テラーノベル
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宮侑
教室内が一瞬ざわついた。
昼休みの談笑や机を囲む声が、一拍だけぴたりと止まる。
けれどすぐに、みんな「ああ、宮か」と言わんばかりに、興味を失ってそれぞれの会話へ戻っていく。
角名倫太郎
宮侑
角名が低い声で吐き捨てると、侑は「だって…!」と反論しかけたものの、 怒りを滲ませた角名の顔を見て、「いや……すまん……」としゅんとした。
角名が苛立ちを抑えながら言う。
角名倫太郎
侑は即座に首を横に振る。
宮侑
宮侑
そう言いながら、侑はなぜか唐突に、〇〇の方へ向き直った。
宮侑
榎野〇〇
突然の問いかけに〇〇は目を丸くし、戸惑いながら声を濁らせた。
その瞬間、角名の目がすっと細くなる。
角名倫太郎
空気が、ピンと張りつめた。
宮侑
侑は内心で頭を抱えた。
宮侑
角名倫太郎
角名倫太郎
角名の声は抑えられていたが、眉間のしわと吐息に、もう爆発寸前なのが分かる。
空気を変えようとしたのか、榎野がふと問いかける。
榎野〇〇
侑の肩がびくりと跳ねた。次の瞬間、ぱぁっと表情が明るくなる。
宮侑
内心で叫びながら、侑は話題を変えてくれた榎野の優しさに深く感動していた(別に彼女ではない)。
角名倫太郎
角名が呆れたようにため息をつく
榎野〇〇
榎野が小さく返した、そのとき。
北信介
教室の入り口から、重たい声が響いた。 振り向くと、北が無言で歩み寄ってきていた。 どうやら、2組にいた治と銀が、逃げ込んだ先をあっさりバラしたらしい。
侑は、震える子犬のような顔でつぶやいた。
宮侑
宮侑
北が静かに角名たちの前に立ち、鋭い視線で侑を見つめる。
北信介
教室の空気が一気に凍るような気配をまとった。 侑は「ヒェ……」と情けない声をもらし、その場に固まる。
北信介
低く、静かで、それでいて容赦ない声音が響く。
角名倫太郎
角名が冷たく言い放った。
北信介
北信介
北の目が細くなる。
榎野〇〇
榎野がそっと尋ねると、角名は小さく頷いた。
角名倫太郎
北信介
北に腕を掴まれ、侑はひきつった顔のまま静かに連れていかれる。 その後ろ姿は、絞られに行くしかないと悟った小動物のようだった。
侑が連れていかれた教室の扉を、榎野はしばらく見つめていた。
榎野〇〇
角名倫太郎
角名倫太郎
角名倫太郎
榎野〇〇
榎野の顔が引きつる。
そのとき、2組の教室からゆるい雰囲気で銀島と治が姿を見せた。
銀島結
銀島が肩越しに問いかける。
角名倫太郎
角名が即答すると
宮治
治があっさり笑い飛ばした。
銀島は何気なく視線を榎野へと向け、すぐに角名へと問いかける。
銀島結
角名倫太郎
角名はそこで一瞬固まり、うっすら顔をしかめた。
角名倫太郎
銀島結
宮治
治が口元を緩めて笑う
角名倫太郎
角名が小さく舌打ちするように言うと、銀島がふと榎野の方を向き、にこっと笑いかけた。
銀島結
榎野〇〇
不意に声をかけられて、榎野は少し驚く。
榎野〇〇
銀島結
銀島結
榎野〇〇
銀島が続けて、隣の治を軽く指さす。
銀島結
銀島結
宮治
治が苦々しげに返す。
銀島結
宮治
ふたりのやり取りに少し笑いながら、榎野が頷いた。
榎野〇〇
宮治
治がさらっと言った。
榎野〇〇
宮治
榎野〇〇
榎野〇〇
その一言で、角名の胸が小さく鳴った。
名前を呼ばれたわけでもないのに。 始業式、彼女に名前を呼ばれた時の記憶がふっとよみがえる。
角名倫太郎
角名は目を逸らし、机を見つめた。
コメント
1件
北さん想像しただけで怖い笑