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ミスター銀さん

夕…

ぎ…銀さん…

ミスター銀さん

大丈夫か?

ミスター銀さん

みんな心配してるぞ

……

ごめん

ミスター銀さん

……

あんな事…して…

ミスター銀さん

ああ、あれは大丈夫だ

ミスター銀さん

別に深く刺さったわけじゃ無いからな

そ…そう…

でも…

刺さり所が悪ければ…

ミスター銀さん

いいって、いいって

ミスター銀さん

この通り俺は生きてるんだから!

………

 

 

 

しばらく沈黙が続く

俺さ、みんなから大切な事を知れた

ミスター銀さん

え…?

友達や家族がとても大事だって事

今まで俺は…

知らなかった

だから…容易に人を殺すことができた…

でも…

大切な人を奪われるって…

本当に辛いことなんだって…

俺は…今まで…

たくさんの命を奪った…

その命の数だけ…

いや、奪った数以上の数の人々を悲しませてきた

俺は…本当に…

なんて事をしていたんだ…

俺…もうどうすればいいんだろ…

 

ミスター銀さん

……

ミスター銀さん

だな

ミスター銀さん

それは酷いことをした

………

…うん

ミスター銀さん

でも、自分で気づくことができた

ミスター銀さん

だから、殺してしまった命の分だけ命を助ければいいんだ

ミスター銀さん

もちろん奪った命は帰ってこない

ミスター銀さん

助けただけで許してはもらえない

ミスター銀さん

でも、せめてもの罪滅ぼしとして誰かを助けたらいいんじゃ無いか?

命を…救う…

ミスター銀さん

夕のその強さを、人助けに生かすんだ

人助けに…

 

もう…死のうかな…って思ってた…

でも…だめだよね…

俺が死んだところで命が戻って来ることなんて無い

ただ…逃げてるだけだ…

ミスター銀さん

死ぬのも悪いとは言わない

ミスター銀さん

本当に辛くなって、死んで全てを終わりにできる

ミスター銀さん

でも、夕が生きて誰かを助けようととすれば

ミスター銀さん

助かる命もある

……

俺、やってみる

誰かを助けてみる

もう、人の命を奪ったりなんてしない

ありがとう、ミスター銀さん

ミスター銀さん

おう、どういたしまして

すまない先生

おーい、ミスター銀さん

ミスター銀さん

あ!すまない先生!

すまない先生

夕…!

すまない先生

大丈夫か?

ミスター赤ちゃん

めっちゃ探したんだぜ?

ミスターブルー

見つかってよかったぜ!

ミスターレッド

だな

(ああ…こうやって心配してくれるんだな…)

(本当に…ありがとう…)

銀さん

ミスター銀さん

ん?なんだ?

本当に…本当に…ありがとう…!

あれから1週間

なんやかんやあったけど、いつも通りの日常に戻っていた

夕はあれから

人助けをしているらしい

落とし物を探してあげる…みたいな小さなことから

子供を事故から救う…みたいなことまで

色々頑張っているらしい

組織のボスみたいな人には

全ての連絡を断たれて完全に関係が無くなったらしい

人を殺す組織と関係が断たれて安心したぜ

今でもたまに夕には会ったりしている

その時は楽しく喋ったり、一緒にご飯を食べたりする

夕は前よりも楽しそうにしてくれる

本当に友達だと思ってくれて

嬉しい

あ、そろそろ授業が始まる

急いで行かなきゃ怒られるな

ミスター銀さん

今行きます!すまない先生!

僕は友情も愛も知らない

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