死別

彼の口から出た言葉に驚きを隠せない

彼が、私自身、私の両親を殺した…

なんで？

じゃあ私の両親はもう居ないの…？

彼は捕まらないの？

私自身を殺した？

私の記憶が無くなったのは彼のせい？

体が震える

怖くて、でも

彼がそんなことするとは思えない…

コンコンコン

両親は、仲が悪かった

父は毎日私と母を殴った

ピンポーン

ドンドンドンドンドン

毎日毎日、知らない人が家に来た

ドアを蹴って叩いて

金を返せと怒鳴ってくる

違う

ちがうちがうちがうちがう

私、こんなことになりたかったんじゃない

あぁ、もういいや

死んじゃお

彼と私は

…

恋人だった。

ピンポーン

彼は、

何度も何度も父を殴った

私のために、殴った

2人の声は震えていた

全てを諦めているようだった

ピンポーン

それから、警察の方からはこう言われた

私はその場で倒れた

なぜ倒れたのかは、知りたくない

それから目覚めると

私は前方性健忘になっていた。

私は検査を受けて、病気が完全に治ったと 告げられた

俺は本当に運が悪い

なんで、なんで今なんだよ…

嫌だよ、怖いよ

ついに明日

俺は…

あぁ、俺終わるんだ

ごめんね、花

俺どこまでも中途半端だな、。

ボムギュから渡されたのは1枚の手紙だった

今は深夜、私はずっとヨンジュンの手を 握っている

奇跡を願って、彼の温もりが消えないように願い続けている。

この手紙を読めば全てが終わってしまいそうで怖い

深呼吸をして心を整える

震える手で手紙を開く

花ちゃんへ 手紙なんて初めて書くけど、花ちゃんへの 気持ち、全部手紙に残そうと思って。 花ちゃんとも出会って3年ぐらいだね 今、花ちゃんは元気？俺はね、きっと元気じゃないよね…笑 でも花ちゃんは元気でいてね、絶対だよ。 こっちの今での花ちゃんは、俺の事覚えてないんだけどさ、今の花ちゃんはもう治ったかな？ 俺正直めちゃくちゃ怖いんだ、死ぬのも怖いけど、花ちゃんから離れるのが怖い。 花ちゃんを1人にしたくない。 でも俺は世界一不幸な花ちゃんのヒーローだからさ、こんなカッコ悪く終わっちゃうんだけど… 俺誰よりも花ちゃんの事大好きだから ずっと見守ってるからね 花ちゃんは花ちゃんらしく素敵な女性でいてね 俺のことを好きになってくれてありがとう 花ちゃんの事が世界一大好きなヨンジュンより。

ピーピーピー

優しさで、私の事を抱きしめてくれるボムギュ

同じじゃないけど、ヨンジュンと 似た温もりを感じて

安心する、。

ヨンジュンは息を引き取った

最後まで、声が出なくなるまで

私の名前を呼んでいたらしい

今も、ヨンジュンは私のそばにいると思う

居なきゃ困る。

幸せだと思う

ヨンジュンが居たら、もっと幸せだっただろうけど

でも、上手く笑えてる

ヨンジュン、私頑張ったよ

ヨンジュンもお疲れ様…

世界一大好きだよ。

窓から風が吹いた

暖かくて優しい風

元気でね。

END