テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
#監禁
ひめあちゃん 。
100
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
郊外の茂みに囲まれた倉庫。
日車は、最近暗躍している呪詛師集団の調査に単独任務として来ていた。
錆びついた扉を押し開けた瞬間、日車の想像を絶する凄絶な光景が広がっていた。
ゴロゴロと転がる死体、あちこちに飛び散る臓物、充満する血の生臭い匂い。日車は思わず口元を押さえ、顔を歪める。
日車
日車が息をのんだのも束の間、血の海と化した倉庫の奥から、静かにコツコツと足音が響いた。
???
薄暗がりから現れたのは、黒のコンプレッションウェアを纏った男。服は破け、全身に返り血を浴びている。太腿には深く切られた痕があり、脇腹には黒く血が固まった刺し傷が見えた。
『術師殺し』、伏黒甚爾だった。
甚爾
日車
甚爾
そう言いながら、甚爾は壁に背を預け、ズルズルと力なく座り込んだ。
甚爾
そう吐き捨てると、甚爾はそのまま畳まれた肉塊のように床へ倒れ伏した。
日車
倒れた甚爾の姿は、あまりにも無防備で、まるで本物の死体のようだった。
甚爾
眠らせてくれ
——その言葉を聞いた瞬間、日車の胸の奥で何かが静かに崩れ落ちる音がした。
この男を、このまま眠らせてはいけない。冷たくなっていく肉体を放置すれば、この男は本当に二度と起き上がらないかもしれない。日車は本能的にそう感じていた。
日車は足早に駆け寄ると、膝をつき、甚爾の傷口に手を伸ばした。応急処置のために上着を脱ぎ、傷口を強く押さえる。
甚爾
日車
甚爾
甚爾は鼻で小さく笑うと、天井を仰いだまま、焦点の合わない冷めきった瞳でぽつりと呟いた。
甚爾
日車
甚爾
血と油の匂いの中で放たれたその言葉には、怒りや悲しみすら存在しなかった。ただ、世界のすべてを諦めきった、底なしの暗い虚無だけが横たわっている。
日車
日車は一瞬だけ言葉を詰まらせたが、すぐにまっすぐな瞳で甚爾を見つめ返した。
日車
甚爾
日車
甚爾
日車は眉一つ動かさず、まっすぐに甚爾の濁った瞳を見つめ返した。その瞳に宿る揺るぎない善性と、どこか自己犠牲的な生真面目さ。甚爾はそれを見つめるうちに、胸の奥でドロリとした嗜虐心が持ち上がるのを感じた。
甚爾は掴んでいた日車の腕を思い切り引っ張り、自身の胸元へと引きずり倒した。
日車
体勢を崩した日車は、甚爾の胸に覆いかぶさる形になる。甚爾はそのまま空いている方の腕で日車の腰を強く抱き込み、位置を入れ替えるようにして、日車を冷たい床の上に押し倒した。
日車
甚爾
甚爾の低い声が、日車の耳元で揺れる。重なり合った肉体から伝わってくるのは、死にかけているとは思えないほど圧倒的な体温と熱気だった。甚爾の手が、日車のスーツのボタンを強引に弾き飛ばし、シャツの中に滑り込んでいく。
日車
肌に触れる熱い手。日車はハッと正気に戻り、甚爾の胸を押し返しようと力を込めた。だが、天与呪縛の肉体はまるで鉄の塊のようで、微動だにしない。
甚爾
甚爾は意悪く口角を上げ、日車の唇に自分の唇を押し重ねた。
日車
荒々しく、血の味がするキス。日車の頭の中で、急速に思考が駆け巡る。
『術式を出せ。ガベルで殴りつけろ。ここから逃げろ』——理性がそう叫んでいる。日車にはその力があるはずだった。
だが、ここで甚爾を突き放せば、この男は手当も受けず、自分を投げ捨てたままここで死ぬ。自分はこの男を『見捨てた』ことになる。
(……拒絶すれば、私は——)
その一瞬の躊躇を、甚爾は見逃さなかった。
日車の手から力が抜けたのを感じ取ると、甚爾はフッと鼻で笑い、日車の首筋へと深く噛みついた。
日車
甚爾
甚爾の手が、日車のズボンのベルトを容赦なく外していく。
熱い掌がダイレクトに肌を擦り、日車の身体がビクッと跳ねた。男同士の、それもこんな凄惨な殺人現場での行為など、狂気の沙汰でしかない。頭ではそう分かっているのに、甚爾の持つ圧倒的な『生物としての強さ』と高い体温に侵食され、日車の身体は拒絶の声を上げられなくなっていく。
日車
甚爾の指が無理やりに内側を解きほぐしていく激痛と、そこに交ざる不可解な熱。日車は腕で顔を覆い、必死に漏れ出そうになる声を噛み殺した。
甚爾
日車
準備もそこそこに、甚爾の太い熱線が強引に押し込まれる。
あまりの圧迫感と衝撃に、日車の背中が大きく反り返った。視界が真っ白になり、血の匂いと甚爾の匂いが脳裏をごちゃ混ぜにする。
日車
甚爾は躊躇なく腰を打ち付け始めた。暴力的なまでのストローク。天与呪縛の肉体が叩きつける肉体言語の前に、日車の誇りも、弁護士としての理性も、すべてがすり潰されていく。
甚爾
日車
耳元で囁かれる嘲笑。日車は首を振り、溢れそうになる涙を必死に耐えた。
逃げられたはずだった。術式を出せば、拒絶すれば逃げられたのだ。それなのに、自分の変なプライドと罪悪感のせいで、自分はこの男の下で惨めに抱かれている。
(私が……自ら、これを選んだというのか……)
その背徳的な事実が、日車の理性を完全に粉砕した。
自暴自棄に近い快楽の波が押し寄せ、日車の手は、いつしか自分を組み敷く甚爾の広い背中に回されていた。血と汗で濡れた甚爾の皮膚に爪を立て、縋りつくようにその首抱く。
日車
日車が自ら背中に手を回したのを感じ、甚爾の瞳の奥が一瞬だけ揺れた。
甚爾は逃げ場を無くすように日車の脚を大きく開かせると、さらに深く、容赦のない熱を打ち込み続ける。
荒い吐息と、泥臭い肉体が衝突した音だけが、死体の転がる静かな倉庫に響き渡っていた。
---
絶頂の果て、甚爾が日車の奥深くに熱を吐き出し、ゆっくりと体を重ねたまま動かなくなった。
倉庫の中には、二人分の荒い虚ろな息遣いだけが残されている。
日車
日車は乱れたシャツの隙間から冷たい空気を吸い込み、腕で目元を覆ったまま動けない。下半身に残る不快な熱と激痛、そして自分が犯した「理性の敗北」 に対する呆然とした絶望が、波のように寄せては返す。
甚爾は満足したように日車の上から身体を退けると、血に汚れたズボンのポケットから潰れた煙草を取り出し、火をつけた。
紫煙が、血の匂いの満ちる空気に溶けていく。
甚爾
煙を吐き出しながら、甚爾が横目で日車を見下ろす。その声には、先ほどまでの刺々しさは消え、どこか怠惰で自暴自棄な色だけが残っていた。
日車
乱れた服を正す気力すらないまま、日車は震える手を伸ばし、再び甚爾の傷口へと触れた。
泥沼に引きずり込まれたことを自覚しながらも、もう二度と戻れない場所へと足を踏み入れたことを、日車は静かに受け入れていた。