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星が綺麗に輝く夜に

あの日僕は

何かを見た

伊都

ん?

伊都

何だあれ

羽純

流れ星みたいだねー!

羽純

きれーい!

君の瞳には

その何かが

光って映っていた

伊都

o。.( ´O`)〜〜

伊都

よく寝た

その時

聞き覚えのある音が鳴った

伊都

さすがは元陸上部

伊都

起きるの早いな

君とのLINEに

少し胸がドキドキした

伊都

伊都

なに普通に断ってんの!?

伊都

馬鹿なのか!?

伊都

羽純からだぞ!?

伊都

OK👍

伊都

ってちゃんと打たなきゃ!

伊都

支度と言っても

たったの1分で終わるような

適当な支度だ

お気に入りの腕時計を付けて

ジャージを着て

帽子を被れば

終わりだ

伊都

じゃあ行くか

君と久しぶりに会うせいか

何だかとても嬉しくなって

足取りが軽くなる

いつもなら

10分掛かる道のりも

気が付けば

3分で着いていた

伊都

よし…

鼓動が高鳴る心臓を抑えて

深呼吸をしてから

インターホンを押した

羽純

やっほー!

伊都

ヘベシ!

羽純

あ、

羽純

ごめん笑

伊都

てめぇ…

伊都

俺、走らねぇぞ…

羽純

ごめんって!

必死で謝ってくるところが

可愛いんだよな

伊都

別に良いよ

伊都

じゃあ、走ろっか

羽純

うん!

走っている君の横顔が

朝日に照らされて

すごく綺麗だった

羽純

なにじっと見てんの…

伊都

な、何も…!

伊都

てか、そろそろ休憩しよ…!

羽純

そうだね

羽純

大分走ったし!

汗を拭いながら

いつもの笑顔を見せた

伊都

お前、よくこんな長い道のり走れるよな

羽純

努力したからね!

伊都

ウザ

ウザイなんて嘘

ただ自分の気持ちを

押し殺そうとしてるだけだ

もっと君に笑って欲しい

そのために

僕に何が出来るかな

羽純

Σ( * ゜Д゜*)ナッ!!

羽純

うるさ…!

その時

今日で2回目の着信音が鳴った

伊都

なんだ?

ニュースを開いてみれば

目からウロコが出る程の

記事が載っていた

羽純

伊都?

羽純

大丈夫?

羽純

顔、真っ白だよ?

伊都

羽純……

羽純

なに?

伊都

これ見てみろ…

羽純

え………

羽純

ちょっと…

羽純

何よこれ……

さすがの君でも

これには驚きを隠せなかっただろう

そこに書かれていたのは

今日の12時

隕石が地球に衝突する

と、書かれていた

伊都

ハハ……

伊都

最悪の日だな…

羽純

ねえ、伊都……

伊都

??

羽純

今日って何の日か知ってる?

伊都

お前の誕生日

羽純

そうだよ

羽純

覚えててくれてたんだね

伊都

当たり前だろ

羽純

伊都は居てくれるよね…?

羽純

私の最後の誕生日

羽純

祝ってくれるよね…?

伊都

祝うよ

羽純

ありがとう…

涙ながらに笑っている君は

今、何を思っているんだろう

死ぬのが怖い?

もう生きられない?

想像するだけで

寂しくなってくる

伊都

無理に笑わなくていいんだぞ…?

羽純

私が笑ったら伊都も笑顔になるでしょ?

羽純

笑顔って大事なんだよー!

伊都

知ってるよ、そんな事くらい……

君のその笑顔を

独り占めしたい

いや………

守ってあげたい

今日の12時までに

僕の本当の想いを

君に伝える

伊都

もう帰ろう…

伊都

ここで泣いてても、何も変わらないんだから……

羽純

うん…

泣くなよって言って

抱きしめたいけど

喉の奥でその言葉が空回り

体が動かなくなってくる

12時がきたら

もう二度と会えないのだろうか

そんな事まで考えてしまう

伊都

ハハ………

伊都

俺ってホント

伊都

バカな男だな…

羽純

え?

羽純

何か言った?

伊都

何も言ってねぇよ

伊都

さ、帰るぞ

羽純

うん

そして

今までの事が遠い昔のように

楽しかった過去は消え去った

伊都

今何時だ?

時計を見ると

約束の時間が既に過ぎていた

伊都

マジか…!

伊都

ヤバい!

伊都

急げ!

まぁでも

君に怒られたいという

小さな願望に伴って

遅刻しただけなんだけど

伊都

ごめん!

伊都

遅れた!

羽純

遅い…

伊都

ごめん!!

羽純

大丈夫だよ

羽純

怒ってないから

羽純

そんなにビビらないでよ笑

伊都

おう笑

君は昔から

相手を笑顔にさせるのが

得意だった

今でも僕は

頬を赤くして

笑っている

君は一体、何者なんだ?

どうしたら

僕も君みたいに

元気で明るい子になれる?

って聞きたいけど

今の弱い自分じゃ無理だよな

もっと強くならないと

君を最後まで

守らないといけない

伊都

誕生日パーティー

伊都

始めよーぜ!

羽純

うん!

良かった

僕にも君を笑わす力が

あったんだな

伊都

誕生日おめでとう!羽純!

羽純

ありがとう!

伊都

はい!

羽純

え?笑

伊都

ケーキのろうそく、消して!

羽純

おっけー!

君の息で火が消える

僕にはその光景が

特別なものに見えた

なんでだろう

すごく不思議だ

伊都

うまく消えたな!

伊都

じゃあ早速、ケーキ食べよう!

羽純

うん!

やっぱり君は天才だ

君がケーキを口いっぱいに

ほうばっているところを見ると

楽しそうだなって

美味しそうに食べるなって

今まで抑えていた気持ちが

心の中で溢れ出る

まるで魔法使いに

操られているかのように

伊都

はあ………

羽純

???

羽純

どうしたの?

伊都

時計見てみろよ

伊都

もうすぐ12時だ

大きな不安が僕らを襲う

不安に包まれた感覚で

逃げ出したいけど

逃げ出せないから

今、この時間に

君をこの目に焼き付かせて

お互いが怖さを共有出来るように

判断を尽くすんだ

羽純

悲しいね……

伊都

そうだな…

12時まで、あと2分

そろそろ僕の気持ちを伝えよう

伊都

なぁ、羽純…!

羽純

なーに?

伊都

お、俺…!

伊都

羽純のことが…!

その瞬間

地球が揺れた

羽純

あ………

伊都

もう終わりなんだな……

伊都

羽純…

羽純

……?

伊都

楽しかったな…

羽純

そうだね……

この言葉を最後に

僕らの人生は幕を閉じた

僕は気持ちを伝える事が出来なかった

何でだよ

あの時、もっと早くに伝えていれば

後悔なんてしなかったのに

神様は意地悪だ

世界は残酷だ

僕らは無力だ

羽純を守ってあげられなかった

最愛の人を

この手で

庇ってあげられなかった

だから

これだけ言わせて欲しい

ハッピーバースデー

いつまでも

片想いの俺

この作品はいかがでしたか?

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コメント

4

ユーザー

意外と短かった!

ユーザー

おお!なら物語は読みやすかったかな?

ユーザー

片思いの俺という題名を見た瞬間HappyBirthdayという曲が頭に浮かびました!

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