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今日は哲汰と買い物に行く 約束をしていた。 お互い仕事があったから、 終わったあとに待ち合わせしてから 行くことにしていた。
仕事終わり、駅前のカフェの前で スマホを見ながら哲汰を待っていると、 声をかけられた。
モブ1.
突然の声に顔を上げると、 見知らぬ男が二人。 どちらも年上っぽい、 ちょっとガラの悪そうな雰囲気だ。
直弥.
思わず軽く頭を下げて、その場を 離れようとしたけど、片方がすぐに 前に回り込んできた。
モブ2.
直弥.
なるべく穏やかに断る。 だけど男たちは 全然引いてくれなかった。
モブ2.
直弥.
そう言った瞬間、ぐっと腕を掴まれた。 思わず声が詰まる。
直弥.
引こうとするけど、相手の力が強くて ビクともしない。 焦りで心臓が早鐘を打つ。
モブ1.
直弥.
必死に抵抗しても、もう一人の男が 横から近づいてきて、完全に逃げ道を 塞がれてしまった。
直弥.
怖い。 周りには人がいるはずなのに、 誰も助けてくれない。 声を上げても無視されるんじゃないかって思ったら、余計に声が出なかった。
頭の中に浮かぶのは、ただ一人の名前。
直弥.
さっきまで「早く哲汰に会いたいな」 なんて呑気に思ってた自分が 嘘みたいだ。 ただただ、哲汰に会いたい。 哲汰が来てくれれば、きっとこの状況を 変えてくれる。
直弥.
腕が痛い。 涙がにじみそうになるのを 必死でこらえた、その時――
哲汰.
聞き慣れた声が響いた。