カゲチヨ
なぁヒサ?
ヒサメ
なぁに?
カゲチヨ
壊れていたのは世界でしょうか
ヒサメ
?
カゲチヨ
間違っていたのは世界でしょうか
ヒサメ
どうしたの?
カゲチヨ
あなたには朝がやってこない
ヒサメ
え…?
カゲチヨ
だからあなたの「おはよう」は
カゲチヨ
もう聞けない
ヒサメ
…
カゲチヨ
時が戻れば、なんて思いながら
カゲチヨ
俺はお前をこんな檻に閉じ込めてる
ヒサメ
檻…?
カゲチヨ
声が枯れるまで歌い続ければ
ヒサメ
…それはやめて?
カゲチヨ
きっと気がついてくれるよな
ヒサメ
なにに?
カゲチヨ
またいつか光の降る町を
ヒサメ
光?太陽のこと?
カゲチヨ
手を繋いで歩きましょう
ヒサメ
…そうだね。
カゲチヨ
空の青さを忘れるなんて
ヒサメ
空の青さ…か。
カゲチヨ
まったくほんとにお前は馬鹿だなぁ
ヒサメ
馬鹿じゃないもん
カゲチヨ
壊れていたのは世界ではなくて
ヒサメ
…
カゲチヨ
間違っていたのはあなただけれど
ヒサメ
え…?
カゲチヨ
嘘で固められた世界でも
カゲチヨ
ごめんな、お前に生きててほしいんだ
ヒサメ
…そっか。
カゲチヨ
時が戻れば、なんて思いながら
ヒサメ
時が戻れば、か。
カゲチヨ
俺はもう少しだけ諦めてる
ヒサメ
諦めてるかぁ…
カゲチヨ
声が枯れるまで歌い続けるのは
ヒサメ
…それはやめて。
カゲチヨ
あなただけのためじゃない
ヒサメ
…
カゲチヨ
またいつか春の空を
カゲチヨ
二人手を繋いで歩きましょう
ヒサメ
…うん。
カゲチヨ
何も知らないあなたでいいの
カゲチヨ
俺は、どこにもいかねぇから。
ヒサメ
うん。ありがとう
カゲチヨ
「ヒサ、ヒサお前の幸せなんて願ってたあの頃に戻れねぇんだ。」
ヒサメ
知ってるよ、寿命のこと。
ヒサメ
どうにもならないことだって。
ヒサメ
でも、カゲのこともシディのことも嫌いになんてなれなかったよ。
カゲチヨ
また、いつか光を歌いながら
カゲチヨ
二人手を繋いで歩きましょう
ヒサメ
そうだね。
カゲチヨ
明けない夜はないと教えてくれたこと
カゲチヨ
俺の手を引いてくれたこと
ヒサメ
うん…
カゲチヨ
「ヒサのこと、シディのこと忘れねぇよ。」
カゲチヨ
ヒサ
ヒサメ
なぁに
カゲチヨ
なぁ、俺ほんとにお前が好きだよ
カゲチヨ
ヒサ
ヒサメ
なぁに
カゲチヨ
お前はどうだ?
ヒサメ
私も
ヒサメ
カゲが好きだよ