ソ連
海の見える、高台。
俺達はそこで、再開した。
冷戦終戦後、こいつとは良く会ってたが...最近見なかったな。
今はたしか...1991年のクリスマスだったか。
アメリカ
ソ連
彼は、柵に軽く寄りかかった。
走ってきたらしく、息切れを起こしている。
どうしてここがわかったのか、俺にもよくわからない。
少し気まずくて、俺がそこから離れようとした、その時。
ソ連
アメリカ
いつもに増して、何を考えているのかわからぬ表情。
でも...目だけは、真剣そのものだった。
ソ連
ソ連
その刹那。
彼の身体が、崩れ落ちた。
アメリカ
咄嗟のことで、頭が整理できない。
ソ連が...あの、ソ連が?
…崩壊を、起こした...?
違う、そんなはずは。
だって彼は、俺と並ぶ大国だ。
そんなの、許されていいはずない______!!!!!
アメリカ
…その言葉を言おうとした時。
気がついてしまった。
そこには、ソ連の衣服があった。
身体も骨もなく、ただ...彼の衣服が、空を舞って、堕ちていく。
ポケットから彼がよく吸っていたタバコやスマホ、なんかしらの機械も同時に落ちてくる。
空には、赤が舞っている。
それは______彼の、肌の色をしていた。
アメリカ
アメリカ
アメリカ
膝から、崩れる。
彼の元に行きたくて、俺も、膝から崩れた。
でも、彼のように、身体は塵にならず。
アメリカ
アメリカ
アメリカ
俺は、何をすればいいか、わからなくて。
ただ、その場で、彼の衣服を掴み、抱きしめて、
震えることしかできなかった。
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