ネオンステージのセカイ
奏
ここだよね
まふゆ
うん
~♪
ステージから音楽が聞こえてきた
結菜
奏!まふゆ!向こうにいる子だよ、きっと
奏
そうかも…なら私達行かないと
藍歌
そこの人達、どうしたの?
奏
!?
まふゆ
!?
結菜
!?
振り返るとそこにはアイドルがいた
まふゆ
こんにちは!私達は喪音さんに頼まれて、貴女を救いに来ました
藍歌
あぁ…それか…
まふゆ
どうかしましたか?
藍歌
その事なんだけど、もう向こうには戻れないって伝えておいてほしいな
まふゆ
……え
奏
えっ
結菜
!?
藍歌は真剣な眼差しで奏達を見た
藍歌
もう私には、大事なファンの皆がいるの
藍歌
それに、こんなにサイリウムに照らされて……!
藍歌
もう引くに引けない状況なんだよね
結菜
ファンの数が多いのか~
藍歌
うん、そうだね
藍歌
【アイドルである私】が好きな人だから、【アイドルではない私】を皆は受け入れてくれないと思うよ
藍歌
だったらもう私はずっとやり続けようかな~って!
藍歌
それなら私、皆の期待に答えられるから!
最期まで笑顔を絶やさずに話した
まふゆ
……藍歌さんが本当にやりたいことって何ですか?
藍歌
え?
まふゆ
だから、本当にやりたいことですよ
藍歌
本当にやりたいこと……か
藍歌
そういえば全然そんなの考えたことないなぁ~
結菜
やってて飽きなかったものとか!
藍歌
う~ん……
まふゆ
今のアイドル活動、やってて楽しいですか?
奏
まふゆ!流石に失礼だってば
藍歌
……っ、そりゃあ楽しいに決まってるじゃん!
藍歌
綺麗で可愛い衣装で着飾って、とびっきりの音楽を届けて
藍歌
皆に届いたらすっごく嬉しいんだ
まふゆ
声がなんだか嘘をついているみたい
まふゆはさらに声のトーンを落として言った
藍歌
!?
まふゆ
ほら、やっぱり
まふゆ
図星だ
奏
ま、まふゆ、、?
奏
さすがに藍歌さんが可哀想だよ…?
藍歌
ごめんなさい
結菜
!?!?
奏
!?
藍歌
私……には
藍歌
沢山の愛してくれる人がいるから…
藍歌
だから…
藍歌
私は……
藍歌
……
藍歌はとうとう黙りこんでしまった
まふゆ
私は藍歌さんがやりたいほうをやれば良いとおもいますよ
藍歌
……!
まふゆ
アイドルでない藍歌さんも愛してくれる人がいないとは限らないでしょう?
藍歌
そうなのかな?
まふゆ
可能性は低くても、きっといるから
まふゆ
少なくとも、私達は藍歌さんの味方ですよ
藍歌
……
藍歌
ウグッ…
結菜
どうした!?
奏
!?
藍歌
……私、泣いちゃいけない、、のにね
藍歌
どうしてかな…私…
藍歌
アイドルだから笑顔でいなくちゃいけないのに───
藍歌
涙が熱いよ……
藍歌はまふゆにもたれかかった
まふゆ
!!
藍歌
ありがとう……本当に感謝しかない…!
藍歌
そこの二人もありがとう…!
結菜
あ、えっ、どういたしまして
奏
ありがとうね
藍歌
……いつまでももたれかかっちゃ迷惑だね
藍歌
よし、私決めたよ!
藍歌
向こうに戻るよ
藍歌
そしてまた皆と「本当にやりたいこと」をやる
藍歌
でも、アイドルを辞めるのも寂しいから
藍歌
アイドルも掛け持つよ!
まふゆ
分かりました
結菜
まふゆ、やっぱり流石だね
奏
やっぱりまふゆは優しいよ
まふゆ
……そうかな?
まふゆ
ふふ、、
そうして、まだ目のふちが赤い藍歌を支えながら、皆は戻った