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テラーノベルの小説コンテスト 第4回テノコン 2025年1月10日〜3月31日まで

ユイ

さっきはごめん

ユウナ

え?もしかしてあの2人のこと?

ユイ

うん

ユウナ

全然大丈夫だよ!気にしてない!

ユウナ

ユイが拒否しなかったのも嬉しかったし…

ユウナ

(って私何言ってるの?!)

ふと、惹かれるように足元へ目を落とす。

コンクリートの隙間から覗くそれは、素朴ながら不思議な存在感があった

ユイ

(白い花だ)

ユイ

なんか、すごい綺麗

ユウナ

え?!!

ユウナ

綺麗ってそんな急に言われても////

ユイ

ん、ああ

ユイ

ごめん聞いてなかった

ユイ

ユウナなんか言った?

ユウナ

ユウナ

もういい!難聴!バカ!!

ユイ

え、なんで……

ユウナ

ていうか、さっきから何を見てるの?

ユイ

ほら。あそこのコンクリートの隙間

ユイ

綺麗な白い花が咲いてる

ユウナ

どれどれ…

ユウナ

本当だ!この花かわいい〜

ユウナ

なんて名前かわかる?

ユイ

わからない。ちょっと探してみる

ユイ

ユイ

いくら探してもない

ユウナ

あんまりこの地域で見たことないかも

ユウナ

もしかしたら新種発見した説ある?!

ユイ

こりゃあヌーベル賞貰わんとな

ユイ

そういえばそっちの家花屋じゃなかったっけ?

ユウナ

あ、そうだった!

ユウナ

私写真撮って親に見せてみるよ!

ユイ

そんなわざわざ、ありがとう

ユウナ

後でちゃんと代償払ってもらうからね(^_-)

ユイ

ほんと財布には優しくないなぁ

ユウナはスマホを取り出すと、花と同じ目線で写真を撮り始めた

ユウナ

(私、花に負けてる…うう…)

子供

ねーおかあさーーん

子供

あのおにいちゃんたちなにしてるのー?

女性

しっ…見ちゃダメよ

ユイ

(そこまで不審者扱いするか?普通)

ユイ

…俺たちめっちゃ怪しまれてる

ユイ

高校生2人が道端の花をずっと眺めてて

ユウナ

え、ただの植物観察してるだけなのに?!

ユウナ

小学生だってしてるのに!いいじゃん!

ユイ

俺らの年がやってると浮くねこれ

ユイ

撮り終わったら早くいこっか

そう言って俺はユウナの手を引いて立たせるが 女子だとは思えないくらい重かった

ユウナ

ん?なんか言った??

ユイ

あ、ナンデモナイデス

そして、今俺たちはユウの墓の前にいる

辺はだいぶ薄暗くなったが、それでも互いを認知できた

ユウナ

お墓にしては薄気味悪くないよね。不思議

ユイ

ユイ

ユウナ

(え、あれ)

ユイ

ユウナ

ユ…イ?

背後から妙にひんやりとした風が吹いている

背後にいる気配の正体を確かめるべく私は振り向いた

そこには

ユイ

ばあ!!!!

ユウナ

ギャアアアアアアアアアアアアアアアア!!

ユイ

爆笑爆笑

ユイ

うわ痛って叩くなよ

ユウナ

ほんっと最低!!死ぬんだけど!

ユイ

誰だよ薄気味悪くないとかいったやつ

ユイ

ってわかったからもう叩くな

ユウナ

不意打ちだったの!別に幽霊とか信じてないから

ユイ

はいはい

ユイ

とりあえずお供物して帰ろう

そう言って購買で買ったドーナッツを備えて手を合わせる ユウナもそれに気付いて手を合わせた

ユウナ

…ごめん急だけどさ

ユウナ

ユウナ

ユイってさ

ユウナ

ユウちゃんと仲よかった?

ユイ

え?

ユウナ

(あ、まずいタイミング悪かったかも)

ユイ

…俺は普通にユウのこと好きだったよ

ユイ

あっちはちっとも好きじゃなかったみたいだけど

ユイ

仲良かったって聞かれたら別だね

ユウナ

確かに一緒に遊んでるのほぼみたこと…

ユイ

こう見えて昔はちゃんと仲よかったよ

ユイ

ユウナと3人で遊んだこともあったし

ユウナ

一時期あったね懐かしい〜!

ユウナ

けど、ユウちゃん急にそっけなくなったね

ユイ

わかんないけど多分反抗期?笑

ユウナ

てことは!!

ユウナ

にいちゃんって呼ばれなくなったり

ユウナ

えっちな雑誌燃やされたりしてない?

ユイ

なにを考えてえっちな雑誌にたどり着いた

ユイ

お兄ちゃんって呼ばれなくなったのはあったね

ユイ

あれ地味にメンタル食うわ

ユウナ

うーーーーん

ユウナ

こっちも考えただけでしんどい…

ユイ

まあ、ユウは俺のたった1人の妹だしね

ユイ

嫌われてようが兄弟である事は変わらないから

ユイ

俺は今でも大切に思うよ

ユウナ

(やっぱりいいお兄ちゃんだ…)

ユウナ

あ、お母さんからメールきた

ユウナ

もう帰らなきゃだめか〜

ユイ

家まで送ってあげるよ

ユウナ

ううん!大丈夫!私ここから家近いし

ユイ

ううん。送るよ

ユイ

今日わざわざこんな時間まで付き合ってくれたし

ユイ

それに、

ユイ

夜道に野放しにしたら他の人危ないからね

ユウナ

ーーーーーーーーっ

ユウナ

私が襲う側かよ!!!

ユイ

いたたたたいいたいいたいいたたい

ユイ

耳が取れるって…

ユウナ

もういいです1人で帰ります!

ユイ

ちょ、冗談だ送ってくからーー

ユイ

(また戻ってくる)

ユイ

…おやすみ。ユウ

ユウナを家まで送り届けたあと 俺は何とか無事に帰宅した

ユイ

ただいま〜

ユイ

(あ、カレーの匂いだ)

ミチコ

おかえりなさーい

ミチコ

ほら、あなた

ミチコ

ユイが帰ってきたわよ!

ユイ

お父さん今日は早いんだね

ユウイチ

お、ユイか。こんな時間まで何してたんだ

ユウイチ

俺もお母さんも心配してたんだぞ

ユイ

友達と話してたらいつの間にか時間が飛んでて、

ユイ

遅くなってごめん

ミチコ

無事に帰ってきたからいいじゃないの〜

ユウイチ

そうだな。けど今度から遅くなる時は必ず連絡してな

ユイ

心配してくれてありがとう。今度から気をつけるよ

ユイ

…お父さん、お母さん

ユイ

今日は何の日か覚えてる?

ミチコ

え、今日は何の日かって??

ユウイチ

んーーそうだな〜

ユウイチ

今日はお母さんのカレーの日だな!

ミチコ

ちょっとやだお父さんったら〜笑笑

ユイ

ユイ

うん。そうだよね

ユウが亡くなったあの日から 俺たち家族はその話題に触れないようにしている

ユイ

(仕方ないことだよね)

ユイ

(あ、そうだ)

ユイ

(白い花のこと聞いてみよ)

ユイ

(俺が生まれる前から長年ここにいた人たちなら
わかるかも)

ユイ

そうだ、今日…

ぐぅ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

ユイ

(お、お腹が鳴ってしまった)

ユウイチ

おいおい笑今の音凄かったぞ

ミチコ

ほら、そんなに空いてるなら冷めちゃう前に食べなさい

ミチコ

今日はあなたたちが好きなカレーよ

ユイ

お母さんいつもありがとう

ユイ

(みんな俺を待っててくれてて…申し訳ないなぁ)

ユイ

(今はお腹が空いたしまた今度でいっか)

ユイ

いただきます!

俺はお母さんが温め直してくれたカレーを口いっぱいに頬張った

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