!
瑠美
誰にも迷惑かけたくない
瑠美
お姉ちゃんも結婚するし…
優作
でも、震えてるじゃないか
瑠美
ゔゔっ…うっ
大粒の涙をこぼすと、そっと抱きしめてくれた
優作
大丈夫、僕たちがついてる
瑠美
私、忘れたい…
瑠美
こんな悲しいこと全部、忘れたい!
優作
きっと時間が経てば──
瑠美
今すぐ忘れたい!
瑠美
だから、だから優作さんっ!
私を抱いて!
優作
えっ…
瑠美
お願い、こんなこと頼めるの優作さんしか居ない!
瑠美
一度でいい、一度だけでいいから…
優作
いや、でもそれは…
瑠美
お姉ちゃんには言わないから!
瑠美
じゃないと私、何するか分からない!
優作
瑠美ちゃん…
瑠美
ここから飛び降りるから!
駆け出した私を──
優作
だめだ!
瑠美
優作さん?
優作
…だめだよ
そう言って強く抱きしめてくれた
瑠美
(ふふっ、しょせんは男)
瑠美
(私に手に入らないものはない)
姉の婚約者との濃厚なキス
瑠美
(ああ、たまらない!)
瑠美
(私のほうが上なんだから)
瑠美
(私より幸せになるなんて絶対に絶対に許さない!)
優作
る、瑠美ちゃん、このことは…
瑠美
もちろん2人だけのヒ・ミ・ツ
優作
いや、本当に僕は久子と…
ピンポーン
優作
えっ、誰だろ?
瑠美
(あっ、来た来た)
久子
優作さーん?
久子
大事な話ってなーに?







