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コメント
14件
うん…もうなにも言わなくとも だいふく様はわかってくれるだろう…
優しすぎる
あ、あげますあげますw
だいふく
―隼人視点―
店の外で煙草を吸っていたら、目の端に動く影
――ん?
ちらりと見ると、街灯に照らされた小さな人影が、角の向こうで立ち止まっている
背格好は……あのガキだ
歩くたびに震える肩、泣きそうな目
息が荒く、手をぎゅっと握りしめているのが見える
隼人
思わず声をかけた
ガキはびくっと肩を震わせて振り向く
目が赤く、涙が今にも零れそうだ
――やべぇ、こんな顔、初めて見た
でも、からかう気持ちは抑えられない
煙草をくわえ直し、肩をすくめながら近づく
隼人
声は平然を装っているけれど、胸の奥が少しざわつく
必死で泣きそうになっているガキを、ただ見ていられなかった
隼人
短く言って、店の入口へ向かう
碧は戸惑いながらも、足を速めることはできない
後ろから見守るように歩きながら、隼人はふと笑った
隼人
店に入ると、明るいネオンと笑い声が碧を包む
ホストたちがテーブルや通路で談笑している
視線を向けられた碧は、一瞬硬直する
碧
一人が手を振りながら近づく
ホスト
碧は小さく身をすくめ、隼人の後ろに隠れる
隼人
隼人は軽く手を碧の肩に置き、強引に自分の横に立たせる
隼人
ホストたちはちらりと目を向けるが、隼人の命令に従ってそのまま退く
碧は肩越しに視線を巡らせ、心臓がドキドキしているのが分かる
普段の教室とは全く違う、煌びやかで少し怖い空間
通路を進みながら、隼人はちらっと笑う
隼人
碧は言葉が出ず、ただ小さく頷く
心の中では――
(こんなところに、僕はいていいんだろうか)
控え室のドアが見えてくる
隼人はドアを開け、軽く手をかざして碧を先に入れる
隼人
控え室のドアを閉め、碧がソファに小さく座るのを見た
肩に力が入っていて、震えているのが分かる
隼人
隼人はそう言って、近くに置いてあるブランケットを取り、碧にかけてやる
さらにペットボトルの水も差し出す
隼人
碧は少し戸惑いながらも、ゆっくり手を伸ばして受け取る
手が少し震えていて、自然に隼人の目に映った
隼人
優しく問うつもりで聞いたつもりだったが、少しからかいを交えて声をかける
隼人
碧は小さく首を振る
唇を噛み、目に涙をためながら、やっと口を開く
碧
声が震える
思わず隼人は眉をひそめたが、口元にはいつもの軽い笑みを浮かべている
隼人
煙草は消して、ソファに腰掛けながら、隼人はそっと距離を縮める
隼人
碧は小さく俯き、頬を赤くして涙をこらえる
碧
隼人
隼人は軽く肩を叩き、からかうように笑った
隼人
碧の瞳が大きく揺れる
涙が一筋、頬を伝い落ちそうになって――
でも碧は必死で堪えた
碧
やっと絞り出すように言う声
震えた手でブランケットを握りしめ、少しだけ安心したような表情になる
隼人は黙って見守る
でも心の奥では、こう思った
――このガキ、可愛いな
――甘えてくると、放っておけねぇ
軽く笑い、手は触れずにその場に座ったまま、碧の心が少し落ち着くのを待つ
碧