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コメント
30件
拝見遅れましたので、一気見させていただきました。 ピンクメッシュというギャグなテーマでありながら、シリアスで緊迫する展開…すごい…!!! 本当に言葉選びがお上手で見入ってしまいました! 続き楽しみにしております!!みんなのオリキャラ可愛い…!!バルちゃんも可愛いよぉ!!
今回のMVP:勧奈ムスタイル
囮になった勧奈さんかっこいい…… それを追いかけてった2人の方は大丈夫なのかな……?
【第三章】 第十一話.「逃亡」
取り出したカッターナイフを、 僕へと突きつけた。
小山ーOyamaー
雪ーYukiー
視界の先で、銀色の刃が 僕を見ている。
女性たちの悲鳴が上がり、皆の視線が僕らへと向けられていた。
突き付けられた刃物を見て、 ヒュ、と、息が止まる。
自分の両手は、自然と上に上がっていた。
小山ーOyamaー
心臓が酷く脈打っている。 自分の体は、これ以上ないまでに震えていた。
僕のそんな様子を見て、二人はにやりと笑う。今までに見たことのない、嬉しそうな笑顔だった。
ピンクチャン
ピンククン
小山ーOyamaー
緊張と恐怖で、舌がうまく回らない。 質問は喉を通り抜け、空に消えていった。
フレア
揺籃ーYurikagoー
揺籃ーYurikagoー
揺籃さんの言葉で、 僕らはハッと記憶を遡る。
確かに、あの部屋には沢山の刃物が落ちていた。あそこで持っていったとしても、きっと、誰も気が付かないだろう。
ピンクチャン
ピンクチャン
ピンククン
二人が僕に指示すると、体が自分の意志とは関係なく前へ進む。
小山ーOyamaー
そして、刃物が振り下ろされ___
…る前に、 グンっと 僕の体は後ろへと引っ張られた。
自由になった体で振り返ると、そこには青野さんが、凄い力で僕の腕を掴んでいた。
海人ーKaitoー
頭の中がハテナで埋め尽くされるが、いち早く動き出したツァイルさんやラミラさんに引っ張られ、僕らは一目散にその場から逃げ出した。
彼らから逃げて、逃げて、逃げて、逃げて
辿り着いた先は、小さな川だった。
そこもまた、どこに目を向けても桃色に染まっている、不思議で気持ち悪い場所だ。
向葵ーHimariー
秋霞ーAkikaー
どうやら、撒くことが出来たようだ。ようやく一息ついて、僕らはその場にへたり込む。
そしてふと、“とある事”に気が付いた。
カシア
パフ
勧奈ーKannaー
いつの間にか入れられていたピンクメッシュが、気付いたら消えていたのだ。
雪ーYukiー
夏希ーNatukiー
揺籃ーYurikagoー
消愿ーSyogenー
突然消えたピンクメッシュに、 一同は混乱する。
本当に、此処は不思議なことの連続だ。 考えても仕方がないのかもしれない。
ラミラ
小山ーOyamaー
ツァイル
花楓ーKaedeー
僕らは考え込むが、案の定 良い案は浮かんでこない。
しかし、このまま此処に隠れていても、いずれは彼らに見つかってしまう。
どうしたものか……と頭を捻らせていると、 不意に、二人の双子が僕らを呼ぶ声が 遠くの森に響いた。
フレア
カシア
パフ
「何処にいるんですか?」 「早く出ておいで」 「お願いだから怖がらないで」
本性を表した彼らは、もう取り繕うこともせずに、僕らを必死に探している。
海人ーKaitoー
向葵ーHimariー
勧奈ーKannaー
ピンクチャン
ピンククン
小山ーOyamaー
突然、二人の嬉しそうな声が 背後から届いた。
あの二人だ。刃物を振り回しながら、全力で此方に駆け寄って来る。
秋霞ーAkikaー
雪ーYukiー
二人の叫び声で、僕らは彼らの存在に気が付く。そして、一斉に森へと駆け出した。
暫く走り回っていたが、僕らの少し後ろでは、ずっと二人が着いてきていた。
このままでは無駄に体力を消耗するだけ。そう思っていても、逃げる以外の選択肢は 僕らには残されていなかった。
消愿ーSyogenー
すると、体力が尽きたらしい消愿さんが限界を訴え始めた。それに便乗し、皆も声を上げる。
揺籃ーYurikagoー
揺籃ーYurikagoー
花楓ーKaedeー
こうしている間にも、二人の伸ばす手はすぐそこまで迫ってきていた。
前を走り、逃げ道を開いてくれている秋霞さんや青野さんはまだ平気そうだが、 後ろで息を切らしている消愿さんや向葵さんは、いつ捕まってしまうか分からない。
かと言って、 僕にも二人を庇う程の余裕は無く、時々後ろをちらりと振り返ることしか出来なかった。
ラミラ
ツァイル
勧奈ーKannaー
勧奈ーKannaー
パフ
フレア
_____と。一瞬の出来事だった。
後ろを走っていた勧奈さんが、突然方向転換をして別方向へと駆け出していたのだ。
その場にいた誰もが驚き、目を丸くした。 それ程、彼女の行動は突然のことだった。
ピンクチャン
ピンククン
小山ーOyamaー
そう気付いた時にはもう遅く、 彼女の姿は遠く離れていた。
その後ろを、ラミラさんと ナイフを手にしたツァイルさんが着いて行く。
挑発する彼女にまんまと引っ掛かった双子は、彼女を追って僕らから離れて行った。
夏希ーNatukiー
向葵ーHimariー
カシア
海人ーKaitoー
揺籃ーYurikagoー
追手が無くなった事で、一先ず安心した僕らは へたりとその場にへたり込む。
謎の世界の探索や双子との追いかけっこで、思っていたよりも体に疲れが溜まっていたらしい。
秋霞ーAkikaー
パフ
秋霞さんとパフさんの言葉に、 僕らは一斉に頷いた。
勧奈さんを追うのを諦めて、双子が此方に向かってくる可能性だって捨てきれない。
なら、彼らに追われていない、 これからの行動が重要になる。
小山ーOyamaー
消愿ーSyogenー
消愿ーSyogenー
続く