~Episode 3 ♡⃜~
Lee know side…ᡣ𐭩⊹
毎日毎日、 ショーケースの中に閉じ込められたまま、 殺風景な店の景色を眺める。
飽きたら寝るだけ。
ただそれだけの日々。
たまにお金持ちそうな主人がここには来るけど、 僕を一目見て、惹かれて、 よく見るためにショーケースから出される。 抱えられるとガッカリそうな顔をして 他の猫のところへ行く。
ここ20数年ずっとそう。
躾の時間も、面倒くさいし 受けるだけ無駄だから いつも噛んだり引っ掻いたりして抵抗した。
そんなある日、 珍しく、若い男がここを訪れた。
ここまで顔の整ったスタイルの良い若い男が ここのコーナーに来るのはレアだから 他の猫もいつもより必死に鳴いていた。
その男は、僕の前まで歩いてきて、 僕のショーケースの前でしゃがんだ。
どうせ買ってもらえない。 だから、寝たフリをしてやり過ごすことにした。
コンコンっと叩かれる。
一瞬目を開ければ、子犬のように 優しそうな目をした男がこちらを見ていた。
この"お腹の斑"を見ればまたどっかに行くんだろう。
そう思い、そっぽを向いた。
S.m
S.m
⸜❤︎⸝lk
面倒臭いから鳴かない。
どうせ言葉は分かんないし、 適当に返事をしておくことにした。
S.m
そう言い、その場で立ち上がった。
ほらね、買わないんだ。 俺は愛想が悪いし、この"お腹の斑"のせいで。
S.m
S.m
⸜❤︎⸝lk
え、今こいつ、買うって…、?
いや、店員も勧めないはず。 傷物で、躾もなってない猫だ。
S.m
ほーら、 説明を受けたらびっくりしてる。
分かったらさっさと他の猫買って帰りな。
S.m
いや、なんでだよ。
"1025万円です…"
ふん、まぁそんぐらいの価値か…
ろくに"性処理"も出来ないし…。 当然か。
店員が裏側に回ってきて、 俺をつかんでキャリーケースに入れようとする。
こいつ、店員の癖に持ち方下手くそだから 凄く痛い。
痛過ぎてつい手を 引っ掻いてしまった。 また悪い子になっちゃったな…。
そうして俺はアイツの手に渡り、 家へと連れて行ってもらった。
コメント
4件
背景が凄く…いい…