僕はこの春、私立弦巻学園に新入生として入学した
部活に入る予定はなかったのだが、クラスでできた友達に連れられ、しぶしぶ弓道部の部活動見学に来ることになった
古論
りくと
ゆうた
古論
早く帰ってゲームしたいのになぁ。 なんて思いながら、重い足を動かして友達の後につく
古論
校舎から出て、緑の中をひたすら歩いている状態だ
ゆうた
古論
歩くのは疲れたが、昨日降った雨と草木の匂いが調和して、心地いい
案外悪くないかも… と、そう思ったとき
りくと
ゆうた
古論
道場は、茂みの中にどんっとずっしり建てられていた
特別な装飾がされてあったわけではないのだが、意外に迫力があって僕は呆気にとられていた
道場内からは、勢いよく矢が的を射抜く音と、『よし!!』という大きな声が聞こえてきた
りくと
ゆうた
内からにじみ出てくる迫力におされている言い出しっぺ二人
りくと
ゆうた
古論
りくと
僕はためらいなく扉に手をかける
すると次の瞬間…
古論
ガラッ…ガラガラッという音をたてて、重そうな扉がだんだんと開いていった
中からは、袴を着た、おそらく先輩であろう人物が出てきた
部活の先輩
その人物は僕の顔を見た瞬間、明らかに驚いた顔をした
まあ、当たり前だろう。 僕は入学早々、暴力問題を起こした問題児なんだから
古論
部活の先輩
古論
部活の先輩
いちいち面倒くさいなと思いながらも、言われたとおりにして道場に入る
古論
りくと
ゆうた
部活の先輩
古論
袴を着た10人くらいの男達が、一列になって次々と弓を引いていた
古論
唯一の楽しみだった、袴を着たかわいい女子を見るという願望は叶わなかった
放たれた矢が、一瞬にしてきれいな黄緑色の芝生の上を通り、的に中たる
『よし!!』
いきなりの大きな声に、僕は驚いて体を揺らした
古論
りくと
部活の先輩
古論
古論
古論
古論
古論
他に聞こえない程度に悪態をついた
古論
ゆうた
目についたのは、ずば抜けて的中率が高く、端正な姿をした男だった
一人だけ色素の薄い茶髪の、琥珀色の目をしていた
古論
せっかく来たのに嫌なことばかり起きるのでいらついていた僕は、あのイケメンに少し嫌がらせをすることにした
古論
古論
りくと
ゆうた
部活の先輩
部活の先輩
入学してすぐ問題児になった僕が怖いのか 意外と乗り気な先輩は、ボソッと僕に言った
古論
調子に乗った僕は、友達の静止を振り切って、今日一番大きな声で言った
古論
部活の先輩
瑠生
全員の視線がこちらに向けられる
向けられた表情は様々だった
もちろん、批判的な目が多かったが
僕の発言を聞いて周りと笑う人も一定数いた
りくと
この空気に耐えられなくなった友人が僕の腕を引っ張る
古論
古論
すると
瑠生
古論
古論
こちらに向ってきた黄谷とやらを、馬鹿にするように嘲笑う
古論
瑠生
瑠生
瑠生
後輩に敬語かよ。だっさ…なんて呑気に考えていた次の瞬間
目の前にしゃがみこまれ、頭を掴まれて、誰にも聞こえないような声でこう囁かれた
『それすっごくダサいって気づいてる…?笑』
古論
タレ目で、気の弱そうな顔立ちとは裏腹に、腹の黒いことを言ってくるこいつに驚きを隠せなかった
瑠生
古論
瑠生
殴りかかろうとするも、軽くかわされてしまう
りくと
ゆうた
瑠生
瑠生
まだ幼さの残った顔が、意地悪な笑みを浮かべる
古論
わざと肩をぶつけて、扉の方へ向かっていく
決めた
こいつをいじめ倒して、部活を辞めさせてやる
僕は弓道部への入部を決意した
続く
作者
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コメント
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