一覧ページ

どんな姿でも君は美しい実玄

第1話 - どんな姿でも君は美しい実玄

211

2020年10月24日

#鬼滅の刃

#腐滅の刃

#実玄

#さねげん

凛々

ハロウィンの妖怪パロの実玄です

玄弥がまさかの牛鬼でビビったんですが、少し悲しい牛鬼の逸話を元に実玄で提供しようと思いました、結構付け足してますので色々違う内容ですが結末は同じです

あのやばい見た目の鬼が玄弥がやるとクソかわでビビった

公式さん、ありがとう

そして実弥も期待してます

今回の話は死ネタなので注意してください

牛鬼

それは、とても恐ろしく、冷酷で、ただただ人を食い殺して行く恐ろしい妖怪と言われている

毒を吐いたり、噛みちぎったり、感情などあまり無いような妖怪

そう、呼ばれていた

彼は妖怪の牛鬼だった

牛鬼にも名前はある、玄弥と言った

だがその牛鬼、玄弥は落ちこぼれのようだった

大きくもなれず、力が牛鬼の中で最も弱かった

玄弥は妖怪に嫌われていた

そんな玄弥は、もう自分がこの世にいるのが苦しいほどだった

だが、そこにひとつの光が…

とある人が多い町

牛鬼は綺麗な女性に化けて街中に紛れることも多い

そして玄弥も化けて街中を歩いていった

玄弥

……

玄弥

(あぁ…最近罪悪感が酷く、人を食うのが怖くなって、最近誰も食ってないや)

玄弥

(腹が…空いたな)

玄弥

(…皆、楽しそう)

玄弥

(………俺に、家族なんて、友達なんていねぇからな)

玄弥

(幸せそうに笑っているヤツらが羨ましい…)

玄弥

(まずい…お腹が空く)

玄弥

(少し…避難しよう)

玄弥

うぅ……

玄弥

お腹…空いた

玄弥

腹が…減って……苦しい

玄弥

(まずい、この状態だと餓死だぞ)

玄弥

(…あぁ、でもいいか)

玄弥

(どうせ……嫌われてる俺なんて)

玄弥

(誰も……悲しまない)

実弥

おい、嬢さん

実弥

大丈夫か？随分と苦しそうだが

玄弥に声をかけたのはとても綺麗な顔立ちをしていた白い髪に傷が着いてる美しい青年だった

玄弥

……あ、大丈夫…です

玄弥は無理のある笑顔で実弥に言う

実弥

……！

実弥

(…可愛らしいな…この人)

実弥

(人生でこんな思い…初めてだ)

実弥

でも、苦しそうだろ、何かあったのか

玄弥

いえ…別に

ぐぎゅるるる

玄弥

……あっ…！

実弥

……

実弥

くくっ、なんだ腹が減ってたのかァ

実弥

ほら、弁当

玄弥

……え？

玄弥

いい…の？

実弥

あァ、構わねぇ

実弥

俺はさっき食った所だが旦那がオマケしてくれてよ、結構うめぇんだこの弁当

玄弥

…

玄弥

(人間に優しくしてもらえるなんて)

玄弥

(初めて……)

玄弥

(でも…人間は危険だ…こういう奴が1番)

玄弥

(騙して酷いことするやつなんて知ってるから…ずっと、俺は見てきた、そういう人間を)

玄弥

(でも…)

ぐぎゅるる……

実弥

ほら、遠慮すんな

実弥

ずっと腹の虫が鳴くのもお前は嫌だろォ

玄弥

……

玄弥

なら…

玄弥はお弁当をガツガツと食べて言った

実弥

好きなの入ってたか？

玄弥

…ううん

玄弥

お……私、ご飯はちゃんとしたもの食べたことなくて…こんなの、初めて

玄弥

(人間しかほとんど食ってないし……食ったとしても、虫や木の実だな)

玄弥

(他の妖怪にいじめられて…害のある虫とか毒の木の実だけどな…)

玄弥

(でもこのご飯は……暖かくて)

玄弥

(温もりがあって……とても、美味しい)

玄弥

(こんな美味しい食べ物がこの世にあったんだな)

実弥

そうなのかァ…

玄弥

……

実弥

つか、ここは夜になると危険だ

実弥

変な男らがちょこまかとしてるからお前さんみたいなべっぴんは危ねぇよ

実弥

家、送ってやる

玄弥

……あ…でも

実弥

いい、気にするな

玄弥

そうじゃなくて…

玄弥

(俺……家とかないんだよな)

実弥

どうした？まさか家とかねぇのか？

玄弥

ゔっ…

実弥

図星か……

実弥

家出なのか？

玄弥

(そうするか)

玄弥

はい……家族にいつも酷い扱いされて

玄弥

私……もう、耐えられなくて

玄弥

だから、遠く遠く逃げて

玄弥

ここまで来ました

実弥

…そうかァ

実弥

可哀想にな、俺ならあんたを…

実弥

……(あれ)

実弥

(俺今なんていおうとした？！まるで…)

実弥

(告白……するようなもんじゃねぇか)

玄弥

？

実弥

何でもねぇ

実弥

とりあえず…帰る場所がねぇなら俺の家に来い

玄弥

えっ？！そんな悪いですよ

実弥

いいんだ、俺がしてぇ事だから

実弥

金は普通に平気だから衣食住には構わねぇし

玄弥

で、でも……

宇髄

お！不死川じゃねぇの！

実弥

……あァ？

宇髄

うわっ、相変わらず強面だな

実弥

ﾁｯ……うるせ

実弥

…あ？さっきの嬢さんは…

宇髄

ん？どうかしたか？

実弥

ﾁｯ……お前が邪魔したせいでどっか行っちまったじゃねぇかよ！！！ボケェ！！！

宇髄

はぁ？！俺のせい？！

宇髄

……つか、ここらへんの匂い

宇髄

…妖怪の妖気が強ぇな

実弥

あァ？妖気？

宇髄

あぁ、妖気

実弥

そういやてめぇはなんかそういう霊感や妖気などを察知したりして妖怪とか見つけたり色々する仕事だったか

宇髄

おう、そうだぜ

宇髄

しかもここ…妖気でも結構凄まじい

宇髄

お前、さっき嬢さんとか言ってたよな

宇髄

それ、詳しく聞かせてくれ

実弥

って感じなんだが

宇髄

なるほどな……女性が

宇髄

(女性に化ける妖怪なんか沢山いる)

宇髄

(でもその中で強い妖怪だな)

宇髄

(あの妖気、相当強い妖怪の一族だ)

宇髄

だとすると……九尾や鬼系の妖怪か

実弥

九尾……？鬼……？

宇髄

あぁ、九尾は美しい人に化けて男を惑わして金を奪ったりするちと卑怯な妖怪だな

宇髄

鬼は人に化けて、人を殺す奴もいるし、酒を奪ったり九尾みたいに金を奪う奴もいる

実弥

殺すって……

宇髄

あぁ

宇髄

食ったりするんだよ

実弥

……食う？！

宇髄

そう言う鬼もいる

宇髄

牛鬼とかな

実弥

…あいつは絶対そんなことをしねぇ奴だと思う

実弥

だって、あんな…助けて欲しいというような怯えた目をしてたんだぞ

実弥

なのに、んな人を食うような奴じゃねぇ！

宇髄

おいおい、その女が牛鬼って言ったわけじゃねぇぞ

実弥

…

実弥

すまん、少し焦った

宇髄

けどこれじゃ分かんねぇな…

宇髄

……仕方ない

実弥

？

宇髄

お前が振られた祝いに飲みに行くか！

実弥

お前が鬼に食われてろ！！！つーか俺さっき食ったっての！

玄弥

はぁ……はぁ

玄弥はすぐ逃げて、走って走って、森の奥へ来た

玄弥

疲…れた

玄弥

…もう、大丈夫……だよな

玄弥

(そういやあの男の人の名前…聞けなかったな)

玄弥

(でも、あのさっきの男の人がなんか言ってたような)

玄弥

(確か……不死川……だっけ)

玄弥

(それが…名前、なのかな)

玄弥

(……また、会いたいな)

玄弥

(あの人は…信じてもいいのかな)

玄弥

……

玄弥

とりあえず……寝床を探そう…

玄弥

今日はもうゆっくりしよ……

玄弥

(俺、食ってなかったせいかどうかしてたのかもな)

2ヶ月後

実弥

はぁ……仕事が来やがった

宇髄

お！お前の仕事そういやなんだっけな

実弥

探偵みたいなやつだよ

宇髄

へぇ……地味だな

実弥

ぶっとばすぞ

実弥

ココ最近溺れ死にすると言う呪いの川があるらしい

実弥

原因を突き止めろって懇談だな

宇髄

なるほどな

宇髄

なら俺様も派手に行くぜ

実弥

あァ……？やめろ

実弥

これは俺の仕事だ

実弥

部外者が手を出すな

宇髄

へいへい、分かった

宇髄

まぁ気をつけな

実弥

んなのわかってらァ

呪いの川

実弥

この辺りか

実弥

(一見は普通の川に見れるが……深そうだな)

実弥

(やっぱり溺れ死にする奴が多いから人は少ねぇ)

実弥

少しどんなのか見るか…

実弥

(……底が見えねぇ…)

実弥が川に近づいた途端だった

手のような物が実弥を川の中へ押し込んだ

実弥

ぐっ？！

力が凄まじく、実弥は川へ落ちる

玄弥

……最近ここらへんで溺れ死にしてる人が多いらしいな

玄弥

多分……別の妖怪のせいかな

玄弥

…水なら…水虎かな？あいつ水なら何処にでも行くし、人食うし

玄弥

(あそこかな？呪いの川)

玄弥

(全然人いないな……)

玄弥

…あれ

玄弥

(あそこ誰か溺れてるのか？！泡が少しある！)

玄弥

誰だ……？！

玄弥は川に近づくと

段々沈んでゆく見覚えのある白髪の青年だった

玄弥

あの人だ……！

玄弥

しかもあの手…間違いなく妖怪の…

玄弥

(どうしよう、俺助けた方がいいのか？！)

玄弥

(でも俺が助けてしまったら)

玄弥

(俺は……死んでしまう)

玄弥

(俺たち牛鬼の種族は人を助けると呪いが発生して死ぬ…)

玄弥

(……でも)

玄弥

(やるしかない)

玄弥

(俺はもうこの人生に悔いはもうない)

玄弥

(あの人が俺の命を救ってくれたのに、今助けなくてどうする)

玄弥

(助けないと、助けないと！)

玄弥

っ…！

玄弥は川に自ら飛び込む

実弥

(苦しい…深い)

実弥

(そろそろ息を止めるのも限界だ)

実弥

(クソっ……ちくしょう)

実弥

(油断してたな…いきなり来るとは)

実弥

(どんだけ俺は馬鹿なんだ、くそがァ！！！)

実弥

(つかこいつ力強ぇし！腹立つ！)

実弥

(これが、宇髄の言ってた妖怪なのか？！)

実弥

(…強すぎんだろ)

実弥

(あぁ……もう、苦…し)

その途端、腕は切られる

玄弥

(もう…女の姿じゃなくても、元の姿を見られても良い！)

玄弥

(速くこの人を！)

玄弥は美しい女の姿から角や尻尾、蜘蛛のような足などが生え、醜い姿になる

実弥

(こいつは……)

玄弥

(この人に…手を出すな！！！)

玄弥は謎の腕を噛み砕き、奥の深い方に毒を吐く

奥で叫ぶ奇妙な声が聞こえた

玄弥はいつも以上に力を出せた、守りたい人の思いがあったせいだろうか

玄弥

……(よし、倒したな)

実弥

(どういうことだ……こいつ…妖怪？)

玄弥

(速く……この人を地上に…！)

玄弥は実弥を抱え、陸へ出る

実弥

っ……かはっ！！！げほっ、

実弥

(……生きてた…)

実弥

(…あいつが、助けてくれたのか)

実弥

……(息が苦しかったせいか…今は録に歩けねぇ……喋れねぇ)

実弥

(…そうだ、あいつは)

実弥

……！

玄弥

ぁ……がっ

玄弥の体は少しずつ溶けだして言った

実弥

おま……え！

実弥

体が…！溶けて……血が！

玄弥

はは…良かった、助かったんだ…

玄弥

ごめんね……騙して…嘘ついて……さ

玄弥

俺は……本来男で…こんな醜い姿なんだよ…牛鬼って……言うんだ

実弥

……！

玄弥

ずっと……嫌われてて、惨めだったけど

玄弥

あんたに優しくされて……

玄弥

とっても…嬉しかった

実弥

こんなの……ありかよ…！

玄弥

はは…もう……段々溶けてる…ぐっ…

実弥

くそっ……クソっ！

実弥

なんで可哀想な目にあってまで…こんな思いをしてまで命を経とうとすんだよ馬鹿がァ…！

実弥

ぐっ…俺は……男でも

実弥

お前が……綺麗だって事には変わりねぇよ……！

実弥

お前は……美しい奴だ

実弥

だから……自分を否定するな…

玄弥

………！

実弥

俺は妖怪でも関係ねぇ……

実弥

俺は……お前に一目惚れしたんだ

玄弥

えっ…？

実弥

お前が……好きなんだ

実弥

醜いがなんだろうがんなの関係ねぇ

実弥

……お前が好きなんだよ…！

実弥

…お前の名前を…聞かせてくれ

玄弥

……げんや

玄弥

俺の名前は……玄弥

実弥

いい名前だな…玄弥…玄弥

実弥

……玄弥…行くな

玄弥

ダメだよ…もう

玄弥

最後に………あんたの名前も聞かせてよ……

実弥

…不死川実弥だ

玄弥

…さね……み

玄弥

素敵な…名前

玄弥

さ……ねみ、お弁…当…

玄弥

あり……が…………と

玄弥は血を流しながら溶けて亡くなった

実弥

……うぅ……玄弥…玄弥ァ……！！！

実弥

うぁぁぁああああっ…！！！

実弥

神様…！どうか……どうか！

実弥

玄弥を……戻してくれ…！！

実弥

こいつをもう……不幸にしないでくれェ…！

実弥

っ……ぐすっ……ひっく…

実弥は初めて、涙を流した

数日後

宇髄

……どうかしたのか

実弥

あァ？何もねぇよ

宇髄

……もしかして、前の女か？

実弥

……

宇髄

図星かよ

宇髄

あの川の奴、どうしたんだよ

宇髄

お前聞いても全く教えてくれねぇじゃんか

宇髄

それと関係あんのか？女性が

実弥

……知らねぇ

宇髄

絶対あんじゃん！！！教えろよ！！！

実弥

却下ァ

実弥

……

実弥

(来世でも……さ来世でも)

お前に会ってみせる

END

この作品はいかがでしたか？

211

3件

初コメです。めっちゃ泣きました(´；ω；`)

感動😭

うん、素敵なお話ありがとう

凛々

プロフィール

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい！がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

どんな姿でも君は美しい実玄

第1話 - どんな姿でも君は美しい実玄

作者の他の作品すべて見る

#鬼滅の刃の新着小説
一覧

関連するタグ

どんな姿でも君は美しい 実玄

第1話 - どんな姿でも君は美しい 実玄

作者の他の作品すべて見る

#鬼滅の刃の新着小説一覧

関連するタグ

どんな姿でも君は美しい実玄

第1話 - どんな姿でも君は美しい実玄

#鬼滅の刃の新着小説
一覧