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テラーノベル(Teller Novel)

ふむ!今日も最高のショーだったな!

オレの名前は天馬司!将来は世界に羽ばたくスターになる男だ!

オレはいつものショーの練習を終えて咲希の待つ我が家に帰ろうと歩いていた時。

道端で同い年くらいの女の子が蹲っていたのだ! オレは未来のスター!

困っている人を見過ごすのはスターにあるまじき行動なので直様オレは女の子に駆け寄った。

大丈夫ですか!?(クソデカボイス)

まふゆ

え…えぇ。ありがとうございます。

蹲っていた彼女に駆け寄った時。オレは彼女に対して強烈な違和感染みたモノを感じた。

(っ!? いかんいかん、何を戸惑っているのだ!オレは!)

まふゆ

あの…どうかしましたか?

!? い、いや…なんでもないぞ…?ハッ…ハッハッハッ…。

そ、それより具合はもう大丈夫なのか…?えっと…その…

オレがもじもじとしていると彼女は何かを察してくれたのか、名を名乗った。

彼女の名前は朝比奈まふゆというらしく、学校は違うが同じ学年であることや、どうして蹲っていたのかその理由を見ず知らずのオレに教えてくれた。

そうか…テストで少し点数が下がってしまったから帰れない……と。

…できるならば少しでも彼女の不安を拭ってやりたかったのは山々なんだが、オレは生憎の馬鹿だから気の利いた台詞を言ってやることもできなかった。

まふゆ

…あ もうこんな時間…テストの事でお母さんに怒られそうだけど帰らなきゃ…。

そう言って朝比奈は袖の時計に視線を落として家路に着こうとしている。

朝比奈の後ろ姿にオレは何故か放っておけなくなり朝比奈の袖を掴んだ。

まふゆ

え…?

朝比奈…さん。
帰る前にオレに少しばかり時間をくれないだろうか?

そしてオレはポケットからスマホとイヤホンを取り出してから朝比奈にイヤホンを付けるように言うと、朝比奈は渋々イヤホンを付けた。

それからオレと朝比奈は近くのベンチに腰を落とすとオレはセカイはまだ始まってすらいないを再生した。

この曲を再生した訳はこの曲はオレとその素晴らしい仲間達の想いでできた曲だから、もしかした朝比奈の不安を少しでも楽にしてやれたらと思っての行動だ。

再生してから数分後。曲が終わると朝比奈はオレに質問を投げかけた。

まふゆ

この曲は誰が作ったの?

ん?あぁ…オレとその仲間達だ!

まふゆ

へぇ…K以外で初めてだ…私の心にこんなにナニカを残した曲を聴いたのは…(小声

まふゆ

ありがとう。おかげで少しは元気…でたよ。

!? そうか!!朝比奈が元気になってくれてオレは嬉しいぞ!

なぬ!?すまん朝比奈!オレはこの後すぐに帰る!気をつけて帰れよ!

まふゆ

……うん。じゃあね。

そう言って名前も知らない彼は私の前から走り去っていってしまった。

まふゆ

また…会えるかな…。 ん?これって落とし物?

私の足元に落ちていたのはさっきまで私と話していた彼の学生証だった。 氏名は…天馬司。 実に彼らしいキラキラした名前。

まふゆ

ん?天馬って…もしかして一年の天馬さんのお兄さん?

彼なら…もしかしたらKみたいに私の心を動かしてくれるかもしれない。

次の日。

山田

おーい!司!正門に居たこの美人さんがお前に用があるんだとさ〜

そうやって大手を振りながらクラスメイトの山田が連れてきた人物はなんと朝比奈だった。

あ、朝比奈!?なんでここにいるんだ!?

まふゆ

ふふふ。天馬くん。これ、昨日落としてたよ。

そう言って朝比奈はポケットからオレの学生証を取り出して手渡してきた。

あ、これはどうもご親切に…って!!
今はこんな事してる場合じゃあなぁーい!

なぜならオレと朝比奈2人を中心に野次馬が取り囲んでいた。

野次馬の中にはオレの見知った奴らも何人か居た。

だが奴らはどいつもこいつもオレのこの状況をほくそ笑み面白がりながら去っていく悪魔のような連中達だ。

まふゆ

ねぇ司君。この後いいかな?

おお、ナチュラルに下の名前呼びで朝比奈はオレに何かの誘いをかけてきた。

山田

えっ!それって!!

朝比奈の思わせぶりな一言に周りの俗な野次馬達は何を想像したのか知らんが ヒュー!ヒュー!と口笛を吹いたり ある者は 「あのワンツーの天馬にあんな綺麗な彼女が居たなんて!!直ぐに号外の準備だ!」 と新聞部の部員達がデマを流そうとしていたり…

くっ!とにかく来い!朝比奈!

オレはこれ以上状況が悪くならないように朝比奈腕を掴んで教室から逃走を図った!

瑞希

うーん。こりゃめんどくさそうな事になったね。

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