気づけば俺はまた夢を見ていた
自分が眠ったことにも気づかなかった
でも…いつもと何か違うような気がする
それは…
何倍も…深く暗い
いつも感じる孤独とはまた別の何か。
まるで俺一人世界に取り残されたみたい
そういえは、前居た子供はどうしたんだろう?
まぁ…居ないのが1番良い
あの子供は…俺の中の何かを変えようとしている気がする
少し、いや…
凄く怖い
変わってしまうという事は
これまで作り上げてきた俺が居なくなってしまう
…"ちゃんと"出来てたかは分からないけど…
まぁ
俺という人間は…存在してないのと同じだけど。
あれ…そういえば
俺、なんでグループ入ったんだっけ
なんで活動してるんだっけ
なんで…
生きてるんだっけ…
楽しくも辛くもないこの人生に…
何の価値があるんだっけ…
…あぁ、そっか
俺は前から気づいてたんだ
理解した上で…
…もう、いいかな
メンバーのみんなにはどうせ気づかれてる
それなら…もう必要ない
利用価値が無いんだから…。
小さい頃…よく"言われてた"なぁ…
利用出来ないものは捨てなさいって
〜しなさい。
〜しちゃ駄目。
…「わかったよ、お母さん」
…懐かしいな
俺のお母さん…どこ行っちゃったんだっけ
凄く優しくて…手先が器用で…
料理とか特に…
…
LAN
…ここは?
どこか見覚えがある様な…?
この布団の匂い…
どこかで…?
扉が開き、とある人物が茶碗を持って立っていた
いるま
LAN
いるま
いるま
LAN
いるま
LAN
そう言って無理やりスプーンを口に入れられる
どうやら…俺は桜を見る際に倒れてしまったらしい
それでそのまま連れてきてくれた…と。
LAN
いるま
LAN
いるま
いるま
LAN
いるま
いるま
LAN
運ぶ時に気づいたのか…
相変わらず勘のいい…
いるま
いるま
LAN
いるま
LAN
いるま
吐き捨てるように部屋を後にするいるま
今日は休めって事かな…?
いるまなんか怒ってたし…
でもまだまだ残ってるし…
そんな事を考えているとスマホの通知音がなる
何だろうと画面を見ると、メンバーからの着信だった
LAN
すち
LAN
そう、通話の相手はすちだった
何の連絡もなしにかけてくるのは珍しい
急用だろうか
すち
LAN
すち
LAN
すち
安心した、ほっとしたような声で笑う
さっきまで張り詰めていた空気とは全く違う雰囲気
LAN
すち
少し言いづらそうに口を開く
すち
LAN
すち
LAN
LAN
LAN
すち
すち
LAN
すち
すちとの電話が終わり、一息つく
すち…俺の事心配してるのかな?
…余計なお世話、だけど
まぁ…したいようにさせておけば良いか…
"どうでもいい"し
それにしても最後の話…
「らんらんの生きる理由って何?」
…そんなの、どうでもいいじゃん
咄嗟に「活動するため」って答えたけど…
…はぁ、疲れた
LAN
いるま
急に話しかけられ、体が反応する
声に出てたのか…
LAN
LAN
いるま
LAN
いるま
いるま
LAN
いるま
LAN
いるま
いるま
LAN
いるま
LAN
本心、か
自分でも分からないものをどうやって伝えろと…
いるま
そう呟くいるまの声は震えていて
今にも泣いてしまいそうな声色だった
LAN
いるま
LAN
いるま
LAN
LAN
そう言って笑う彼の声は
いつもと何の変わり映えも見せずに
ただ淡々としていた
救う方法は無いのか
彼の本心を知ることは出来ないのか
…もう何もわからない
考えても考えても…何もわからなくて
離れていく彼の背中を見つめることしかできなくて…
この世に神様が居るとするならば
…彼は何か悪い事をしましたか…?
人に迷惑をかけましたか…?
人を馬鹿にしましたか…?
なんで…そんな不平等なのですか…?
コメント
3件
すごいです すごいです すごいです
どうしてこんな神作品作れるんでか。 読みながら泣いてしまいました。 これらの投稿楽しみにしています。頑張ってください。