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暗い話とか切ない話見るとちょっと落ち込んじゃう...
他の作品より何か好きだわぁこれ
何も考える事が出来ない時間が続いていく
もう太陽も上り切り
春特有の暑さの中
俺は一人、スマホ片手に天井を見上げる
…どうしたものか
考えているのに、何も考えられない
自分でもよく分からないこの感情に嫌気が差す
やっと何か掴めると思った矢先がこれだ
何を考えているのか、何を感じているのか
…それが分かるきっかけを掴めたと思ったのに
やっぱり彼は何も言ってくれなくて
まるで自分の中で、辛い記憶を消そうとしているみたいで。
…つくづく彼がわからない
何がしたいのかも
何で俺達を頼ってくれないのかも
…自分を殺す理由も
「活動をしていたいから」?
…嘘
君は絶対そんな事思ってない
静まり返った部屋に着信音が鳴り響く
すち
暇72
すち
着信相手はひまちゃん。
要件は恐らく…
暇72
ほら、やっぱり
暇72
すち
暇72
暇72
すち
暇72
あぁ…
今は何故か話す気力もなく、いつもより低かったかもしれない
すち
暇72
すち
あれ…前が、暗く…?
暇72
暇72
荒い息をなんとか整えようと必死に深呼吸する
ピーンポーン、とインターホンの音が鳴り響く
…でてくる気配が無さそうだ
暇72
咄嗟に、持ち合わせていた合鍵を使って中に入る
不法侵入…ではないよな…?
そんな呑気なことを考えていると
暇72
倒れているすちを発見した
顔が青白く息も荒い
とりあえず病院に連れて行ったほうが良さそうだ…
暇72
暇72
…
目を開けると、俺は見覚えの無い白い壁の部屋に居た
起き上がろうと体を起こそうとするが
頭が重く、目眩を起こす
暇72
そう言って涙を流すひまちゃんが幼い子供の様に可愛く見えた
すち
すち
暇72
暇72
暇72
すち
涙ながらに話す彼の頭を撫でる
暇72
暇72
いるま
こさめ
勢いよく開かれた扉の前に
慌てて出てきてくれた二人の姿があった
すち
暇72
いるま
こさめ
こさめ
こさめ
…俺は倒れてはいけなかった、絶対に
すち
今ここで俺が倒れることによって
俺に意識が集中してしまう
いるま
いるま
暇72
すち
こさめ
こさめ
いるま
すち
みこと
すち
いるま
暇72
みこと
こさめ
みこと
いるま
暇72
…らんらんを救わなきゃいけないのに
すち
みこと
みこと
…俺よりも
すち
みこと
らんらんの方が辛いんだから…
いるまと雑談をしていると、着信音がした
LAN
いるま
いるま
LAN
いるま
LAN
俺の…せい?
さっきまで通話してたんだけどな
いるま
LAN
いるま
LAN
いるま
そう言い残し、扉が閉まる
LAN
今日は色々な事が一度に起こり過ぎな気がする
同時に…色々と面倒な事が多い
まぁ…どうでもいいけど
…いつの間にか、勝手に足が動いていた
少し歩いた所で、公園のベンチに腰掛ける
春の風が吹き、気持ちの良い時間帯
ただ人通りも多く、子供が遊んでいるのが見える
ただ無邪気に、楽しそうに笑っている
家族連れも少なくは無い
LAN
不意に出た言葉に、自分でも驚きを隠せなかった
ただ出るのは乾いた様な自虐的な笑いだけ。
家族らが話している会話
「楽しかった!」
「また来ようね」
どれも前向きな、感謝の言葉の数々
…そんな中
「お母さん大好き!」
この言葉だけが
どこか寂しいような
少し痛い様な気がしたのは…気の所為だろう