衝動のままに走った
もう帰りたくない 帰れない
あんなことしたんだ、居場所がない
それに気付いたら、足は止まった
雀田 飛鳥
今更帰れない……
雀田 飛鳥
雀田 飛鳥
その時気付いた
雀田 飛鳥
住宅に全く光がない 誰もいなくなったみたいに
……いや、みたいじゃない 居なくなったんだ
全員「避難」したから
『まほうつかい』
雀田 飛鳥
そいつは意気揚々と現れた
『まほうつかい』
よく言うよ 自分も差してないくせに
雀田 飛鳥
『まほうつかい』
『まほうつかい』
さっきまで発してた声より この声は低かった
『まほうつかい』
『まほうつかい』
雀田 飛鳥
雀田 飛鳥
『まほうつかい』
グイッ
雀田 飛鳥
手を引っ張られて、ダメだと思った
でも、でもね
そもそももう、帰る場所がないの
ならもう 攫われた方がいいのかなって思った
雀田 弥佳
雀田 飛鳥
ザンッッッ!!!
『まほうつかい』
咄嗟に返事してしまった
いつもの声だ 家で聞いてたいつもの
雀田 裕一郎
雀田 ひばり
みんなみんないつも通り
安心したら腰が抜けてしまった
雀田 裕一郎
雀田 裕一郎
雀田 ひばり
雀田 ひばり
雀田 裕一郎
雀田 ひばり
雀田 飛鳥
『まほうつかい』
雀田 弥佳
雀田 裕一郎
雀田 弥佳
でも全部治ってる……
『まほうつかい』
僕あの子に用があるの
雀田 弥佳
『まほうつかい』
着いたのはいつもの体育館
雀田 ひばり
雀田 飛鳥
雀田 ひばり
雀田 飛鳥
久木野 紗希
雀田 ひばり
久木野 紗希
派遣されてきました
久木野 紗希
雀田 ひばり
雀田 ひばり
雀田 飛鳥
またあとでね!
雀田 ひばり
……母は、戻ってこなかった
『まほうつかい』
ほんと…ッ…しぶとかった……
『まほうつかい』
オリバー
『まほうつかい』
オリバー
随分手酷くやられたなぁ……
『まほうつかい』
『まほうつかい』
久木野 紗希
雀田 飛鳥
久木野 紗希
幹部
幹部
裕一郎さん達が!?
雀田 飛鳥
幹部
幹部
父の名前、連絡
こちらからも試してみる
嫌な予感だけが膨らんだ
雀田 飛鳥
久木野 紗希
雀田 飛鳥
久木野 紗希
雨で体がまた冷えてく せっかくあったまったのに
雀田 飛鳥
嫌な予感はどんどん膨らんで 私を押し潰してく
現場に着いた時
嫌な予感は的中した
雀田 飛鳥
横たわる三人 流れ出す血
触ってみるの雨のせいか分からないけど とっても冷たかった
直感した
私の家族は、死んだ
雀田 飛鳥
雀田 飛鳥
雀田 飛鳥
雀田 飛鳥
まだごめんなさいも言えてないのに
天音 莉乃
天音 莉乃
親戚
天音 莉乃
雀田 飛鳥
葬儀でも、涙は出なかった 出尽くしてしまった
それに、そこまでの元気もなかった
雀田 恵
少し歩くけど耐えられる?
雀田 飛鳥
雀田 恵
そうだった 私はいつも罪深かった
謝罪も、作りかけのミサンガも 全部全部中途半端
ほんとに、馬鹿な子
……にしても、ここはどこ?
暗い、黒い 手も足も見えない
電気が付いていない? いや、違う
ここ、夢だ
雀田 飛鳥
雀田 飛鳥
『まほうつかい』
『まほうつかい』
1番嫌いな顔が 目の前にあった