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この話は、夏目友人帳とおそ松さんのクロスオーバー作品となっております

苦手な方はここで閉じることをおすすめ致します

構わないという方やウェリカムな方はお進み下さい

小さい時から時々、変なものを見た

他の人には見えないそれらは、恐らく

"妖怪"と言われるものの類__

俺の名前は、夏目 貴志(なつめ たかし)

両親を早くに亡くし、親戚をタライ回しにされていた俺を心優しい、藤原夫妻が引き取ってくれた

それから、妖怪のニャンコ先生(本名 斑(まだら))と出会い、友人帳の存在も知った

友人帳とは、祖母・夏目レイコが打ち負かしてきた妖怪達の名が書かれている物であり

友人帳に名前がある妖怪達は名前を呼ばれれば逆らうことができず、名前が書かれた紙を破ればその名前の妖怪の身が裂け、燃やせば身が燃える。

名前がある妖怪にとっては、その紙は"命そのもの"である。

故に、友人帳を狙う妖怪達は大勢で、俺は毎日妖怪に追われる日々である。

休日のお昼、俺はニャンコ先生と散歩をしに出かけていた

ニャンコ先生

おい夏目!帰りに七辻屋に寄るぞ

夏目

饅頭は一昨日も食べただろ。先生

ニャンコ先生

七辻屋の饅頭は、毎日食っても飽きないのだ!

夏目

そういう問題じゃなくて__

ガサッ

ニャンコ先生

あっ!バッタだ!

ニャンコ先生

おい待てっ!

夏目

あっ!

先生がバッタを追いかけに行くので、リードを手放してしまった

ニャンコ先生

待て待て〜!

夏目

コラ!先生!!

タッタッタッ

先生を追いかけている内に、森奥に迷ってしまっていた

それに、先生の事も見失ってしまった

夏目

…困ったなぁ……

森は妖怪が多く集まっている為、1人で行動するのは大変危険だ

今、腰のポシェットの中に友人帳が入っているから危険性が高まる

夏目

(…まぁでも、先生なら夕飯までには帰ってくるか…)

夏目

(それに一応、先生も強いらしいし……)

そう思い、俺は来た方向へと戻ろうとした瞬間

「………夏目……レイコ………」

夏目

っ!

邪悪な気を感じ、後ろを振り返る

そこには黒く長い髪が乱れていて、薄汚れている白色の着物を着ている妖怪が居た

妖怪

レイコ………夏目……レイコ……

夏目

違う…!俺は__

妖怪

友人帳を………寄越せ……

妖怪

寄越せ……友人帳……!!

夏目

っ!!

グッ

夏目

ぐあ"っ…!!

襲いかかる妖怪に、俺は何もできずに首を絞められる

妖怪

寄越せ……!友人帳を寄越せ……!!

夏目

は…っ"なっ"……!

グググ……

夏目

か"は…っ"!

抵抗をするが、相手の力が強まるばかりだ

妖怪

友人帳を寄越せ……!友人帳を…!!

夏目

っ……!離せって……言ってるだろうが!!

ドガッ

妖怪

ぐぁ"っ!!

俺は右手拳を思いっきり振るい上げ、相手の顔に目掛けて殴る

夏目

っは……っは……っ

タッタッタッ

酸欠で上手く呼吸ができないが、俺は必死に走った

妖怪

おのれ……おのれ……!!

妖怪

許さんぞ…夏目レイコ…!!

夏目

はっ…!はっ…はっ…!

俺は必死になって走り続けた

夏目

(早くこの森から出ないと……!)

ガサガサガサ

ドサッ

低木を抜け、俺は座り込んだ

夏目

はぁ……はぁ……

夏目

(…このまま帰ってしまったら、もし万が一、家まで来て…塔子さんと滋さんに何かあったら……)

俺の中に、不安が駆け巡る

夏目

(どうする……この辺に、妖怪を封じる物があれば……)

そう考え込んでいる時

ガサガサ

夏目

っ!?

おそ松

あれ?君、人間?

夏目

えっ……

赤いパーカーの人が、低木から出てきた

その手には、刀を持っている

おそ松

こんな森奧に子供が居ると危ないよ〜?

おそ松

早く出た方がいいよ

夏目

あ………

おそ松

…あれ…君、顔色悪いよ。どした?

夏目

い、いや……その……

おそ松

…もしかして…君も見える感じ?

夏目

えっ…!あなたも…なんですか?

おそ松

そう!俺も見えるんだ〜。妖怪ってやつを!

夏目

は、はぁ…

なんだか脳天気な人で、俺は少し困惑する

夏目

(妖怪が見える人で、こんな明るい人は初めて…な気がする)

おそ松

なぁなぁ、君なんて名前?俺はおそ松!よろしくな!

夏目

あ…夏目、貴志です。よろしくお願いします…?

おそ松

へぇ…夏目……

夏目

…?

おそ松

……君も大変だねぇ…

夏目

えっ…?

赤いパーカーの人…おそ松さんは、ため息混じりでそう言った

ガサガサ

妖怪

見つけた……!夏目レイコ…!!

夏目

っ!!(まずい!こんな時に……!)

夏目

おそ松さん!下がっ__

グイッ

夏目

っ!?

おそ松

逆だよ逆。下がるのはそっち

おそ松さんは、俺の腕を引き、前に立った

夏目

おそ松さんっ…!危ないから逃げ__

おそ松

大丈夫。兄ちゃんに任せろ

夏目

えっ……

妖怪

お前……何者だ……?

おそ松

はっ…これから祓われるってのに、相手が何者か知る必要ねぇだろ

夏目

!!(この人…まさか……!!)

おそ松

さぁてと__

スチャ

おそ松さんは、刀に手を掛ける

おそ松

ちゃっちゃと片付けるか

ザシュッ

妖怪

ぐっ…あ"ぁぁ"ああ"ぁ"っ"っ!!!!!

夏目

っ!!

妖怪の身体は青く燃えていた

妖怪

あ"づい"……!!あ"づい"ぃぃ"ぃ"…!!

妖怪

ゔあ"ぁぁぁぁ"ああ"あ"っ"っ"!!!

妖怪は、灰になって消えた

夏目

………………………

俺は驚きのあまり、固まった

おそ松

…よーし!いっちょ上がり!

おそ松

大丈夫そ?夏目君。ごめんねぇ急に引っ張って

夏目

あ……い、いえ……

呑気そうに言うおそ松さんに、俺は小さな声で返事する事しかできなかった

夏目

……あ、あの…おそ松さんって__

「おーい!おそ松兄さーん!!」

夏目

!?

おそ松

お、来た来た

ガサガサ

チョロ松

もー!何してたの!?勝手に行動するなっていつも言ってるよね!?

おそ松

あはははっ!悪ぃ悪ぃ!

チョロ松

そう言ってちっとも反省してねぇだろお前は!!

カラ松

まぁ落ち着けチョロ松。こうして無事に見つかって良かったじゃな__

トド松

イタイから黙ってカラ松兄さん!

カラ松

えっ

一松

ほんと自分勝手だよね…おそ松兄さんって……

十四松

アハハ!自分勝手〜!!

夏目

えっ…えっ…?

低木から出てきたのは、おそ松さんと同じ顔をした5人

いや…よく見れば、全員それぞれの特徴がある

トド松

ていうか誰?その子

桃色のパーカーの人が、俺を指さして質問をする

おそ松

さっきここで会った奴。ちなみにこいつも見えるんだって

トド松

はっ!?見えるのこの子も!!

夏目

あ……はい

トド松

ウッソでしょ!?

おそ松

マジだから落ち着けってトド松

夏目

ト、ド……?

おそ松

ん?あぁ、こいつら全員俺の弟。まぁ俺ら六つ子だから同い年なんだけどね!

夏目

へっ……六つ子……??

夏目

(六つ子って…初めて聞いたし、初めて見た……)

俺は6人を見渡し、全員同じ顔である事に納得した

おそ松

凄いっしょ?珍しいっしょ?

夏目

えっ……あ…えっ……

俺はどう言えばいいのか分からず、戸惑う

チョロ松

おい!困らせんな!!

緑のパーカーの下に白シャツを着ている人がおそ松さんに対して怒る

おそ松

そう怒んなってチョロちゃ〜ん

チョロ松

チョロちゃん言うなっ!!

カラ松

ふっ……こんな森奧に同類を見つけるとは…運命の他にない!

青いパーカーで袖をまくっている人がそう言う

一松

…黙れクソ松

カラ松

えっ

紫のパーカーの人が、青のパーカーの人をギロッと睨む

十四松

わは〜!!君も見えるんすね!!僕達も見えるんだよ〜!!

夏目

(近っ!!)

黄色のパーカーで袖が長い人が、大きな声で俺のすぐ前まで近づく

おそ松

愉快な弟たちだろ〜?

夏目

は、はい……

おそ松さんは、イタズラっ子の様な笑顔で俺を見上げる

夏目

……あの、おそ松さんって……

おそ松

ん?

夏目

は、祓い屋…なんですか?

おそ松

えっ、今?

夏目

へっ?

おそ松

刀持ってて、妖怪が見えて、こんな森奧に来てる…祓い屋の要素しかねぇじゃん!!

祓い屋(はらいや)とは妖怪を祓ったり、封印したり、妖怪関連の仕事をこなす人達の事だ

おそ松

夏目君って、意外と鈍感なんだな〜

夏目

べ、別にそういう訳では__

トド松

……夏目?

夏目

トド松

……あぁごめん、なんでもないよ

夏目

(…もしかして、レイコさんの事を知ってるのか?)

夏目

(いやでも、この人も人間__)

ヒョコッ

ニャンコ先生

おい夏目、こんな所に居たのか

夏目

うわっ!先生!

先生が後ろの低木から突然顔を出してきた

ニャンコ先生

ん?なんだそいつらは

夏目

あっ、えっと…この人達は……

おそ松

ぶっはははっ!!なんだそのブッサイクな猫!!

おそ松さんは、腹を抱えて吹き出した

ニャンコ先生

なんだと!?小僧!誰がブサイクだ!

おそ松

あっははははははっ!!

ニャンコ先生

笑い事ではないわ!!

おそ松

あー面白ぇ!

チョロ松

いや面白いとかよりも、猫が喋った事に対してなんか言えよ!!

おそ松

いやいやもう遅せぇだろ〜?猫の見た目をしてる妖怪なんて、死ぬ程居るし

十四松

一松兄さんの式もそうだもんね!!

チョロ松

……………

夏目

えっ…もしかして他の皆さんも祓い屋なんですか?

おそ松

気づくの遅っ!!

ニャンコ先生

なるほど、祓い屋か

ニャンコ先生

…お前達、さては"松野家"か?

夏目

松野家?

ニャンコ先生

あぁ、六つ子の祓い屋が居ると聞いた事がある

ニャンコ先生

そしてその祓い屋の名は松野家と…

ニャンコ先生

最近この辺りに住んでいると発覚してから、ここら辺の妖はその話題で持ち切りだ

夏目

へぇ〜、そうだったのか

ニャンコ先生

ったく…お前はすーぐに祓い屋にも絡みおって……

夏目

う……

図星を突かれ、俺は何も言えなくなった

一松

…ねぇ、その猫はアンタの何なの?

チョロ松

え?式なんじゃないの?

ニャンコ先生

阿呆か!誰がこんなヒョロヒョロもやし人間の式なんかになるか!

カラ松

?では、何なんだ?

ニャンコ先生

私はこいつの用心棒だ!!

おそ松

用心棒と式って、ほぼ同じじゃね?

ニャンコ先生

同じでは無い!

トド松

てか用心棒なら、なんで守るべき人の傍から離れてたの?

ニャンコ先生

それはこいつが勝手にウロウロとしているからだ!

夏目

なっ!今回は先生が勝手にどっかに行ったんだろ!

ニャンコ先生

何っ!?私に口答えするとは、なんと恩知らず!

夏目

そもそも先生、用心棒っぽい事した事がないじゃないか!

ニャンコ先生

私だって用心棒っぽい事、一度や二度くらいはしておる!

ニャンコ先生

大体お前とは__

ニャンコ先生

……………

夏目

…?先生?

六つ子

ニャンコ先生

……とにかく、今日はもう帰るぞ!

チョロ松

いやいやいや!今の間何!?すっごい気になるんだけど!!

ニャンコ先生

お前達が気にする様なことでは無い!夏目、とっとと行くぞ!

夏目

あ、あぁ!

夏目

では、失礼します!

十四松

またね夏目君!

黄色のパーカーの人は、腕を大きく振った

夏目

あ…はい、また!

俺も手を一振りして、先生の後をついて行く

タッタッタッ

森を抜け出すと、すでに日が暮れていた

夏目

そういえば先生、さっきは何を言いかけていたんだ?

ニャンコ先生

何の話だ?

夏目

ほら、さっき"大体お前とは…"って、途中で黙っていただろ?

ニャンコ先生

あぁその事か

ニャンコ先生

私は、"大体お前とは友人帳を手に入れるまでの付き合い"と言いたかっただけだ

夏目

なんだ、そういう事か…

友人帳は、多くの妖怪達を従える物である為、祓い屋にはあまり知られない方がいい

夏目

(…先生なりに、気を使ってくれたのだろうか…)

ニャンコ先生

……お!夏目、帰る前に七辻屋に寄るぞ!

夏目

もうすぐで夕飯だぞ、先生

ニャンコ先生

さっき"帰り際に七辻屋に行く"と言っただろう!

夏目

俺は承諾していないぞ!

ニャンコ先生

否定もしていないだろ!

夏目

うっ……そ、それは……

ニャンコ先生

行くぞ夏目!七辻屋の饅頭〜!

タッタッタッ

夏目

あ!コラ先生!!

七辻屋へと向かっていく先生の後を追い、結局饅頭を買って帰った

夕暮れの中、六つ子達は二列に並んで歩いていた

おそ松

夏目貴志君、ねぇ……

両手を頭の後ろで組んでおり、一番前を歩く赤いパーカーの青年は

松野家長男、松野おそ松

カラ松

"夏目"と言えば、あの"夏目レイコ"じゃないか?

キリッとした眉が特徴で、おそ松の左隣を歩く青いパーカーの青年は

松野家次男、松野カラ松

チョロ松

夏目レイコって、あの友人帳…とか言うやつの?

小さい瞳で、困り眉とへの形をした口が特徴で、おそ松の後ろを歩く、シャツの上に緑のパーカーの青年は

松野家三男、松野チョロ松

一松

あぁ…あの妖力が強い女の人…

猫背で、ボサボサの髪と半目が特徴で、チョロ松の左隣を歩く紫のパーカーの青年は

松野家四男、松野一松

十四松

貴志君…タカシ君…ハッ!もしかして、野球好きかな!?

袖が長く、口が大きく開いているのが特徴で、チョロ松の後ろを歩く黄色のパーカーの青年は

松野家五男、松野十四松

トド松

十四松兄さん、名前が貴志だからって野球が好きとは限らないよ

瞳が大きく、アヒル口が特徴で、十四松の左隣を歩く桃色のパーカーの青年は

松野家六男、松野トド松

おそ松

(…あんなに妖力が強いんなら、祓い屋でもやればいいのに…もったいねぇ…)

おそ松

……うちに入ってくんねぇかなぁ……

カラ松

ん?おそ松、何か言ったか?

おそ松

…いやぁ?何も?

おそ松の呟きは、好き勝手喋っている弟達の声へと消えていった

六つ子達の設定

松野家とは、祓い屋の中でも強いクラスに入るレベル

元は父・松野松造(まつの まつぞう)と母・松野松代(まつの まつよ)が祓い業をしていたが、年がそこそこなので祓い業を辞め六つ子に継いで貰う事にした

「ニートだし丁度いいわ」

「妖力もそこそこ強いしな」

という感じで継いで貰う事に関しては苦労は無かったという

松野家の強さは名取家とあまり変わらない

6人が主に使う武器↓ おそ松・一松:刀 しかし一松は猫又の式が5匹居るので、刀はほとんど使わない チョロ松・トド松:術系 刀とかは使わなくて、陣とか紙式とかで戦う カラ松・十四松:数珠 数珠を手に付けて殴る感じ。見た目はほぼ素手状態

6人全員ほぼ同じレベルで、依頼とかは大体6人でこなしている

たまに「あ、この依頼はアイツらだけでいっか」っていうのもある。その時はそのペアで行う

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