稲荷崎高校の夢

新入生の入学式も終え、いよいよ数日間行われる部活動見学が始まる。

話を終えて3年生達が体育館を後にする後ろ姿を眺める🌸

正直自分1人で不安が無い訳では無いが、それでも何とかなるだろうと意気込む。

流石の強豪校、それなりにガタイのいい男子生徒が沢山集まっている。

1年生に簡単に自己紹介をした後、バレー部の事を説明する🌸

1年生に優しくニコッと笑顔を向ける🌸

その笑顔に男子数名ヒソヒソと話ているが、🌸には聞こえていない。

体育館の端に集まっていた1年生をコートの良く見える場所まで案内する🌸

じゃ！っと1年生に手を振りながら部員に配るドリンクやらを用意しに行く🌸

10分程たった頃、ドリンクを作り終えて皆に配るタオルを運ぼうと部室を出た🌸

丁度出たタイミングで1年生の男子が慌てた様子で🌸に駆け寄る。

1年生の男子は、とにかく早く戻ってきて欲しいと🌸の腕を引く

止まる様子もない1年生に嫌な予感を感じ腕を引かれながら一緒に走り出す🌸

1年生に連れられた先はやはり体育館

🌸の嫌な予感は的中していた。

体育館に入って真っ先に目にするのは双子の大喧嘩だった。

いつも以上に激しい喧嘩をする双子、その光景が見慣れない1年生はただただ怖いだけだろう。

はぁーと大きくため息を付いてから喧嘩中の双子の所へ向かう🌸

外巻きに様子を見てケラケラと笑う角名とアワアワする銀島

喧嘩を止めようと声を掛けながら軽くぽんっと侑の肩に手を置いた🌸

だが、それを振り払おうとした侑の肘が不運にも🌸の顔面に直撃

侑の勢いに負け、吹っ飛ばされてしまった🌸は顔を覆いながら倒れ込む。

その光景に唖然とする双子と、慌てて🌸に駆け寄る角名と銀島。

顔を抑えながらゆっくりと体を起こす🌸

顔を覆う🌸の手からはポタポタと大量に血が流れ出ていた。

流血を見て更に慌てる2人をそっちのけで、ギロッと双子を睨む🌸

スっと立ち上がる🌸に驚く2人と、恐怖を感じる双子

いつもと違う低い声にビビり散らかす双子、🌸に言われてすぐ様正座をする。

ボタボタと流れる鼻血をお構い無しに双子にお説教をする🌸とそれを心配する2人

大声で謝罪をし続ける双子、勢いよく🌸に向けて土下座をする。

ガバッと肩を組んでアピールをする双子

ビシッと指を指した先には🌸が流した鼻血が床に付いていた。

床を必死に掃除する双子を後にする3人

ぽんっと角名の肩に手を置いた銀島は小走りで1年生の所へ向かう

血まみれの手で軽く鼻を覆いながら角名と保健室に足を向けようとした🌸

体育館から出ようと振り返った時に軽く何かにぶつかってしまう。