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飛鳥馬 チヨ

ごめんくださーい!

おばさん

あら、チヨちゃん

おばさん

こんな寒い日なのに来てくれたの?

飛鳥馬 チヨ

食べ盛りの兄弟がいるからね。

飛鳥馬 チヨ

古着、お母さんのだけど…

飛鳥馬 チヨ

質はすごくいいから。

おばさん

あらあら。これ、着物じゃない。

おばさん

いいの?

飛鳥馬 チヨ

本当はお母さんが私のためにくれたんだけど

飛鳥馬 チヨ

今は生活の方を大事にしたと思って…。

おばさん

…チヨちゃんは本当にいい子ね。

おばさん

今日はお米とオマケに野菜もつけておくよ。

飛鳥馬 チヨ

そ、そんな!

飛鳥馬 チヨ

大丈夫ですよ!

飛鳥馬 チヨ

それじゃ、価値が合わないし…。

おばさん

いいのよ。

おばさん

チヨちゃんには毎回助かってるしね。

おばさん

今までのお礼だと思って?

飛鳥馬 チヨ

飛鳥馬 チヨ

おばさん…。

飛鳥馬 チヨ

…ありがとう

おばさん

じゃ、今とってくるからね。

おばさん

それじゃ、気をつけて帰るのよ。

おばさん

そろそろ夕暮れ時だし…

おばさん

早く帰らないと鬼がでるわよぉ。

飛鳥馬 チヨ

もう!怖がらせないでよっ

飛鳥馬 チヨ

鬼なんているわけないわ。

おばさん

いやねぇ、冗談よ。

おばさん

鬼なんて本当にいたら困っちゃうわ。

飛鳥馬 チヨ

…鬼ってどうして人を食べるのかな

おばさん

どうしてかしら…

おばさん

でも、それは空想のお話だから。

おばさん

本当にいたとしても鬼は人を食べないんじゃないかしら。

飛鳥馬 チヨ

それだったら、鬼とも仲良くなれるわね。

おばさん

そうね…。

飛鳥馬 チヨ

それじゃ、あたし帰ります。

おばさん

気をつけてね。

飛鳥馬 チヨ

はーい!

飛鳥馬 チヨ

走ればすぐだから平気よ!

おばさん

荷物も多いんだからゆっくり帰るの。

飛鳥馬 チヨ

わかってるー!

飛鳥馬 チヨ

(とはいっても…)

飛鳥馬 チヨ

(もう結構暗いなあ…。)

『 鬼がでるわよぉ。』

飛鳥馬 チヨ

……

飛鳥馬 チヨ

(鬼なんて…嘘に決まってるわ…。)

飛鳥馬 チヨ

(早く帰ってみんなにご飯食べさせてあげよう。)

飛鳥馬 チヨ

(いっぱい食べればお母さんの病気もよくなるよね。)

ペタ

飛鳥馬 チヨ

(サヨや樹にも早く大きくなって欲しいし…)

ペタペタ

飛鳥馬 チヨ

飛鳥馬 チヨ

飛鳥馬 チヨ

(足音…?)

飛鳥馬 チヨ

(後ろから?)

飛鳥馬 チヨ

(…気のせいかな。)

ペタ ペタペタ

飛鳥馬 チヨ

(やっぱり誰かいる…!)

飛鳥馬 チヨ

(しかもあたしの歩く速さに合わせてる!?)

飛鳥馬 チヨ

(早く…早く家にっ…!!)

ペタペタペタペタペタ!

飛鳥馬 チヨ

はぁ…!はぁっ

飛鳥馬 チヨ

(こ、怖いっ…!どうして、ずっと着いてくるの…!?)

飛鳥馬 チヨ

(お母さん…!!)

飛鳥馬 チヨ

はぁはぁ…

飛鳥馬 チヨ

飛鳥馬 チヨ

キャッ!?

飛鳥馬 チヨ

(どうしよう…!つまづいちゃった…)

???

へへっ、やっと捕まえた。

飛鳥馬 チヨ

…だ、だれ!?

???

さあ、誰でしょうかなあ??

???

っはははははは!!

飛鳥馬 チヨ

(暗くてよく見えない…!)

飛鳥馬 チヨ

なんで、私の後ろをついてくるの!?

???

決まってるだろ?

???

お前を食うためだよッッ!!

飛鳥馬 チヨ

く、食う…!?

???

っはははぁ!!

???

若くて美味そうだ。

飛鳥馬 チヨ

あなた、人間じゃないの…?

???

おいおい、これが人間に見えるかぁ?

???

鬼だよ!おーにっ!!

ひャひャひャ

飛鳥馬 チヨ

鬼…

飛鳥馬 チヨ

飛鳥馬 チヨ

じゃあ

飛鳥馬 チヨ

あなたは私を食べるの…?

やっと、理解したのかあ?

当たり前だろ?鬼は人間を食うんだよ!!

飛鳥馬 チヨ

どうして人間を食べるの!?

ッチ

いちいち図々しいヤツだな。

飛鳥馬 チヨ

答えてよ…!

自分のために決まってんだろ?

俺は人間を食うことで強くなるんだよ。

飛鳥馬 チヨ

強くなってどうするのよ

うるせんだよッッ!!!

あと一人でやっと認めてもらえるんだよ!

今日だけで一家族は食らいつくした。

お前みたいに図々しい家族だったなあ?

母親なんか必死で子を守ってよお

病気で死にかけだったのにな!っひゃひゃ!!

だけど結局ぜーんぶ俺が殺した。

ざまあねえな!!っははははは!

飛鳥馬 チヨ

病気…

そういや、あの母親に

今のお前と同じ顔で睨みつけられたな。

飛鳥馬 チヨ

まさか…

話がズレちまったじゃねぇかよ…

もう質問にはこたえねぇ。

俺も認めてもらうんだよおお!!

飛鳥馬 チヨ

いやっ…!!

飛鳥馬 チヨ

飛鳥馬 チヨ

っ!

…よけんじゃねぇよ。

よけんじゃねぇよッッ!!!

飛鳥馬 チヨ

っ!!!!

飛鳥馬 チヨ

(ダメ…!もう避けられない……)

飛鳥馬 チヨ

飛鳥馬 チヨ

……あれ?

ギャアッッッ!!!

飛鳥馬 チヨ

飛鳥馬 チヨ

(鬼の…首がっ…!?)

飛鳥馬 チヨ

(斬れて…)

???

大丈夫か?

飛鳥馬 チヨ

っ…!!!

???

安心しろ、俺は味方だ。

???

鬼の首は斬ったからもう大丈夫だ。

飛鳥馬 チヨ

あ…なたは…。

???

俺は通りすがりの剣士…

階枝 伊織

階枝 伊織(カイエダイオリ)だ。

飛鳥馬 チヨ

…飛鳥馬 チヨ(アスマ チヨ)。

階枝 伊織

チヨ、怪我はしてないか?

階枝 伊織

…この荷物は?家族は?

飛鳥馬 チヨ

飛鳥馬 チヨ

お母さんっ!!!

階枝 伊織

あ、ちょっと!どこ行くんだ!?

飛鳥馬 チヨ

お母さんがっ!お母さんが!!

階枝 伊織

待て!!

飛鳥馬 チヨ

離して!!

飛鳥馬 チヨ

行かなきゃ行けないの!

階枝 伊織

暗い中、一人で歩くのは危険だ。

階枝 伊織

俺も同伴する。

飛鳥馬 チヨ

…わかった。

飛鳥馬 チヨ

(お母さん…無事でいて!!)

飛鳥馬 チヨ

…ついたっ。

飛鳥馬 チヨ

お母さん!!

階枝 伊織

おい!落ち着け!

飛鳥馬 チヨ

飛鳥馬 チヨ

お母さん!?あたしよ!チヨ!開けて!!

飛鳥馬 チヨ

ねぇ、お母さん!いるんでしょ!?

階枝 伊織

チヨ…

飛鳥馬 チヨ

お母さん!!!!

飛鳥馬 チヨ

樹!サヨ!

飛鳥馬 チヨ

…ミヨ!

階枝 伊織

チヨ…もう…。

飛鳥馬 チヨ

…なんで

飛鳥馬 チヨ

なんで…戸が血だらけなの…?

飛鳥馬 チヨ

そんなわけ…

飛鳥馬 チヨ

鬼がここに来たわけ…

飛鳥馬 チヨ

っ…

飛鳥馬 チヨ

うぅ…うっ…

飛鳥馬 チヨ

おかあっ…さん

飛鳥馬 チヨ

みんな…なんでえ…

飛鳥馬 チヨ

なんでよおおおおお!!!!

階枝 伊織

チヨ、残念だけどこれも運命だ。

階枝 伊織

ここら辺は最近だれも見回りに来なかったから。

階枝 伊織

油断をしていた…。

飛鳥馬 チヨ

なんで!?

飛鳥馬 チヨ

なんでっ…あたしだけ…!!

階枝 伊織

俺の家族も鬼に殺された。

飛鳥馬 チヨ

…え

階枝 伊織

俺は守れなかった。

階枝 伊織

自分だけ逃げたんだ。

階枝 伊織

家族を犠牲にして。

階枝 伊織

だから…俺はこの職に就いた。

階枝 伊織

階枝 伊織

すまない、こんな昔のこと。

階枝 伊織

早く家族を埋葬してあげよう。

階枝 伊織

開けるぞ?

階枝 伊織

チヨは見ない方がいい。

飛鳥馬 チヨ

いえ、あたしもやります。

飛鳥馬 チヨ

だって…あたしの家族だもん。

飛鳥馬 チヨ

…大事な。

階枝 伊織

…そうか。

階枝 伊織

じゃ、開けるぞ。

飛鳥馬 チヨ

っ…!

飛鳥馬 チヨ

飛鳥馬 チヨ

お母さん…

階枝 伊織

………

飛鳥馬 チヨ

樹…サヨ…

飛鳥馬 チヨ

…ごめんね

飛鳥馬 チヨ

飛鳥馬 チヨ

ミヨ…?

飛鳥馬 チヨ

ミヨはどこ?

階枝 伊織

階枝 伊織

いた!!

階枝 伊織

まだ息をしてる!!

飛鳥馬 チヨ

ミヨ!!

飛鳥馬 チヨ

…お母さんが守って?

階枝 伊織

…気絶しているみたいだな。

階枝 伊織

傷もないし…脈も正常。

飛鳥馬 チヨ

!!

飛鳥馬 チヨ

よかった…!ミヨ!

階枝 伊織

よかった…といっていいのか…

飛鳥馬 チヨ

よかった…!あたし…一人じゃない…!!

飛鳥馬 チヨ

一人じゃ…!!

1年後___。

飛鳥馬 ミヨ

おねーちゃん!

飛鳥馬 ミヨ

お帰りっ!

飛鳥馬 チヨ

ただいま〜、ミヨ。

飛鳥馬 チヨ

いい子にしてた?

飛鳥馬 ミヨ

うん!

おばさん

あら、お帰りなさい。

おばさん

今日も隣町まで行ってくれたの?

おばさん

毎日…ごめんなさいね。

飛鳥馬 チヨ

いいの!

飛鳥馬 チヨ

全然平気よ!

飛鳥馬 チヨ

おばさんやミヨのためなら。

おばさん

チヨちゃん…。

私たちはおばさんの所でお世話になることになった。

ミヨもすくすく育って毎日がとても楽しい。

だけど____

あの日のことを決して忘れたことはない。

ミヨはあの日のことを覚えてはいない。

飛鳥馬 チヨ

飛鳥馬 チヨ

あ!そうだあたし行かなきゃ行けないところがあるんだった!

おばさん

え、でももう夕暮れよ?

飛鳥馬 チヨ

大丈夫よ!すぐ帰ってくるもの。

おばさん

でも…暗いし…

飛鳥馬 チヨ

それじゃ、いってきまーす!

飛鳥馬 チヨ

ミヨも、いい子で待っててね?

飛鳥馬 ミヨ

気をつけてね…。

飛鳥馬 チヨ

ええ!

飛鳥馬 チヨ

(暗い…。)

飛鳥馬 チヨ

(…あの日のことを思い出すわ。)

おばさんは鬼のことなんか信じてくれなかった。

お母さんたちは熊に襲われたということにされた。

飛鳥馬 チヨ

(あれは…熊なんかじゃなかった。)

あたしは鬼が憎い、嫌いだ。

あの日からあたしは強くなったんだ。

毎日働きながら隣町までの往復。

斧の使い方だってマスターした。

もう…怖くない。

あたしが絶対に敵討ちをする。

飛鳥馬 チヨ

で…でてきなさいよ。

???

おい!!

飛鳥馬 チヨ

でた…!

飛鳥馬 チヨ

く、くらえ!!!

飛鳥馬 チヨ

飛鳥馬 チヨ

あれ!?

飛鳥馬 チヨ

人!?

???

おい!こんな暗い中何をやっているんだ!!

飛鳥馬 チヨ

ご、ごめんなさ…

飛鳥馬 チヨ

飛鳥馬 チヨ

あれ…?

飛鳥馬 チヨ

階枝…さん?

階枝 伊織

……チヨ?

階枝 伊織

驚いた。

階枝 伊織

こんなとこで一体何をしてるんだ?

飛鳥馬 チヨ

階枝さんこそ。

階枝 伊織

俺は見回りだ。

階枝 伊織

チヨみたいな危ない人とか捕まえてんの。

飛鳥馬 チヨ

…あたし、帰らない。

階枝 伊織

はあ?何を言っているんだ。

階枝 伊織

この時間がいちばん危ないことを知っているだろう?

飛鳥馬 チヨ

…だからよ。

飛鳥馬 チヨ

鬼を倒しに来たの。

階枝 伊織

鬼…

飛鳥馬 チヨ

あたし、鬼を倒すまで帰らないから。

階枝 伊織

馬鹿なことを言うな!!!

飛鳥馬 チヨ

っ…

飛鳥馬 チヨ

なによ…

飛鳥馬 チヨ

あたしの辛さ分かってるくせに!!!

飛鳥馬 チヨ

毎日、毎日あの日のことが蘇ってくるのよ!!

飛鳥馬 チヨ

あたしは、仇をとらなきゃ…

階枝 伊織

だったら尚更だ。

階枝 伊織

お前には妹がいる。

階枝 伊織

ちゃんと守ってやれよ。

階枝 伊織

敵討ち?今お前がやることはそんなことじゃねぇ。

階枝 伊織

妹をしっかり育てあげろ。

飛鳥馬 チヨ

………

階枝 伊織

だが、お前の鬼を倒したい気持ちは伝わった。

階枝 伊織

どうしても鬼を倒したいという気持ちが変わらないか?

飛鳥馬 チヨ

…当たり前よ。

飛鳥馬 チヨ

この一年間ずっと憎かった…。

飛鳥馬 チヨ

あたしは…命を懸けても倒したいと思ってるの!!!

飛鳥馬 チヨ

この世から…全て消し去る。

階枝 伊織

階枝 伊織

わかった。

階枝 伊織

なら明日、日の出にここへ来い。

飛鳥馬 チヨ

え…

階枝 伊織

チヨが鬼殺隊に向いてるか俺が確かめる。

飛鳥馬 チヨ

きさつ…たい?

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