坂田 明
授業が終わって数分
廊下から坂田の声が響いた
成瀬 楓
私も慌てて返事をして
リュックに教科書やらなんやらを詰め込んでいく
私が軽音部に入部してから数週間が経った
まだまだ分かんないこともありますが
日々、ドラマーとしての成長も遂げていると思う
多分ね。
成瀬 楓
私は乱暴にリュックを担ぐと、坂田のところへ向かった
成瀬 楓
坂田 明
成瀬 楓
担いだだけのリュックを坂田に謝りながら背負い直すと
成瀬 楓
ホール3へ向けて歩き出す
まだ帰る人や部活へ行く人とかで賑わっている廊下
人混みを避けてなんとか進んでった
成瀬 楓
坂田 明
坂田の目をちらっと見る
坂田 明
なんか、
元気だけで今まで生きてましたぁ〜
って目ぇしてんな。
成瀬 楓
成瀬 楓
成瀬 楓
私は目を逸らしながら疑問を口にした
坂田 明
坂田の顔が分からないって言ってる
頭の上にはてなマークまで見えるぞ、おい
成瀬 楓
成瀬 楓
頭の弱い坂田でも分かるよう、私は説明し直した
坂田 明
坂田 明
坂田は拳を上下にふって、叫ぶようにして言った
分かってもらえて何よりだ
成瀬 楓
坂田の背中を軽くぽんっと叩き、小走りで追い抜く
坂田 明
気の抜けたような声が背中から聞こえるが、
成瀬 楓
成瀬 楓
私は振り返ることなくダッシュに切り替えた
『 ダンッ....!! 』
成瀬 楓
勢いよく扉を開け、ホール3へ滑り込んだ
志麻 秋彦
私の足元には、目を見開きギターを大事そうに抱える志麻先輩がいる
成瀬 楓
カマキリが虫を食べてるときを見るような目で志麻先輩の顔を覗くと、
志麻 秋彦
片足を上げたまま鬼のような形相で怒鳴り散らした
別にそんな怒ることかね....
ごめんなさーい と適当に謝りながら志麻先輩の脇を抜ける
黒木 響歌
成瀬 楓
脇をぬけた矢先に、目の前から くろちゃん先輩の腕が飛んできた
成瀬 楓
私は首筋に流れる冷汗を強引に拭う
黒木 響歌
成瀬 楓
先輩は私の肩にどすんと腕を置きながら、
このこのぉ〜 ! と私の頭をわしゃわしゃと撫で始めた
いやいや、大袈裟じゃないですって
あのまま私が避けなかったら先輩の腕が私の鼻にストライクショットっすよ。
天界に召されますよ。
まあでも、言い出したらキリがないから
成瀬 楓
と、笑い返すだけにしている
だって言ったら.......、
猫みたいに飛びかかってくるから.....(実体験)
黒木 響歌
相川 真冬
黒木 響歌
相川 真冬
だよねぇ?と相川くんを睨みながらくろちゃん先輩が背中にもたれかかる
なんとくろちゃん先輩は身長143cmの超超小柄なのだ!
だから、もたれかかられても何も感じないのです!
テストに出ます!(くろちゃん先輩には内緒)
よし、じゃあくろちゃん先輩学はこの辺にしてそろそろ話を戻しますか。
方向性が迷子になってきたね
坂田 明
お、ナイスタイミング
方向性問題に突入しようとした時、
すごく疲れた様子の坂田が入ってきた
浦田 渉
浦田 渉
ホール3の奥、帝王みたいに座っていた浦田先輩はゆっくり立ち上がり、坂田に近づいていった
坂田 明
坂田 明
そんな魔王のようなオーラにやられたのか、坂田は後ずさりで離れる
なんか、悪いことしたな.......
後で謝っとこ。
浦田 渉
浦田 渉
坂田 明
ガタッ....! と音を立て、坂田が扉にぶつかった
坂田 明
坂田 明
もう後がなくなり、浦田先輩との距離が ミリ単位くらいになったとき、
桜ヶ丘 彼方
奇跡の救世主
彼方すんが二人の間に割って入る
黒木 響歌
彼方すんが浦田先輩を説得しているあいだに
相川 真冬
マネ2人は完璧リスペクト状態だった
相川 真冬
うち、1人はメモを取ってる
まふのいい所はこういう律儀なとこ、
みんなを根元から支えようとしてくれてるんだ
部員として、ドラマーとして、
ありがたく思ってるゼ☆
桜ヶ丘 彼方
浦田 渉
坂田 明
彼方すん......、それが通じるのは小学校低学年までだと思います
千原 伊月
坂田 明
浦田 渉
坂田、お前は謝れよ
浦田 渉
浦田 渉
さっきの件が片付き、
浦田先輩はスタート!と言いながら右手を上にあげ、前にのばした
この合図で今日の活動が始まる
お決まりなのかな?あのポーズは
傍から見ればすごくダサいが、慣れてくると先輩が可愛く見えてくるのだ
ちっさな背丈で思いっきり腕をふる。
かわいくて仕方がない。
坂田 明
まだ何も話していないのに、坂田が元気よく手をあげる
坂田 明
あぐらをかき、ゆらゆら横に揺れながら坂田は浦田先輩に疑問を投げかけた
「ここ」というのはホール3のことで
吹奏楽部や合唱部がいるときはホール3ではなく、スタジオを借りて練習するのだが、
今日はホール3
吹部たちがいるのに、なぜ?
成瀬 楓
言われてみれば気になってくる
浦田 渉
浦田 渉
うん、浦田先輩は
「よくぞ聞いてくれたね、坂田くん。」
って言ってるんだよ。きっと。
浦田 渉
浦田先輩はためらった言い方をし、志麻先輩とホワイトボードを引っ張りだしてきた
浦田 渉
ボードを出してきてもなお、浦田先輩は焦らす
なんだろう...!
私たちの期待はMAXに到達した
浦田 渉
浦田先輩がついに口を開く
終わり。
変なところで切って申し訳ないです....
てか起きてる人いるんですかね....?
コメント
4件
うゎー気になる…!! 続き楽しみにしてます!
くそ…!寝ていた自分を恨む(´;ω;`)続き楽しみに待ってます!