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コメント
1件
描き方上手すぎません、? めっちゃ好きなんですけど!
ステージに立てば、分かる。誰が自分を見ているか、 どこで歓声が上がるか、 どのタイミングで名前を呼ばれるか。全部、 分かる。
──分かるようにしてきた
中学生の頃から。人より少し早く、 この世界に入って、 人より長く、鏡の前に立ってきた。 どの角度が一番よく見えるか。どの表情で笑えば、目を引けるか。どこで視線を落とせば、相手が自分を追うか。全部、覚えた
研究して、真似して、できるまで何度もやり直した。だから、 ステージの上で“見られない”ことなんて、一度もなかったのに
yan
この日、 客席に居たアイツは違った
男だったから目についたわけじゃないし、 問題はそこじゃない。 “見ない”こと、 俺を。それが、ありえなかった
yan
思考の奥で、当たり前と思っていることが浮かぶ
yan
そういう世界だった。そういう反応しか、知らなかった。 だからこそ、 視線が来ないことが、こんなに引っかかるなんて思わなかった
一度だけ目が合ったときもそうだ。固まるわけでもなく、 慌てるわけでもなく、 ただ、 “興味がない人を見るみたいに”逸らされた。 その感覚が、ずっと残ってる
yan
こんな風に扱われたの
歌いながらも、頭のどこかがそっちに引っ張られる。気づけば、何度も視線を向けていた。 でも、 アイツの目は変わらない。ずっと、 リーダーを見てる。嬉しそうに、 楽しそうに
yan
ほんの少しだけ、胸の奥がざわつく。理由は分からない。分かりたくもない。 ただ、 目だけが離せなかった
ライブが終わっても、頭の中は静かにならなかった。 歓声も、 音も、 全部消えてるのに、 さっき見た光景だけがやけに残っている。
yan
もっと派手なファンもいた。目立つやつも、可愛い子も、叫んでるやつも。 いつもなら、そっちに目が行く。いや、 行くようにしてきた
なのに、 今日は違った
アイツだけ、 ずっと引っかかってる。騒いでるわけでもない、 名前を呼ぶわけでもない。 ただ、静かに立ってた。暗めの茶髪が、ライトに当たるたびに少しだけ柔らかく見えて、それでも表情はほとんど動かない
yan
jp
楽屋の方から声がした。jppだ、アイツが今日ずっと見ていた男
yan
そう返しながらも、足は動かなかった。自分でも分かってる。おかしいって、 たった一人の客に、こんなに思考を持っていかれるなんて
yan
理由をつける。気まぐれでも、興味でもないって思いたくて。ただ、確かめたいだけだって。本当に、そうかも分かんないけど。そう思った瞬間にはもう、体が動いていた
マネージャーの視線を避けて、外に出る。少し歩いて、視線を巡らせる。 いた、コイツだ
スマホを見ながら歩いている。ステージの上で見た時と同じで、人混みの中にいるのに、どこか浮いて見えた
yan
迷いはなかった。足が自然とそっちに向かう
yan
声をかける、 振り向いた顔。思ってたより、ちゃんと綺麗だった。派手じゃないし、 作ってる感じもない。でも、 目が合った瞬間、分かった
yan
あの時、引っかかった理由。静かなのに、目だけが強い。見てくるわけでもないのに、見られたら逸らせない感じ
yan
変な感じだ
yan
できるだけいつも通りに言う。試すみたいに。この距離なら、さすがに何か反応するだろって。 でも、
ur
返ってきたのは、あっさりした声。拍子抜けするくらい
yan
一瞬、言葉が出なかった。
この距離で、 この状況で。“普通”って何 ? 笑ってみせる、 癖みたいに。いつも通りの表情。完璧にできているはずのそれ。 でも、 内側は全然いつも通りじゃない。
ur
少しだけ不機嫌そうな声。ツンとしてる。でも、 その態度すら、妙に引っかかる
yan
yan
それだけじゃ足りない。本当は、 もっとちゃんと聞きたい。 なんで俺を見ないのか、 なんでjppを見てたのか
でも、それを言葉にするのは変だって分かってる。でも少しだけ、こぼれてしまった
yan
言った後で自分でも思う
yan
こんなこと一度も言ったことがない
その瞬間、 目の前のソイツがこっちをちゃんと見た
まっすぐ、 初めて逃げずに。目が合う。一瞬息が詰まった
yan
やっと、こっちを見たのに、 嬉しいとかじゃない。 なんか、違う。もっと奥を見られてる感じ。取り繕ったものじゃなくて、そのままを見られてるみたいな
さっきまでの自分の視線と、同じ
yan
特別じゃないみたいに。俺を、特別にしないみたいに。 そのくせ、 目だけは、ちゃんと見てくる。逃げないで、 俺から
yan
目が離せなかった。胸の奥が、じわっと熱くなる。これが何なのか、まだ分からない。 でも、 分かりたくないとも思わなかった。ただ一つ、はっきりしてること
yan
それだけだった
ur
淡々とした声がする
yan
yan
ur
yan
yan
na
冷たい目が少しだけ、 光を持った。俺がファンを覚えてるのが意外だったのかな
ブー、 ブー、
yan
ur
yan
知ってるjpp推しなのも、それを見越して意地悪っぽく聞いたのだ
ur
ur
yan
ur
yan
yan
俺を見てもらうチャンスを逃しはしない
3,678
#ur愛され