星が綺麗に輝く夜に
あの日僕は
何かを見た
伊都
伊都
羽純
羽純
君の瞳には
その何かが
光って映っていた
伊都
伊都
その時
聞き覚えのある音が鳴った
伊都
伊都
君とのLINEに
少し胸がドキドキした
伊都
伊都
伊都
伊都
伊都
伊都
伊都
支度と言っても
たったの1分で終わるような
適当な支度だ
お気に入りの腕時計を付けて
ジャージを着て
帽子を被れば
終わりだ
伊都
君と久しぶりに会うせいか
何だかとても嬉しくなって
足取りが軽くなる
いつもなら
10分掛かる道のりも
気が付けば
3分で着いていた
伊都
鼓動が高鳴る心臓を抑えて
深呼吸をしてから
インターホンを押した
羽純
伊都
羽純
羽純
伊都
伊都
羽純
必死で謝ってくるところが
可愛いんだよな
伊都
伊都
羽純
走っている君の横顔が
朝日に照らされて
すごく綺麗だった
羽純
伊都
伊都
羽純
羽純
汗を拭いながら
いつもの笑顔を見せた
伊都
羽純
伊都
ウザイなんて嘘
ただ自分の気持ちを
押し殺そうとしてるだけだ
もっと君に笑って欲しい
そのために
僕に何が出来るかな
羽純
羽純
その時
今日で2回目の着信音が鳴った
伊都
ニュースを開いてみれば
目からウロコが出る程の
記事が載っていた
羽純
羽純
羽純
伊都
羽純
伊都
羽純
羽純
羽純
さすがの君でも
これには驚きを隠せなかっただろう
そこに書かれていたのは
今日の12時
隕石が地球に衝突する
と、書かれていた
伊都
伊都
羽純
伊都
羽純
伊都
羽純
羽純
伊都
羽純
羽純
羽純
伊都
羽純
涙ながらに笑っている君は
今、何を思っているんだろう
死ぬのが怖い?
もう生きられない?
想像するだけで
寂しくなってくる
伊都
羽純
羽純
伊都
君のその笑顔を
独り占めしたい
いや………
守ってあげたい
今日の12時までに
僕の本当の想いを
君に伝える
伊都
伊都
羽純
泣くなよって言って
抱きしめたいけど
喉の奥でその言葉が空回り
体が動かなくなってくる
12時がきたら
もう二度と会えないのだろうか
そんな事まで考えてしまう
伊都
伊都
伊都
羽純
羽純
伊都
伊都
羽純
そして
今までの事が遠い昔のように
楽しかった過去は消え去った
伊都
時計を見ると
約束の時間が既に過ぎていた
伊都
伊都
伊都
まぁでも
君に怒られたいという
小さな願望に伴って
遅刻しただけなんだけど
伊都
伊都
羽純
伊都
羽純
羽純
羽純
伊都
君は昔から
相手を笑顔にさせるのが
得意だった
今でも僕は
頬を赤くして
笑っている
君は一体、何者なんだ?
どうしたら
僕も君みたいに
元気で明るい子になれる?
って聞きたいけど
今の弱い自分じゃ無理だよな
もっと強くならないと
君を最後まで
守らないといけない
伊都
伊都
羽純
良かった
僕にも君を笑わす力が
あったんだな
伊都
羽純
伊都
羽純
伊都
羽純
君の息で火が消える
僕にはその光景が
特別なものに見えた
なんでだろう
すごく不思議だ
伊都
伊都
羽純
やっぱり君は天才だ
君がケーキを口いっぱいに
ほうばっているところを見ると
楽しそうだなって
美味しそうに食べるなって
今まで抑えていた気持ちが
心の中で溢れ出る
まるで魔法使いに
操られているかのように
伊都
羽純
羽純
伊都
伊都
大きな不安が僕らを襲う
不安に包まれた感覚で
逃げ出したいけど
逃げ出せないから
今、この時間に
君をこの目に焼き付かせて
お互いが怖さを共有出来るように
判断を尽くすんだ
羽純
伊都
12時まで、あと2分
そろそろ僕の気持ちを伝えよう
伊都
羽純
伊都
伊都
その瞬間
地球が揺れた
羽純
伊都
伊都
羽純
伊都
羽純
この言葉を最後に
僕らの人生は幕を閉じた
僕は気持ちを伝える事が出来なかった
何でだよ
あの時、もっと早くに伝えていれば
後悔なんてしなかったのに
神様は意地悪だ
世界は残酷だ
僕らは無力だ
羽純を守ってあげられなかった
最愛の人を
この手で
庇ってあげられなかった
だから
これだけ言わせて欲しい
ハッピーバースデー
いつまでも
片想いの俺