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テラーノベル(Teller Novel)
たすけてママ

たすけてママ

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1

たすけてママ

♥

3

2021年10月23日

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麻子

まま

麻子

ママ

麻子

きょうはなんじにかえってくる?

麻子

おねがい

麻子

はやくかえってきて

麻子

へんなおとがきこえる

麻子

どんどん

麻子

どんどんって

麻子

てんじょうもかべからも

麻子

こわい

麻子

こわいよ

麻子

おおきくなってる

麻子

やだよ

麻子

まま

ママ

メッセージ……?

ママ

麻子からね

ママ

また晩ごはんの希望か何かかしら

上司

本庄さん!

上司

頼んでおいた資料できましたか?

ママ

あ、はい!すぐに!

ママ

返信は少し落ち着いてからね……

ママ

よしっ

ママ

麻子のために今日も頑張らないと

麻子

ママ!

麻子

不在着信

不在着信

麻子

不在着信

不在着信

麻子

不在着信

不在着信

麻子

おねがい

麻子

あいつらどんどんちかづいてくる

麻子

わたしをさがしてる

麻子

いまクローゼットのなかにかくれてるけど

麻子

もうだめかも

麻子

ああさこのへやに入ってきた

麻子

ああ

麻子

どうしようどうしよう

麻子

クローゼットの周りずっと叩かれてる

麻子

やだやだいやだ

麻子

音が消えない音が

麻子

みられてる

麻子

みられてる

麻子

みられてる

麻子

みつけた

ママ

ふぅ

ママ

仕事は一区切りついたし、
少し休憩しましょうか

ママ

あ、そういえばメッセージ

ママ

麻子に返信してなかったわね

ママ

……

ママ

……なにこれ

ママ

ご、強盗?

ママ

や、やだ!
ととにかく警察に連絡して……!

ママ

い、急いで帰らないと

ママ

ごめんね!麻子!

ママ

ママ!すぐに行くから!

ママ

とにかく落ち着いて静かに隠れてるのよ

ママ

絶対に絶対に大丈夫だから!

麻子

ママ

麻子

ごめんね

麻子

仕事の邪魔しちゃって

麻子

迷惑かけちゃって

麻子

もう大丈夫だから

ママ

麻子?

ママ

どうしたの?何があったの?

ママ

邪魔なわけないでしょう?

ママ

今車で向かってるから、すぐに着くから、

麻子

全部終わった

麻子

私はあの子達を怖がっていた

麻子

悪いものだった決めつけてた

麻子

麻子のせいなんだ

ママ

麻子?

ママ

麻子のせいなわけ無いでしょう

ママ

ねえ、あなた何を言ってるの

ママ

ママにもわかるように言ってくれる?

麻子

多分あの子達には意思も感情もないんだよ

麻子

たまたまそこに居て麻子たちは見つかっちゃったの

麻子

でもきっと、こんな物なんだよ
私達の世界はとっくに狂ってる

麻子

皆異常な隣人たちを気にしないように無視して通り過ぎてるんだよ

麻子

それで今度は私達の番

麻子

運が悪かったのかな

ママ

ねえ、麻子

ママ

あなた、いつからあなたはそんなに難しい言葉を、

ママ

漢字を使えるようになったの

ママ

ママ

あなた、本当にあさこなの?

麻子

ごめんねママ

麻子

麻子を大切にしてあげてね

ママ

麻子!

ママ

ママが来たわよ!

ママ

大丈夫!大丈夫?

麻子はベッドで横になっている

麻子

すぅ……すぅ……

ママ

あさ……こ……

ママ

はぁ……よかったぁ

ママ

麻子に何かあったら私は、私は……

麻子

ママ?

ママ

ああ、ごめんね。麻子

ママ

起こしちゃったわね

ママ

寝てていいのよ

麻子

ママ

麻子

ママー

麻子

ママーママー!

ママ

あ、麻子?

麻子

ママ!

麻子

ママ!ママ!

麻子

ママママママママママママママ

ママ

ね、ねえ、麻子……

ママ

やだ、どうしちゃったのよ

私は、麻子から離れるように 一歩後ずさる

その時に気づいた。 “それら”が私を見ていることに

ママ

あ……あ……!

一本の真っ黒な触手のようなものが 私達に近づいてくる

まとわりついた墨のようなものが ぼとぼとと落ちる

その動き、脈動から 確かな意思をもった 生き物であると感じられた

ママ

ああ………ああ……

ママ

いや……!いやぁーーっ!

麻子

ママー?

麻子

ママママー!

触手は麻子のもとに這い寄り からみついていく

ママ

あ……あさこ!

ぐちゃりと嫌な音と共に 麻子の首はおよそ人が曲がりえない角度になっていた

ママ

そ……そんな

ママ

嘘……嘘よ

ママ

こんな事……

顔が逆さまになった状態で 麻子はニタニタと笑みを浮かべる

麻子

だからさ、ママ

麻子

もう手遅れなんだよ

ママ

麻子!ほら早く起きなさい

麻子

ん〜

麻子

はーい

ママ

もう!学校に遅刻しちゃうわよ

ママ

ほら、ご飯も出来てるから

麻子

ママ、わかってるよ

麻子

いただきます……

ママ

それじゃ着替えて
ちゃんと学校に行くのよ

ママ

ママ、もう先に仕事行ってるからね

麻子

はあい

ガチャ

ママ

あっ、おはようございます

ママ

今日もいい天気ですね〜

近所の人

えぇ、そうですねえ

ママ

はい、それじゃあ失礼しますね

不審な女性

近所の人

不審な女性

女は髪も肌もボロボロで目は虚ろ 全身はやせ細り腕の骨ははっきりと浮き出ていた

そんな屍人のような姿で 何やら言葉にならないような音を ボソボソと呟いては 足を引きずるようにして 歩き回っていた

近所の人

ちょっと、あなた

近所の人

今あそこの人と話してた?

近所の人

悪いことは言わないから
やめておいたほうがいいわよ

近所の人

いや、あちらから
勝手に近づいてきたもので…

近所の人

何なんですかあの女性?
気味が悪い

近所の人

さあ、私も詳しくは知らないけど
突然ああなっちゃったらしいわ

近所の人

ずっとこの辺りを徘徊して
何やらずうっとうわ言を言ってるの

近所の人

ここでは有名人だわ

近所の人

へえ、そうなんですか

近所の人

人間、ああはなりたくないものです

近所の人

本当よ

近所の人

あそこ、家中ゴミだらけで
異臭がするったらもう酷いのよ

近所の人

死体でもあるんじゃないかって

近所の人

はぁ。早くこの街から出ていってほしいものだわ

近所の人

そうなんですか

近所の人

ありがとうございます
色々教えていただいて

近所の人

自分は、最近ここに越してきたばかりなもので事情に詳しくないんです

近所の人

そう

近所の人

あなたも不運ね
越した先でこんなトラブルがあって

近所の人

ま、とにかくあの女には近づかないことをオススメするわ

近所の人

ええ、触らぬ神に祟りなしです

近所の人

そういえばあの女性
アサコ、としきりに呟いていた気がしたのですが何かご存知ですか?

近所の人

アサコ……?

近所の人

さあ?
知らないわね

近所の人

あの人ずっと独り身だし
子供なんていないから

近所の人

昔の友人か何かかしらね

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