救いの星

そう言って、兄様は僕に近づいてきた。

僕は皆に背を向けて逃げ出した。

後ろから、マッシュ君が全速力で追いかけてきた。

僕は杖を取り出して、呪文を唱えた。

フィンは固有魔法を使って、ひたすら逃げ続けた。

それからというもの、フィンを見つけては逃げられるの繰り返しで、捕まえることができず、時間は刻々と過ぎていった。

レインは剣を放ち、フィンの右足に深い切り傷を負わせた。

その拍子にフィンは地面に倒れ、杖が手から離れた。

レインはすぐさま側に駆け寄り、フィンを強く抱き締めた。

フィンは逃げようとしたが、レインの力が強すぎて、腕の中から抜け出すことができなかった。

兄の意外な言葉に驚いたのか、フィンは抵抗するのをやめた。

〜回想〜

そう言いながら、フィンはレインを突き飛ばした。

そう言った途端･･･

パンッ！

レインは、フィンの頬を叩いた。

レインはさらに力強くフィンを抱き締めた。

レインは魔法のハンカチを取り出し、フィンの右足の傷に巻き付けながら言った。

そう言った途端、フィンが身に付けているペンダントが眩い光を放ち、その場にいる全員を包み込んだ。

光が止み、六人が目を開けると、そこは北の森の入り口だった。

目の前には、懐中時計を持ってエルターがいた。

そう言うと、エルターの体は小さな光となり、天へと昇っていった。

後日･･･

そう言って、レインは一枚の紙を渡した。

こうして、僕は兄様と仲直りができた。

僕は今、とっても幸せです！