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人間って言い方… なんかエアルが人間じゃないみたいな言い回しじゃないですか… え?なに?だから、その種族の理性が無くなるのが満月みたいな感じ?狼男的な
俺は現在買い出し中だ
…とは言っても買い出しメモに 書いてあるものは全て買ったんだが…
なんとなーくブラブラ街を歩いている
エアル
甘いものといえば 嬢ちゃんがいつの日か選んだ 大福が頭の中によぎる
エアル
すっかり大福の口になった俺は 和菓子屋をグルグルと巡っていく
エアル
ピタッと足を止めた先には 和菓子を大量に買った店が 目の前にある
エアル
ワン、ツーと軽いステップを 踏みながら入口へと入った
プラプラと店の中を見回る
エアル
エアル
お目当ての大福を手に取り 店主に話しかけようと動く
…がまた足を止めた
エアル
エアル
いつもフォスが作ってくれる茶は 同じだから他の種類の茶を見るのは 新鮮な気持ちだった
エアル
沢山ある種類の中から いくつか手に取ってみる
エアル
全てが片付いたら ハナマル君にでも作ってもらおうか
そしてまた5人でお茶会を開いて ハナマル君が作ったお茶を飲んで… 嬢ちゃんおすすめの大福を食べて…
エアル
そう言い1人クスッと笑う
でも、なぜ”夢”と言ったのかは 自分でも分からなかった
…なぜだかその願いが遠く感じるのだ
エアル
モヤモヤとした気持ちを押し殺し 会計を済ませ店内を出る
フォス
エアル
トゥール
エアル
トゥール
エアル
エアル
フォス
茶を受け取ったフォスが 小走りで奥へと向かった
エアル
エアル
トゥール
トゥール
トゥール
エアル
トゥール
そんなことをグダグダと話していた
フォス
エアル
トゥール
フォス
トゥール
フォス
エアル
フォス
エアル
フォス
エアル
トゥール
エアル
トゥール
そっから夕方まで 模擬戦を楽しんでいた
夕食や風呂などを済まし あとは寝るだけの状況になった
フォスとトゥールは一足先に 眠りについてしまったようだ
エアル
ゆっくりと起き上がり 2人が寝ていることを再度確認する
エアル
殺していた息を吐き出す
俺は2人が寝るまで狸寝入りしていた
それには理由がある
エアル
エアル
エアル
カシャっと音を立てて 取り出したのは1本の刀
もうその刀は錆びていて 刃こぼれもしている
ぶっちゃけ言ってもう使えない
だが、俺はこの刀を 生きている限りは持っているつもりだ
エアル
刀をギュッと握りしめ ある場所へと歩き出す
向かった場所はボロボロになった施設
…とは言っても もう施設の面影なんてないけど…
そんなことを思いながら ある墓の前で止まる
エアル
何も言わないまま、持っていた 錆びた刀の刃を 墓の前の地面にザグッと突き刺した
そうすると俺は墓の前にしゃがみこむ
1つ、2つ深呼吸をした後だろうか 俺はようやく口を開いた
エアル
するりと出た言葉
エアル
そのまま墓に向かって話しを続ける
エアル
そう言いながら刀の 持ち手の下をグリグリと押す
刀の刃は地面に沈んでいくばかりだ
エアル
パッと押していた手を離し 墓と向き合う
エアル
エアル
俺に兄なんていない
弟も姉も妹も…いない
ただ…アイツらが呼んでいた 言葉が移っただけだ
エアル
これも…移ったんだ…父もいない
エアル
エアル
エアル
エアル
…少しの沈黙の後 俺は墓に寄りかかった
そして、震えた声でその名を呼ぶ
エアル
エアル
絞り出した声は 驚く程に小さく、震えていた
…あの日、2人を殺した日
2人の名を呼ぶ度にアイツらの 泣き喚いた声や辛そうな声が 脳内に響き渡る
それが辛くて、怖くてたまらなかった
エアル
エアル
エアル
墓に額を付ける
エアル
墓は冷たかった
エアル
エアル
エアル
エアル
墓から額を離す
エアル
エアル
エアル
エアル
エアル
エアル
誰もいないボロボロの施設には 誰もいないところで楽しそうに 話す人の声が響き渡っていた
そんな声は
誰にも聞こえることはなかった───
満月まで残り4日