【計画当日】 (1)
灰谷 蘭
意識の遠くの方で蘭ちゃんの声が聞こえる。でも死ぬほど眠い。昨日の夜は計画実行前日ということもありドキドキしてなかなか寝付けなかったのだ。というか今何時?体感5時ぐらいな気がする。早めに出かけるとは聞いてたけど、早すぎないか。ディ〇ニーランドの開園待ちでもするのかと疑うレベルだ。
灰谷 芹
目が開けられない。でも起きないと行ってらっしゃいが出来ない。とりあいず、体だけでも起こそうと思って、手を前にのばして腹筋に力を入れる。 ふんっ!
しかし、20°ぐらいしかあがらなかった。けして、私の筋肉がヘボいわけではない。寝起きの腹筋なんてこんなもんだ。ああ〜、またベットに引き戻される〜と思った瞬間、両手がグイッと引っ張られる。
灰谷 蘭
蘭ちゃんが私の両手を引っ張った
灰谷 竜胆
斜め上の方から竜ちゃんの声も聞こえてきたので、私は頑張って重い瞼をうっすら開けた。蘭ちゃんは私の両頬に両手を添えてコツンとおでことおでこを合わせた後、いつものように私の右瞼と『今日は』右頬へもキスを落としていく。朝早くて私がぼやぼやしているときは、二人とも私の分の挨拶も済ませてそのまま二度寝させてくれるのだ。
灰谷 蘭
灰谷 蘭
灰谷 芹
いい子している予定はないため、素直な私はうんともすんともとれないため棒読みな返事をする。ごめんね、蘭ちゃん。
蘭ちゃんと入れ替わりで竜ちゃんが来る。竜ちゃんは私に頬擦りをしながら「んあ〜〜かわいい〜〜、仕事行きたくないサボりたい芹とお家にいる」などと駄々をこねる。摩擦で頬の皮がむけそう。少しして満足したのか、竜ちゃんも私の左瞼と左頬にキスを落とす
灰谷 芹
灰谷 竜胆
ちょ、ちょっと…皆さん、今の聞きました!!?うちの次男!!こんな朝早く仕事に行く前に、私の好きなタマゴハムサンド作ってくれたんですって!!しかもこれを作る日は、前日にパン屋さんでめちゃくちゃ美味しいふわっふわの食パンを買ってきてくれます!!そして、味付けに死ぬほどうるさい蘭ちゃんに鍛え上げられているのでタマゴの味付けがプロです!!!
ちなみに蘭ちゃんはゆで卵を潰すのがめちゃくちゃ上手なので、きっと得意げにお手伝いしたに違いない。やだ…可愛い…。ん!?ちょっとまって!?!?二人でキッチンに立って一緒にお料理してたってこと???え…誰かRECしてる???そんな貴重な映像録り逃がしたなんて死んでも死にきれないぞ???
そんなことを考えながらも私は未だに半分夢の中で、瞼がほとんど開いていない。そして思わぬサプライズを受け、仕事部屋侵入計画を企んでいることに少しだけ罪悪感が湧いてしまった。思わず眉間にシワが寄る。そんな私を見て、眠くてぐずってると勘違いしたのか、ゆっくりと私の頭を枕に戻して布団をかけなおしてくれる竜ちゃん。…これが噂のスパダリか。
布団に入ると、罪悪感より先に眠気が勝ってしまう。そこから私は2人に見送りもせず布団にくるまり、ぐっすり二度寝したのだった。
灰谷 芹
今日は土曜日なので目覚ましをかけず、いつもよりゆっくり起床した。簡単に身支度して、さっそく竜ちゃんと蘭ちゃんお手製のタマゴハムサンドを頂く。バターが香るふわっふわのパンにはさまれた、真ん中が固まりきっていない丁度いい柔らかさのタマゴ、ちょっと厚切りのハム、薄くスライスされた瑞々しいキュウリ。ちょっと多めに具がつまめこまれていたので、私はめいいっぱい口を開けて頬張った。タマゴの味付けはマヨネーズとマスタードがメインだが、他にも調味料が入っていそうだ。くどくない味付けなので、いくらでも食べられる気がしてくる。
あまりに美味しかったので、食べながら兄妹のグループLINEに「タマゴハムサンドめちゃくちゃおいしい〜!!お店のより断然好き♡朝早かったのにありがとう」と送った。 するとすぐに既読2がついて、「りんちゃんのことは?」「らんちゃんのことは?」と立て続けに送られてきた。そういうとこ双子よね。私は愛を込めて、投げキッスをしているオカマさんのスタンプを送った。
兄達は最近仕事が忙しいらしく、朝早く出かけて夜遅くなることが多い。今日もそうなると事前に確認がとれている。絶好の決行日和だ。
灰谷 芹
#4話へ続く
コメント
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今垢から失礼します🙇♀️ほんとに黒歴史ストーリーしかないんでお願いしますtiktokの方を見て頂きたいです😭アカウント消せばよかったんですけど消し忘れました、どうか、見てないでいただきたいです🤦♀️🙌🏻見てしまった人は、忘れてください🙇♀️